綺麗事を言うのは、詐欺師でも無い限りなかなか難しいもんだ。

まぁ、だって大人になれば多かれ少なかれ社会の闇には触れるわけやし、その闇に光を灯すのがどんだけ大変かも骨身に染みて分かっているわけやしね。

子どもたちが言う夢はことごとく壮大で、取り止めがない。取り止めがないのは、どうすれば良いかを逆算しないからだろうし、大変な部分なんて一切見てないから無邪気だって思うし、無垢だなって思うわけだ。

しかしながら、いつからそう言う事、言わなくなったんだろう？とふと思った。例えば、僕の夢は世界征服だった。俺は世界征服するんだー！と40近くのおっさんが高らかに叫んでたら、ちょっと引くやんか？いや、大分引くか……。

けどね、僕の心の中をよーく覗いてみると。ちゃんと書いてあるのよ。世界征服がしたいぞーー！って。素直な気持ちを、素直に伝えることを忘れちゃっただけなんだよね。

ボヘミアンラプソディも、ロケットマンもそうだったけど。アーティストは生身の自分を曝け出しすぎて、ATフィールド貼って生きてる奴らとの軋轢に耐えきれなくなるんだよな。ピュアだからアーティストだし、欲望に恐ろしく従順だからアーティストなんだもん。

日本はアートが軽視されてるのか、重宝されてるのか良く分からん国だな、だからそういう生々しい狂気に触れるのがある程度年取ったおっさんとか、おばはんになってからになっちゃうのかも知れない。

俺、ちょっとゴッホ見てくるわー！とか無いやん。なかなかね。ゴッホ展とかあるとアホほど人集まるし、確かに日本に行った時に見た展示って、ツタンカーメン展とか、ダリ展とか、なんかそういうメジャー中のメジャー、大リーグやハリウッドみたいなやつしかいかんかったなぁ……。と。

それが、ええか悪いかなんてどっちでもええねんけど、そこにあるのが純粋なまでの狂気やってことがポイントやと思うねん。その人にしてみたら、それが捻れてない綺麗事やねんな。

綺麗事言うのに実は覚悟なんかいらんのよ、てか言葉なんて本当に紡いだもん勝ちやし、紡がない言葉は存在すら認知されないことがある。こんな時代やし、大言壮語であることは普通なんちゃうかな？ヒップホップスターみたいに大口叩くか、ひたすら感謝するかが最近の売れ線やろ？

仮面被って言わされてる人はホンマに悲惨やでな、けど仮面被らんでもスッとそんな事が口から滑りでる人は、ホンマモンか、パチモンの詐欺師かどっちかやろうな……。

誰しも詐欺師なんかなりたないねん、職業詐欺師の人はええよ。別に好きにしてって感じやし。早く捕まって社会から消えてくれとは思うけどね……。

すぐ、脱線するから話を戻そうな。ボチボチ終わるか心配無用！！天地無用！！

要するに綺麗事言えるぐらい自分と対話できてるかって事やねん。己の秘めた想いに嘘つかんと生きてるか？って事やねん。

今、やれとか。多動力やとか。何やとか……。自分を正当化するための言い訳を僕らにくれてるねんけど。

例えば、色々やれ！って言われても、何すんのさ？今、やれって言っても、はたまた何するのさ？？

まずは、自分としっかり会話するって事が大事やと思うで。そんなかでキーワードが出てきたら。それが、貴方の綺麗事なんやと思う。

僕の場合は、シンプルに。自然と子どもと音楽とソフトウェア。何か一つだけにしようと足掻いた時期もあったけど、どれが欠けても俺らしくない。

うんうん唸りながら設計してる時も、遮二無二コード書きまくってる時も、野山を子どもを引き連れて大暴れしてる時も、キャンプファイヤーで唄歌ってるのも、ライブハウスやパブでギター引き倒して暴れてる時も。ぜーーーんぶ、僕。ぜーーーんぶ、俺。

Yasであり、うつぼである全ての活動が俺にとっての、僕にとっての綺麗事。

そこにいる皆が面白かったら良い、興味深ければ良い。もっというと、アドレナリン出てるといい。演者も聴衆も、受け手も、ユーザも。

そんな綺麗事があるかい？動き出すのは、それを見つけてからなんじゃないのかな？？って俺は思うよ。