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希望の星

「受験、就活、婚活、妊活、保活、私たちは就活まである。なんでも頑張らないと手に入れられないって、ありえないわ💢」

ときどき娘がブチ切れます。確かに仕事はキツイし、給料は安いらしい。そこから社会保障費がガバリと取られるから、入社してから給料が減っていると体感しているらしい。

確かに大変な時代です。SNSのおかげで、ウンザリする情報は途切れなく目にして、未来は不安だらけ、明日のことしか考える余裕もないらしいです。

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私の恩師は学生運動で角材を振り回していたと聞いていました。別の先生も道路のアスファルトを引き剥がして石を投げていたらしいです。

「なぜ、賢い大学生がそんなアホなことをしていたのですか。」真面目に聞いてみました。

「変えられると信じていたからですよ。つまり希望を持っていたのです。」

「へーある意味、幸せな時代だったのですね。」

本で読みましたが、結局は何も変えられなかったようです。人によっては思い出したくもない黒歴史の人もいるし、未だに何かを変えることが出来ると信じたまま、老人になっている人も存在しています。気の毒なことです。

でも確かにあの頃の若者には希望はあったのだと思いました。

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希望が持てない今の若者たちは、未来ではなく明日のことぐらいしか考え考えられないと、若者代表の娘は訴えます。

昔の世代が、手にしていた安定した仕事、結婚、子どもを持つことさえ今は頑張らなければ手に入らないとボヤきます。

だから石を投げる元気もないそうです。

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「でも昔が良かったなんて思わないでよ。簡単に比較的できるものじゃないよ。いまは時代の変わり目だから、それを見届けることが出来るのは、今を生きている、あんた達の特権だよ。」

娘に語る私の言葉は、通り過ぎていくだけか、どこかに引っかかるかどうかは分かりません。けど何か面白いものを見つけることが出来れば、それが希望になる可能性はあると思うのです。

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娘の連休は、1日目はゴロゴロ休み2日目は資格試験の勉強をして、3日目は初めてレンタカーを借りて1人でドライブに出かけたそうです。

「セルフのガソリンスタンドも、大丈夫、出来るようになった。」と笑って報告してくれました。娘は、また一つ出来ることが増えて、小さな自信が生まれたようです。

息子はバナナオレを買うことが出来るようになりました。

健常者の娘、障害者の息子、まだまだ成長してくれているようです。2人とも歩みを止めることなく未来を生き延びて欲しいと母は願っています。

あなた達こそが、私の「希望の星」です。

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