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「齊藤未月」という男の話

〇「誰のせいでもない雨が」

ここ数日、あの8月19日の柏戦以来
私は暇さえあれば、
いけないことだが仕事中においてさえ
齊藤未月というサッカー選手のことを
いや、一人の男のことを考えている

旧Twitter、現Xを開くたびに
当然ヴィッセルサポーターの
フォローが多い私の目には
否が応でも未月に関するtweetが入って来る
フォローしていなくても
サイトのAIが勧めてくる

彼の完全治癒・復活を祈るtweet
審判や協会、時に相手選手に関する書き込みも
海外のサッカー記者の反応もある
ヴィッセルの同僚のみならず
湘南やガンバの選手の書き込みも多い

ヴィッセルサポのtweetからは
彼のプレー、練習風景、
ファンサービスの笑顔など
様々な未月の一面がスマホに現れる

未月がヴィッセルに期限付きで加入してから
2月中旬にJリーグが開幕して約半年
それしか立っていないのに
なぜそんなにも、
サポーターの心を彼は掴んだのだろうか?
なぜそんなにも
湘南やガンバのサポーターは
彼を愛しているのだろうか?

それは彼のアグレッシブなプレースタイル
ボール奪取能力、無尽蔵なスタミナ
試合前やハーフタイムの仲間への声掛け
そしてファンサービス時の無邪気で
少しシャイな笑顔
その全てが齊藤未月という選手の魅力なんだろう
その魅力にサポーターは
彼に関わっている人たちは
魅了されているのだろう
勿論、俺自身も

今日、東京は夏の不安定な雨模様の天気で
そんな雨景色を見ながら俺は考えていた

彼の怪我は
誰のせいでもないのかもしれないと

勿論
近代日本サッカーが求める
球際の厳しさ
Jリーグの優勝争い・残留争いの中での
選手達のゴールを求めそれを防ぐ執念
当日の審判のレフリング
場合によっては監督・コーチの
ディフェンスのルールや指導

遠因になったことは様々あるだろう

だけど
人のせいで雨が降るわけではないように
故意であれが起こった訳ではない

そんなことは分かっているのだけど
多くのサポ-タ-も知っているのだけど
だけど
そんなことは百も承知で

海外や日本A代表で活躍し得る選手が
少なくとも1年程はプレイ出来ないという事実に
どうしようもない虚しさや悲しみを感じている
それがtweetから伝わってきていた

「誰のせいでもない雨が降っている
しかたのない雨が降っている」

雨の景色を見ながら
私の頭の中では中島みゆきの曲が鳴っていた

「もう誰一人気にしてないよね
早く 月日すべての悲しみを癒せ」


〇 Instagramとnoteに書かれていたこと

多分、ヴィッセルの公式から
未月の怪我の発表が21日にあった後
彼自身が書いたインスタの投稿が出た

「自分がなんの為にサッカー選手になったのか、なぜ活躍したいのか、なぜ日本代表や海外でプレーしたいのか。その理由が明確になっただけでも意味のある怪我だとすでに感じています。」

マジかっ
なんなん、このポジティブさは?
力強い復活宣言は?
こんな環境下で他人を思いやる心の持ちようは?

彼の思いに打ちのめされ
彼を強く支えることを考えた
それはサポーターの総意だったろう

今日、8月22日のnote「August 19th」で
未月は復帰までの間、毎日日記のように
noteで発信することを明らかにした

そして
「復活したときに観ている方々の心を動かすような感動を与えられるようなプレーができるように準備をしていきます」
と治癒・回復・より力強く復活した姿を
見せる為に全力を尽くすと宣言したのである

彼の復活を
彼と共にシャーレを
彼と共に天皇杯を
星三つを付けた
来年度のヴィッセルのユニフォームで
彼が躍動するその日まで

我々サポーターは彼を支え
そして彼と彼を取り巻く人達を信じて
ヴィッセルの勝利を祈り
選手たちを励まし支える
チャントを歌おう
手拍子をしよう

ヴィッセルのダイナモ
ボックストゥボックスの帝王
蛍の相棒にして良き後継者
齊藤未月が再びピッチで輝きを放つ
その日を信じて

(Fin)

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