この病魔は、「あー、真面目やな俺……。」みたいに思ってても、思ってなくても。

そう思われている人なら誰にでも発症するなかなか厄介なやつだ。

宿題から始まり、種々雑多な事を覚え、応用問題を解きまくり入試を何回も受けて、そのために勉強して、(俺はしなかったけど)、運動して。適度に恋愛もして、社会人になり。会社の犬になり、上司にヘコヘコしてるのが典型的な日本人だとしたら……。

その全てのステージで自由は阻害されるものである事を覚え、謎の苦痛にも耐え、耐えて忍ぶのは日本人の美徳だとよく分からん大人に説教されてきたんだと思う。

みんながみんな、それなりに生きていける昔ならそれでも良かったんだと思う。これも色んなところで色んな人が言ってる事だし、国民総中流みたいな話はもう誰も思ってないんだろう。

じゃあ、勝たねばならぬ！欲しがりません勝つまでは的な大戦時代宜しくなキーワードを自身に標榜してモリモリ自己研鑽に励む人がインターネットのおかげで発信をするようになり、そういう生き方が正義だぜ！みたいな謎の風潮が真面目にこの病を産んでいるような気がしてならない……。

例えば、毎日腹筋を10回するのを日課とかして、雨の日も風の日もやるわけだ。同じように英会話にも週一で通い、アホな上司の言うこともアメニマケズ、カゼニモマケズと念じながらやり過ごし続けるんだろう。

まぁ、会社はしゃあないと思う。給料もらってる限りはそう言う事に付き合わされるもんやし、そう言う事に振り回すために経営者は賃金を払っているしね。まぁ、残念だけどそんなもんだよ……。

だからこそ、やらなあかん病は容易に発症するんやろう。やらなあかん病の根本原因は俺的には解明済みなんだ。「諦める」これに尽きる。色んなこと諦めたんだよ、本当に。英会話スクールに通うために大好きなカラオケに行くのを辞めました。健康になるために煙草を辞めました……。頭の悪い上司と話すのが嫌なのでコミニケーション取るの辞めました。会社に希望を持つとか子供染みてるので辞めました。自分が独立したかった夢なんて、夢のまた夢なんで諦めました……。

そう、色んな諦めの上に僕らの人生は成り立っているよ。

特性的なもんかも知れんけど、日本人は我慢するのが本当に好きだ。海外のドラマとか見てちょっと嫌な事があったら、ゴミ箱蹴っ飛ばしてる人とかみて、あー……とか思うもんやで。でも、痛いときに痛いとか、腹立つときに腹立つとか。お前クソやとか、なんでいうたらあかんのやろうか？言ってもええねん、その後がないだけで。その後がないなら、自分で作ればええやん。けど、その後がないからホンマの自分を我慢して、我慢して。違う自分が出来上がるねん。達観してる、大人っぽく見える、何も感じない灰色の人が。

この状態が、やらなあかん病の末期症状なんやろうな。正しく振る舞わないといけない、ルールに背いてはいけない。勿論、法律は守らなあかんで法治国家やからな。でも、実は人殺すな、人騙すな、人から物を巻き上げるな……。みたいな、ほんまに最低限のルールしか無いはずやんか？なんで、そんなにやらなあかんの？？なんで、そんなに虚勢を張った自分が好きなん？？……俺にはよく分からんねん。

俺は自由でありたいから、出来るだけ自分が自由であるようにその時やりたい事を出来るだけやってる。そのために、仕事も変えた、住む場所も変えた、何なら国も変えた。変えたから偉いわけではないし、俺最強とも思ってない。でも、自由であることは人間の権利やし、それこそやらなあかん病や。俺の、やらなあかん病はシンプルに自由でなければならない。それだけ。

もし、この瞬間にそんな事で苦しんでたりするんやったら、自由って何やろう？と、哲学してみて。一番はじめに閃いたことを5秒後からやりはじめてみたらええやん？

ほなら、悪性のやらなあかん病から抜け出せるかもね。