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蔵出し:「アメリカでみた変な日本語」from 野菜さらだの『アメリカは、住んでみなくちゃわからない!』(第30回)

※この蔵出しシリーズは、1996年~2002年までアメリカに留学していた野菜さらだが後半の1999年~約三年間、週2回発行していたメールマガジンの記事をそのままそっくりお送りするものです。今回は、毎日更新していきますので、お楽しみいただければ幸いです!

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  野菜さらだの
   『アメリカは、住んでみなくちゃわからない!』(愛称アメすん)
         (1999/9/10発行) 第30号 (火・金曜発行+日曜版)
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◆本日のテーマ「アメリカでみた変な日本語」
 
 アメリカ人と知り合ってこちらが日本人だとわかると「コンニチハ」「アリガト」「サヨナラ」くらいのことばを言ってくれることがよくあります。後は、「スシ」「テンプラ」(すぐに作ってくれ、という)なども定番です。
 それ以外にも買い物などをしていると、結構あちらこちらで日本語もどきを見ることがあります。例えば、、、

なっぱキャベツ(Nappa Cabbage)一これは何と白菜のこと
だいこんラディッシュ(Daikon Radish)一これはそのまま、大根のこと
やきそばヌードル(Yakisoba Nuddle)一何のことはない、やきそばのこと
ぞうりスリッパ(Zouri Slippers)一これは、あのゴム草履のこと
まくらピロー(Makura Pillow)一枕のこと
そばからピロー(Sobakara Pillow)一そばから枕のこと
ざぶとんピロー(Zabuton Pillow)一座布団というかクッションみたいなもの
ぼんダンス(Bon Dance)一盆踊り(第18号でご紹介しました)
たいこドラミング(Taiko Drumming)一和太鼓の演舞
ぼんさいガーデン(Bonsai Garden)一盆栽園でした
やかとりチキン(Yakatori Chicken)一デンバーの旅の途中、スーパーの惣菜
 コーナーで発見。綴りが間違っていますが、売っていたのは紛れもなくあの「焼き鳥」でした。「これは正しくは"Yakitori"と書く」と一応店の人に日
本人代表として(?)訴えましたが、、、。

 まくらピローなんて、要するにまくら・まくらっていってるだけじゃない!などと日本人として憤慨してみたりしますが、このように元々の日本語に意味の通じる英語をくっつけるのが好きなようです。単発ものでは、Tofu(豆腐)、Futon(布団)などはもう一々「ふとんbed」などとは言わないようです。Tofuはそれだけを題材にした料理本もたくさん出版されています。

 最初「Futon」という単語をベッド売り場コーナーで見つけたとき、ベッドより布団で寝る方が好きな私は喜び勇んで「こっちでも布団が手に入る!」と思いながら、日本式のあの「布団」を探したのですが、いくら探しても見つからず仕舞い。別の「Futon」専門店というところに行って、初めてこちらでいう「Futon」なるものの実態が何なのかわかりました。要するに一見したところマットみたいなのですが、マットレスと違うのは「折り畳める」ということだったのです。けれど日本の布団のように完全に三つ折りにして押入にしまえるというようなものではなく、少し曲げてソファーになるとか、そういった程度です。

「なるほど、折り畳める、という機能をとって、Futonと言っているのね」と痛く感心し、どおりでマットレスと同じように平たくなったFutonしか置いていなかった、先のベッド売り場ではこのFutonを見つけられなかった訳だ、と思った次第です。                 (つづく)

◆おまけ情報「アメリカで聞こえてきた日本語」:先日、コーヒーショップで一休みしているとき、後の席で日本人留学生らしき3人組が関西弁で話をしているのが聞こえてきました。何気なく耳に入ってきたのは、「かもめ、かもめ、カチン、カチン、「か」を抜いて言ってみて」とか「てぶくろを逆さまから読めって言われて、そうしたら思いっきりぶたれた」とか、私が小学生の頃、やったようなジョークでした(ン十年前)。「文化の継承」を感じました。(ただし先の例、私の地方では「かもめ、かもめ、パチンコ」でしたが、、、)

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◆お断り:この『アメすん』は、かつてアメリカのオレゴンに住んでいた野菜さらだが個人的に体験した、おもしろい話を友だちや家族に話すようなつもりで書いたものです。アメリカの他の場所とは違う、というエピソードも中にはあるかと思いますが、まあ、気楽に読んで楽しんでください。
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#創作大賞2023

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