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蔵出し:「句読点の使い方一一punctuation一一」(英語シリーズ2)from 野菜さらだの『アメリカは、住んでみなくちゃわからない!』(第19回)

※この蔵出しシリーズは、1996年~2002年までアメリカに留学していた野菜さらだが後半の1999年~約三年間、週2回発行していたメールマガジンの記事をそのままそっくりお送りするものです。今回は、毎日更新していきますので、お楽しみいただければ幸いです!

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  野菜さらだの
   『アメリカは、住んでみなくちゃわからない!』(愛称アメすん)
         (1999/8/3発行) 第19号 (火・金曜発行+日曜版)
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 今日は先月の仮定法(第12号)に引き続き、「学校では教えてくれなかったじゃん!英語シリーズ第2弾」をお送りします(いつの間にかシリーズ化)。

◆本日のテーマ「句読点の使い方一一punctuation一一」(英語シリーズ2)

 留学生は必ず英語でレポートを書かなければなりません。アメリカ人学生もレポートを書くのにはかなり努力が必要で(日本語でも日本語を話せれば、即論理的な日本語の文章が書ける訳ではないことを考えればこれは容易にわかります)、私の通う大学には一般の学生向け、書き方(Writing)のコースがたくさん用意されています。

 先生が学生に注意していることを聞くと、「へー、アメリカ人もそんな間違いをするんだ」というのがあります。例えば、主語と動詞を一致させよ(単数形か複数形か)とか、時制を統一せよとか、留学生はもちろん間違えますが、アメリカ人も間違えるんですね。

 英語の冠詞の使い方は難しいというのは周知の事実ですが、意外と困ったのが、句読点の使い方、英語で言えば"punctuation "です。日本語では「、」
「。」を主に使い、特に読点「、」の使い方はかなりデタラメでも許されます。この感覚で、英語のpunctuationを使うと、ひどい目にあいます。「,」(コンマ)「.」(ピリオド)ぐらいは良いとしても(でもコンマも実際は厳格なルールに従って打つんです)「;」(セミコロン)は二つの文章を接続詞なしでつなげる場合(接続詞を使う場合もあり)、「:」(コロン)はその後にいくつかのものを列挙する場合、「()」(括弧)の前後にスペースを一つ空けること、などとその使い方は厳格に決まっています(注:いずれも他の用法も有)。

 何が困ったのかというと、こういった様々な符号の使い方がこれほど厳しいルールに基づいているということを全く知らなかったために、冠詞に気を付けていたのと同じように「そこに注意を向ける必要がある」ということ自体に全く気が付かなかったことです。

 ですから最初は「気分で」これらのマークを使っていました。こちらで先生に教わるまで、一つ一つに厳格なルールがあることを「全く知りませんでした」。「私は高校までに一応の文法は習ったつもりだったのに、どうしてこの句読点の使い方が厳格なルールだって知らなかったんだろう」と不思議に思って、持参した日本語で書かれた英文法のテキストを開いてみると、やはりそこには「punctuation」の項目は全くありませんでした。こちらで出版されている英語で書かれたwritingの本には必ずこの「punctuation」の項目が一章分載っています。
それほどまでに、この「punctuation」の使い方はアメリカ人でも難しいものなのです。実際、レポート提出の際には「正しい文法、punctuationを使用のこと」という但し書きが大抵付いており、誤った使用は減点の対象となります。

 日本の高校で一つ一つの符号の細かいルールは教わらないまでも、せめて
「英語の句読点の使い方は非常に厳格なルールに従っている」ということだけ教えてもらっていれば、こちらで勉強を始めた当初から、その部分に気を配れたのでは、そう思います。              (つづく)

◆おまけ情報:この「句読点の使い方」はイギリス英語とアメリカ英語では違うそうです。例えば、"◯◯." (アメリカ英語)"◯◯".(イギリス英語)とピリオドを引用符("")内に打つのが米語、引用符の外に打つのがイギリス英語だとか。ここまでくると「そんなん、文の終わりだってわかれば、どっちだっていいじゃん!!」と思ってしまう私は、やっぱりずぼら人間でしょうか?

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◆お断り:この『アメすん』は、かつてアメリカのオレゴンに住んでいた野菜さらだが個人的に体験した、おもしろい話を友だちや家族に話すようなつもりで書いたものです。アメリカの他の場所とは違う、というエピソードも中にはあるかと思いますが、まあ、気楽に読んで楽しんでください。
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#創作大賞2023


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