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地域共助の盛者必衰 (東海地方〇〇地区のケーススタディ) #002

僕が生活している地区における共助システムの現状を共有し、今どんなことが起こっているのかまとめてみたいと思います。


僕が生活している「自治会連合会」の年齢別人口構成
 (2003年と2023年の比較)

東海地方◯◯地区の年齢別人口

団塊世代と段階ジュニア世代に2つの山があるという典型的な日本の人口ピラミットそのまま。高齢者人口の爆増という流れも通説通りだが、若年層の減少がまだそれほど極端ではない、というのが救いか。

僕が生活している地域では、いくつかの町内会が学区ごとに一括りにされ、少し大きめの「自治会連合会」という組織を作って地域の共助システムを運営しています。
(注:あくまで現在の地区に移り住み地域共助システムの運営に関わって7〜8年の新参者からみた個人的な感想です。ある地域における一面を捉えてはいるかと思いますが、普遍的なものでもなく、またこの感想が思い違いであるという部分もあるかと思います。その辺ご理解いただいた上で、ご参考にしていただければ幸いです。)

■70代 地域共助の担い手

団塊の世代で地域運営に関わっている方々は高度経済成長に裏打ちされた成功体験が豊富で、自信に満ちている印象があります。一方、少し下の世代との相性は悪いような気がします。
運営面では、この世代が組織を主導する傾向があり、安定した運営が行われる反面後継者不足となっている団体も多い。
似たような年代の複数人で組織を引っ張っている傾向があり、年齢的な限界を迎えた中核メンバーが一気に組織から引退し、運営が瓦解することもちらほら。
活躍の場の一例:民生委員、町内会自治会、学童支援員、不法投棄監視員 etc.

■50歳代〜60歳前半の方々

同世代同士での仲がよく、独自の活動を始めるグループが生まれやすい印象。仕事も現役である場合が多く、要職についている人も多いため、多忙でありあまり地域に出てこない印象もあります。
スキルやマネジメント能力が高く、物事を動かすエネルギーもあるため、彼らが関わる企画や団体では、物事がガッと進むという特徴がある気がします。
ただし、上の70代世代とは相性が悪いのか、一線を引いており、特に70代が現役で引っ張っている団体や組織には参加しない傾向。
まだしばらく現役延長が続きそうであり、地域運営への担い手にはなるのはまだまだ先送りの気配も。

■そして僕ら世代(30〜40代)

地域のお祭り運営やPTA、子ども会など、生活に地域活動への接点が増え始める。しかし、期間限定のイベント的なものには運営側として参加することもあるが、継続的な地域運営にはあまり入っていかない傾向あり。
仕事や育児、家庭のことなどで忙しい中、地域活動に参加することはなかなか難しい。さらに、上の世代の方々と、あまりにも時代性が違いすぎるための事故多発。少し関わっただけで、思っていた以上の大火傷を負ってしまうという状況も散見される。
地域の運営とは一線を死守しようという傾向が高い。
ITリテラシーの世代間ギャップも影響し、既存のシステムの無駄や穴が多く見えてしまう。現状のシステムに関わるのは、もはやもらい事故をしにいくようにしか見えないという人も。
ただし、震災復興やソーシャルビジネス、ソーシャルベンチャーなどのキーワードが身近な世代でもあり興味関心は決して低くはない。

■番外編 学生(10〜20代)

震災復興やSDGs的な話も身近にあり、積極的に地域に関わろうとする個人やサークルも。
しかし、無防備に地域に入っていった結果、無料の労働力として雑に扱われてしまうという事故もちらほら。

◎これから、僕らはどう生きていくのか◎

70代が頑張って支えてきた共助システムが年齢的な活動限界を迎え、
さらにコロナ禍を経たことも重なり、さまざまな組織や活動のスリム化が進行中

少し前までであれば、人手が足りずシステムの維持が難しくなったとしても
協賛金を募ったり補助金が出たりしてお金で解決だったり、自治会から要望を出せば行政が動いてくれるということもあったが
企業や行政を直撃している人材不足もあいまって、もはや今後はそうもいかない。

経済も人口も爆増時代に作り込まれた、ぱっと見には表に出て来づらい共助的なシステム。行政の末端員として中途半端に位置付けられてしまっているものが多く、その存在を前提として、地方が回っている側面があるもまた悩みの種。
物量の暴力である団塊の世代が、最後の担い手として無理やり維持してきたシステムが急激に崩壊を始めます。
しかも行政や企業のにおける現役人員枯渇という不可逆ビックウェーブとタイミングを合わせて。。。

介護制度などでも、地域が可能な限り受け皿となって、と言うような制度改修を大急ぎで進めてはいるようですが、
その地域とは誰が担っている想定なのでしょうか

不要なものは全然シュリンクしていくでいいと僕も思っております。が
子育て世帯ということもあり、子どもの育成環境を左右するような活動や機能はなんとか維持できないかというのが正直なところ。
そしてそれは1人の力でできるようなことではないということを踏まえると、時代にあった改良が必要なはずで。

世界各地のいろいろな地域で、さまざまな革新的な取り組みが進められているようですし、僕ら世代が主体的に動けば、状況は改善されるタイミングではあるはず

すでにヤングケアラーなどという言葉と共に社会に顕在化してきてはおりますが
子どもたちが割を食うような社会には歯止めをかけたいものです。



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