アフリカ=紛争?貧困?ニュースでそう紹介されていて驚いた話。

福井テレビで放送された、こちらのニュース。

※福井テレビの公式HPの記事が消されていたので、FNNの公式HPに掲載された記事です。

この記事では、アフリカの貧困問題を解決するため、現地で栄養価の高い食材として重宝されているバオバブを輸入し、様々な商品を開発している女性が紹介されている。私も西アフリカへ渡航した際、スーパーでバオバブが普通に陳列されていて驚いた記憶がある。お土産として周りの人たちにあげたが、かなり癖が強く、反応はイマイチで結局自分で消費した。これを商品化しているなんて、本当にすごい。

内容はとても素晴らしかったのだが、気になった文がある。

”セネガルは、今もなお紛争が続き、貧困に苦しむ国の1つ。”


セネガルは今でも紛争が続いている・・・?セネガルは紛争が起きておらず治安が良いというイメージがあったけど、私が渡航したのは3年半も前のことで最近のことを知らなかったから、今の情勢は変わっているのだろうか。ネットで調べてみた。

セネガルは、1960年にフランスから独立して以来、クーデターや内戦が一度も発生しておらず、政治的・経済的な安定を維持しています。
               JICA「西アフリカ圏の安定と発展の拠点」より

やはり今も紛争は起きておらず、安定しているらしい。それなのに、日本人なら誰もが知っている大手ニュースサイトで「今もなお紛争が続き」と紹介されていて、これ完全にアウトですよね?

急速な経済成長が進みつつあるアフリカだが、多くの日本人はいまだに「アフリカ=紛争、貧困」というイメージを持っているのだろう。なんの疑いもなく、大手ニュースサイトの記事になっている。確かに、アフリカには今もなお紛争が続いている地域はある。実際にセネガルが隣接するマリでは今でも不安定な情勢が続いている。

国の情勢はGoogleで「セネガル 内戦」などと調べるとすぐ出てくる。各国の情勢レベルであれば、外務省などのHPを見ればすぐ分かるだろう。そんな簡単に調べられる情報すら調べずに記事にしてしまったのか!それよりも文脈を重視して、デタラメな文章を世に発信してしまったのか!

メディアの杜撰さにどん引いた。鵜呑みにせず、自分で判断することの大切さを痛感した。どんなに大きなメディアであっても、「大きい=正しい」と信じてはいけないんだ。アフリカ好きでちょっと人よりアフリカを知っている私でさえ、この誤りに気付いたのだから、専門の人が見ればメディアはデタラメばかりなのかもしれない。正しい情報を知るためにも、普段から考えることを止めずに程よく情報を収集し、自分なりに正しいと思うことを信じていきたい。

それと、「アフリカ=貧困」みたいなイメージを持っている人に物申したいが、アフリカは大陸で55カ国あり13億人が暮らしている。貧困層もたくさんいるが、全員が貧困なわけではなく、裕福な人もたくさんいる。治安が安定している地域もあれば、そうじゃない地域もある。それなのに一括りにしてレッテルを貼るのは無理があると思う。アジアで言うと、北朝鮮の情勢が不安定なことに対して、「日本は北朝鮮と同じアジアだし近いから治安悪いんだよね?」と言われるようなものである。

メディアはもっと発言に責任を持ってほしいし、我々は情報を鵜呑みにせず自ら考えることをしなくてはいけないね。私は日々、情報社会の恩恵を死ぬほど受けてるが、情報の取捨選択も必要だね。

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