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小豆島でタクシーに乗ったら。

この夏は小豆島の福武ハウスというところに缶詰めで制作をした。毎日朝にフィールドワークしては、それぞれ夕方には1本プランを出して、そこに作品の一枚絵なり模型なりを添えるというもの。

うっかり32歳になって大学院でアートやら藝術をやろうなんて思ったものの、僕は絵が下手くそで、なかなかに苦労した。今回10人ぐらい一緒に滞在したけど、みんな本当に描ける、すぐに形にできる、そういう造形的な瞬発力がある。

まあ最終的には伝わるビジュアルやイメージにどうやって落としていけるか、ということなのだろうだけど、こってり講評も貰って、そして夏の瀬戸内を歩きに歩いて、ほんとうにぐったり。

ちょうど全部終わったのが8月の最後の金曜日の夕方で、この日から同級生2人が小豆島に遊びにくることになっていた。なんか最後にこういう予定があってよかった。

ということで高松港から高速船で小豆島までやってきた2人と合流して、そのままタクシーに乗り込んだ。どうも僕らが今日行く予定の味彩という居酒屋は運転手さんのオススメではないことが分かって、いくつか近くのスナックを紹介してもらって、ちょうどワンメンター超えるくらいでタクシーは宿についた。

このあたりのタクシーは21時ぐらいまでは拾えるみたい。けど、この運転手さんは18時で今日はあがりとのこと。これから軽く飲みに行くんかな。ちょっと薄くなった白髪をオールバックにして顔は色黒、ぶっきら棒な物言いをするこのおっちゃんの感じ、わりと嫌いじゃない。なんか既視感ある。

そして予定通り僕らは味彩という居酒屋に行って飲んだ。あのおっちゃんの評判とは違ってお店には結構お客さんが入っていて、とりあえず刺身とか煮魚を適当に頼んで、まずはビールを飲んで、それから日本酒。わりと美味しかったよ。

その後ちょっとだけ歩いて、それから2軒目で串を少し食べてレモンサワーを飲んでから、おっちゃんに紹介してもらった「御所車」という強そうな名前のスナックに寄ってみた。そしたらカウンターには、おっちゃんがいた。

おおホンマに来たんかと嬉しそうに話すおっちゃんのグラスには緑色のドリンクが入っていた。これ芋焼酎、青汁で割ってるんや。これ残れへんからいいよ。と教えてもらう。

あ、まず僕らはレモンサワーで、と頼んだら、スナックのお母さんからは、え、レモン酎ハイならあるんですけどねえ、と返ってきた。ちょっと混乱して、いやそれ一緒やん、と言いたくなるをのこらえて、ちょっと甘めのレモン酎ハイを飲んだ。そしたらだんだん楽しくなってきて90年代ソングが続くカラオケに加わって、もうその1時間後には僕ら3人とも緑色のドリンクを飲んでいた。

ああ、たぶん明日二日酔い。でも小豆島来てよかったなあ。まだまだ、つくっていこう。


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