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技能実習の闇は日本の闇

なるせゆうせい監督「縁の下のイミグレ」を見た。 「外国人労働者がテーマの社会派ブラックコメディ」との帯に惹かれて。 以下ネタバレの内容を多分に含みます。 主人公はとある国の貧しい地域で暮らす女性アイン。母国では稼ぎが期待できないからとジャパニーズドリームを求めて日本で技能実習生として働くことになる。ただし、監理団体を挟んだ今の会社で3ヶ月の賃金未払いが生じ、すがる思いである行政書士事務所を日本人の知人と一緒に尋ねた。 そこには今事実上の移民政策に対する大きな問題意識

    • 日本のパスポート

      先日、ある外国人との会話。 私「母国と日本以外で行ったことのある国はあるの?」 外「いいえ、ないです。日本と〇〇(母国)だけです。先生(私)は行ったことありますか?」 私「ありますよ。アメリカとオーストラリア、デンマークにも行きました。」 外「そうなんですね。いいですね、日本人はいろんな国へ行けますから。日本のパスポートは最強ですからね。」 私「??日本のパスポートは最強?」 この時、最強の意味がよくわからなかった。どうして最強なのか?他の国は自由に海外に行けないのか?疑問

      • 外国人介護職の記述能力

        こちらは本日の研修で外国人介護職が書いたもの。 ものの30分でここまで書き上げることができました。(前半部分となる画像左側は多くを書く場所ではない。これくらいの文字量で十分。) よく読むとわかるが、意味がわからないほどの誤字脱字もない。 書く能力は話す能力や聞く能力よりもはるかに難しいと言われる。その難壁を在日3年目の外国人介護職が乗り越えようとしている事実。 外国人介護職と関わるたびに、その能力やモチベーションの高さに本当に驚かされます。 #介護福祉士 #社会福祉

        • 板書シリーズ

          今日もゼミの学生と卒論の内容について議論タイム。 テーマは多文化共生について。 「多文化共生ってしないといけないの?」 ある学生の素朴な問いから議論が始まる。 この学生は幼少期からブラジル人の多く住む地域に住み、小中学校でもブラジル人の友達がいた。そんな外国人と共に過ごす時間が多かった学生の抱く問い。 次に学生は「多文化共生ってなんなんだろ?これって日本人の都合なんじゃない?」という問いを抱く。別に外国人は「共生」を望んでいないのかもしれない。あるいは日本人にそれほ

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          介護過程とは

          介護福祉士養成において、介護過程を学ぶことはとても重要です。 障害や病気によって、それまでできていたことができなくなる現実。「元の姿に戻りたい」という希望と、それが自分だけでは何ともできない現実。 そのギャプを埋めるのが介護。できないこと「だけ」をサポートする。またできないことをできるようになるようにもサポートする。 ではなにができないのか、またはなにができるのか。この見極めがとても重要だし介護の腕の見せ所(専門性)でもある。 できること、できないことの見極め、そのた

          介護過程とは

          認知症支援者が伝えるもの

          今日から後期の講義スタート。 社会福祉士を目指す学生さんに高齢者福祉論を教えます。今日はその初日。シラバスの説明を終え、余った時間で認知症ケア第一人者を追ったドキュメンタリーを視聴。 そこに映る支援者はとにかく徹底的に寄り添う。ただ横に座るだけでなく、まるでその人になりきろうとする。 するとどこからかすすり泣く声が。 感動していたのか、それともアレルギーか。真相はわからないけど、前者であると信じたい。 福祉や介護に興味を持つきっかけとしてよく聞くのが「私のおばあちゃ

          認知症支援者が伝えるもの

          学生とディスカッション

          後期に入り、大学4年生は卒論シーズン到来。 社会的孤立、社協の役割、ネットカフェ難民はどうして存在するのかなどなど、自分たちが抱く問題意識が多様なだけに、卒論テーマが決めきれない学生もいます。 そんな時は黒板を使って頭の中を整理します。 「社会的孤立ってどうして起こるんだろ?」 「ひきこもりって何が問題なんだろ?」 そんな答えの見えない問いを学生に投げかけながら、一緒に考えます。すると、それまでよくわからなかったことが何となく見えてきます。 卒論はテーマが決まれば8割

          学生とディスカッション

          伝えない技術

          【社会福祉系の研修】 たまにこういったテーマの講師依頼をいただきます。 こちらは情報提供する側ですが、同時に自分の力量が試される場面でもある。 1時間という限られた時間の中で何を伝え、何を「伝えないか」。 そう、伝えない技術がポイント。 ある先生が「教師は伝えないことができれば一人前。」と言っていたことを思い出す。 「教師は情報をたくさん持っていて当たり前。それをひけらかし、優越感に浸っているようでは半人前。」 余計な情報は相手を混乱させ、伝えるべきことが伝わら

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          名古屋での外国人介護職向け実務者研修

          【名古屋での外国人介護職実務者研修】 妻の発案で、部屋のレイアウトを少し変えました。 「窓から外見ながら仕事できるね」 確かに、このほうが開放感があっていい。空が見えるって気持ちいい。 同じオンライン研修でも、壁を見ながらと空を見ながらとではモチベーションが変わる。 さて、今日は名古屋の施設を対象にした外国人向け実務者研修初日。 いつもながら、皆さんの資格取得にかける熱意がすごい!1時間半の個人ワークも気持ちを切らさずに集中して行える胆力。 難しい日本語を調べなが

          名古屋での外国人介護職向け実務者研修

          カンニング

          今日は非常勤をつとめる専門学校の期末テストの日。 日本人と外国人留学生が入り混じる多国籍クラス。言葉も文化も価値感も、みんなそれぞれ。 そんなクラスだからこそあえて強調する注意事項。「カンニングはしてはいけない」。 日本では当たり前すぎてあえて言う必要もないほど浸透している共通認識。しかし多国籍クラスではあえて注意喚起します。 それはまさに日本と外国の価値観のちがい。つまり、日本ではカンニングはしてはいけないこと、学生として恥ずべきことと認識されているのに対し、外国で

          カンニング

          外国人向け受験対策講座

          今年も介護福祉士の国家試験シーズン突入です。 受験申込みを完了したら、もうその先はやるっきゃない! 今年から外国人向け受験対策もスタートしました。皆さん気合い十分です! 絶対合格!!がんばるぞー👊 #介護福祉士 #社会福祉士 #松井社会福祉士事務所 #外国人向け受験対策講座 #気合い十分! #絶対合格!!

          外国人向け受験対策講座

          新しい仲間

          本日我が家に新しい仲間たちがやってきました。 独立してからはテレワークが多くなり、年齢もあってか腰が痛い💦 てことで 1.腰に優しい椅子(リクライニングできる) 2.4畳半の部屋でも狭く感じない 3.机の面積が広い 4.木でてきた天板 これらを基準に決めました。 さーこれからバリバリ仕事するよー👨‍💻 #介護福祉士 #社会福祉士 #松井社会福祉士事務所 #外国人支援 #外国人教育 #テレワーク

          新しい仲間

          初任者研修での一コマ

          久しぶりの初任者研修。介護の仕事を始めて数ヶ月〜2年の人たちばかりとフレッシュさ満点! 「リスクマネジメント」「介護者としての倫理観」「介護保険」、、、 字だけ見ても難しそうな内容ばかり。ですが皆さん、ひたむきに私の講義に耳を傾けていただけました。ありがたいかぎりです。 あまりにも講義ばかりでは受講生の満足度を下げてしまうと考え、今回はグループワークを取り入れてみました。テーマは「介護職の安全」にからめて、「ストレスって何?」。 「ストレス」について自分が思いつく限りの

          初任者研修での一コマ

          教えず伝える

          「教員は教えない。伝えるのが仕事」 今日日本語教師養成講座の先生から放たれたひとこと。 確かに、教えるのは知識があれば誰でもできる。ということは教えるプロとは極論かもしれないが教師の専門性とは言えないのではないか。 代わりに「伝える」こと。これは相手がいないとできない。もっといえば相手が「伝えてほしい」というアンテナをこちらに向けてもらうことで初めて成立する。つまり相互の関係が極めて重要。「この人に伝えたい」「この人に伝えてもらいたい」信頼関係のもとで交わされるやりとり

          教えず伝える

          学生達から教えられたこと

          【介護を学ぶ学生さんから教えられたこと】 毎週火曜日は介護福祉士の専門学校で講師をする日。 今日の講義は「組織の機能と役割について」 組織を育てていくのは職員ひとりひとり。皆がスキルアップできれば健全な組織ができる 的なことを話しました。でも学生に組織と言ってもなかなか難しい。 少し難しい内容の時は必ずグループワークを取り入れるようにしています。 例によって今日もワークをしました。テーマは「皆さんが介護施設で初任者として働くとき、どんな研修が必要となると思うか?」

          学生達から教えられたこと

          初めての外国人実務者研修

          初めての開催となる外国人介護職専門の実務者研修が終わりました。 日本の介護観はすでに身につけている皆さんを対象に、その根拠や専門性を加えていくこの研修。 その中で、ある外国人介護職とのやりとり。 私「アセスメントという言葉は職場で使いますか?」 外「いいえ。」 私「では、どんなことをすることだと思いますか?」 外「推測することですか?」 私「・・え、ええ。その通りです!」 アセスメントという普段使わない、しかも理解しにくい概念を彼女は「推測する」という本質を突く日本語

          初めての外国人実務者研修