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変わったチーズケーキとダブルナイキカップル【cafe aRuis @一ノ割(埼玉県春日部市)】

生まれて初めてやって来た一ノ割駅前。昼ごはんにピノという可愛い名前のお店で感動的に美味しいハンバーグをいただいた。

ランチを終えた後はカフェタイムだ。一ノ割には一体どんなカフェがあるのだろうか。自分の足で探さずにGoogleマップに頼って探した。するとピノからすぐ近くの場所になんだかオシャレそうなカフェがあることを知った。写真を見るとチーズケーキが美味しそうじゃないか。近いしとりあえず行ってみよう。

ピノからそのカフェまでは歩いて30秒ぐらいで着いた。ピノにやって来る時に見たおにぎり屋さんの隣だった。カフェの名前は「aRuis」。僕は馬鹿なので読み方は分からなかったが後で調べた情報によると「アルイズ」と読むらしい。暗めの青で縁取られた窓や扉が印象的なオシャレな見た目のカフェだ。その青い扉を開けてお店に入った。

お店の外観

お店の中に入ると、フレームの細いメガネをかけていていかにも美味いコーヒーを作るために生まれて来ましたみたいな見た目をしている細身の男性店員さんと、誰からも可愛がられそうな愛嬌のある女性店員さんが「いらっしゃいませ」と声をかけてくれた。僕は一人であることを伝えると、「お好きなお席どうぞ」と言ってテーブル席の方へ誘導してくれた。お店には2人掛けのテーブル席が6卓あり、奥の方のテーブルでは若い男女が座っていたので僕は入り口に近い方のテーブル席に座ることにした。店内にはドライフラワーがぶら下がっていたりして、都心にあってもおかしくないようなオシャレな雰囲気である。

店内の雰囲気

愛嬌のある女性店員さんが僕の席にメニューを持って来てくれたのでそれを眺める。とりあえずコーヒーが飲みたい。メニューを見るとコーヒーはブレンドコーヒーの他に「今月のコーヒー」という月替わりのメニューも存在するようだ。月替わりだからちょっと特別な豆を仕入れているのだろう。それにもかかわらずブレンドコーヒーと値段が50円しか変わらない。ちょっと気になる。今月のコーヒーは2種類あるようだが、そのうちの1つはすでに売り切れのようだ。売り切れていたコーヒーの名前は「新春ブレンド珈琲」。2024年になったばかりの今の時期にぴったりな名前だ。飲んでみたかった。しかしこれが売り切れとなるともう選択肢はっ絞られる。僕はもう一つの「今月のコーヒー」である「ブラジル アナエロビック」というコーヒーを注文することにした。

そしてコーヒーに合わせるデザートはさっきネットで見たチーズケーキを頼もうと思っていたが、お店の壁に「期間限定 ショコラバスクチーズケーキ」と書かれた紙が貼られている。ショコラバスクチーズケーキ。なかなか聞かない響きだ。僕は普段初めて入ったお店で限定メニューを頼むことは少ないのだが、今回ばかりはこの限定メニューの正体が気になる。今回のデザートはこれで決まりだ。店員さんを呼ぶ。女性の店員さんは来るたびに愛嬌がある。注文の時に僕が壁を指差して「ショコラバスクチーズケーキ」と言うとその店員さんは

「ありがとうございます!」

と声のトーンを上げて僕に言って来た。突然の声の変わり様と彼女マスク越しでも分かるぐらいに嬉しそうな顔が僕は意外に感じたので、あれっ、そんなに売れてないのかな、とか考えてしまった。僕は本当に自分の性格が捻じ曲がっていると思ってしまった。

メニュー

注文を終えたタイミングで僕の隣のテーブル席に僕と歳が近そうなカップルがやって来た。席に座った彼らの足元をよく見ると、2人ともまったく同じナイキの白いスニーカーを履いている。これが流行りのシミラールックってやつなんだろうか。こういうの、僕はマジでやりたいと思わないな。なぜなら恥ずかしいから。


ダブルナイキカップルはメニューを見ながら何を頼むべきかと話していた。彼氏であるダブルナイキ男は、

「パスタにプラス300円でサラダとスープが付けられるぞ」

と言うと、彼女であるダブルナイキ女がこんなことを口にした。

「サラダは欲しいけど、スープはマジでいらないわ」

そのセリフを聞いた途端、僕は思わず吹き出しそうになった。お嬢さんよ、そんなにスープを毛嫌いする言い方をしなくても良いのではないか。いくらなんでもスープがかわいそうだぞ。さっきお前らのシミラールックに対して心の中で結構酷い言い方をしてしまったのは悪かったよ。


ダブルナイキカップルの会話をラジオにして待っていたら女性の店員さんがこれまた愛想良くケーキとコーヒーを運んできてくれた。淡い黄色味がかかった皿に乗っていたのはどこからどう見てもチーズケーキには見えないチョコレート色のケーキ。これがショコラバスクチーズケーキというやつらしい。一体どんな味がするのだろうか。

ショコラバスクチーズケーキ

まずは抹茶色のカップに入ったコーヒーを飲んでみる。おお、結構スッキリしていて酸味が割と強い。メニューにはアップルやアプリコットのような柔らかい酸味があると書かれていた。そのフレーズがとてもしっくり来る味わいだと思う。僕は正直酸味が強いコーヒーはあまり好きではないが、このコーヒーは美味しいと思った。

今月のコーヒー ブラジル アナエロビック

続いてショコラバスクチーズケーキをいただく。まずフォークを入れると予想以上に柔らかい。フォークに手応えを感じるのは最初の一瞬だけで、あとはただクリームの中をフォークが通っていくだけのような感覚。これだけでこのケーキがとてもクリーミーなものであることを想像させる。口に入れると予想通り、クリーミーな口当たりだ。そしてお味の方はショコラ感がめちゃくちゃ強い。もはやこれはチーズケーキじゃなくてショコラケーキだ。最初にまずショコラの風味が先鋒として口の中を駆け出してくる。そしてその後少しだけチーズケーキらしい酸味を感じるのだが、後味でまたショコラの大将のような強い味が口中を覆う。コイツがチーズケーキを名乗っていることに驚きを隠せなくなるほどショコラだ。

とてもクリーミー。

ケーキを食べながらふと隣を見ると、あのダブルナイキ女の元になんとスープが運ばれてきた。おいおいマジかいお嬢さん。さっきまでスープに対してあんなひどい言い方をしたばかりではないか。何があって急にそんなに気が変わったんだよ。お前はあれか?もしかして男に関してもすぐ目移りするエアマックス並みの尻軽女なのか?

そんなことを考えていたらその後彼らの元にクリームパスタが運ばれて来た。めちゃくちゃ美味しそうだ。隣からそそる香りをずっと匂わせてくる。ああ、もう少しお腹のキャパに余裕があればこれも食べてみたかった。僕は今日せっかく雰囲気の良いカフェにやって来たのにこのダブルナイキカップルに翻弄されっぱなしだ。悔しい。全然関係ないけど僕は足の横幅が広いからナイキの靴が足に合わない。それも悔しい。


チーズケーキもコーヒーも美味しくいただけた。大満足だ。そういえばメニューに「コーヒーは冷めてくると甘みが増す」みたいなことが書いてあったのを思い出したけど、コーヒーが冷める頃にはカップの中に本当一口分ぐらいしか残っていなかったので甘みに関しては正直よく分からなかった。

席を立ち、レジにてお会計。女性の店員さんは、最後まで愛嬌のある人だった。


お店を出る。とても良いカフェだった。これまた穴場の良いお店を見つけてしまった気がしてとても嬉しい気分だ。こんなに穴場の良いカフェを見つけてしまったことを、それまで散々インスタで擦られまくった有名店を「本当は教えたくない穴場カフェ」とか題して自慢げに投稿しているインスタグラマーに自慢してやりたい気分だ。僕が今日行ったこのカフェがインスタでどれだけ擦られているのかは知らんけど。


今回行ったお店


cafe aRuis
●住所:埼玉県春日部市南4丁目22−24
●アクセス:一ノ割駅から徒歩2分
●営業時間:
 月・火:10:30-17:00(LO16:30)
 木〜日:10:30-19:00(LO18:30)
●定休日:毎週水曜、隔週木曜
●支払い方法:現金、クレカ、QRなど
●駐車場:なし


頼んだメニュー


●ショコラバスクチーズケーキ
●今月のコーヒー ブラジル アナエロビック
セット料金で¥1100

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