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Candlemass Japan Tour 2024 @ 渋谷CLUB QUATORO 2024/1/26

やってきました渋谷クラブクアトロ。2024年のライブ初めはエピックドゥームのパイオニア、スウェーデンのキャンドルマスのライブです。

開演前、ステージには燭台がありいい雰囲気

キャンドルマスは1984年に北欧スウェーデンで結成されたエピックドゥームメタルバンドで、「エピック(壮大な)ドゥーム(暗鬱な)」というこのサブジャンル自体、彼らの1stアルバムである『エピカス ドゥーミカス メタリックス』にちなんで命名された、いわばこのジャンルの祖とも言える存在です。

1970年代後半~1980年代初頭にかけてUSではペンタグラム(Pentagram)、セイント・ヴィータス(Saint Vitus)、トラブル(Trouble)といった70年代初頭、ブラックサバスが生み出したハードロックの中のヘヴィで暗黒的な面を強調したバンドが生まれました。少し遅れてスウェーデンから誕生したのがこのキャンドルマス。この4バンドを指して「ドゥームメタルの四天王」と括ったりしますが、キャンドルマスだけ地域が違います。

中心がヨハン、その右がレイフ

ツインギター、ドラム、ギター、ボーカルの5人組で中心メンバーはベーシストのレイフ・エドリング。ベーシストがリーダーでメインソングライターというのはアイアンメイデンを彷彿させます。メンバーチェンジも多い(特にボーカル)バンドでしたが、ボーカル以外のメンバーは2001年から固定。というか、もともと1980年代から一緒にやっていたメンバーが再結集したという形です。なのでメンバーの付き合いは長い。楽器隊はほぼ結成当時からのメンバーが残っています。

メンバー変遷

現ボーカルは2018年に加入したヨハン・ラングスト。この人はデビューアルバムにして金字塔である『エピカス ドゥーミカス メタリックス(1986)』のボーカリストでもありました。1stの時はゲスト参加という形で正式メンバーではなかったのですが交友は続いていたようで2018年、30年以上の時を経て再加入。なので現在のメンバーは少なくとも30年以上付き合いのあるミュージシャンの集まりです。

ライブは定刻19時を少し回ったところでスタート。しょっぱなから演奏の息がぴったり合っています。さすが数十年のリレイションシップ。決して高速でも派手でもないんですが、呼吸がぴったり合っているが故のグルーヴ感があります。

ボーカルも良く声が伸びている。呪術的な雰囲気を醸し出しつつ、意外と生で聞くとDioっぽさもありますね。考えてみるとキャンドルマスってDioとサバスの影響が強いかも。サバス時代のディオ、というよりは、Dioも含めての影響。だからエピカルなんですね。このエピカルさ、ファンタジックさはUSのドゥームメタルとは少し違う抒情性を感じます。

バンドサウンドはヘヴィなのだけれど歪みきっておらずクリア。リードギターの音もキレイだし、洗練を感じる音作りでした。

今日のセットリストはこちら。

1.Mirror Mirror (from Ancient Dreams)
2.Bewitched  (from Nightfall)
3.Under the Oak (from Epicus Doomicus Metallicus)
4.Bearer of Pain (from Ancient Dreams)
5.Dark Are the Veils of Death (from Nightfall)
6.Samarithan (from Nightfall)
7.Sweet Evil Sun (from Sweet Evil Sun)
8.Crystal Ball (from Epicus Doomicus Metallicus)
9.Demon's Gate (from Epicus Doomicus Metallicus)

Encore:
10.The Well of Souls (from Nightfall)
11.A Sorcerer's Pledge (from Epicus Doomicus Metallicus)
12.Solitude (from Epicus Doomicus Metallicus)

ということで、最新作「Sweet Evil Sun(2022)」からのタイトルトラックを除けば最初の3枚「Epicus Doomicus Metallicus (1986)」「Nightfall (1987) 」「Ancient Dreams (1988) 」からのナンバーです。特に1stであるEpicus Doomicus Metallicusからは全6曲(1曲が長いのでフルアルバムで6曲)中5曲演奏されていますから、ほぼ全曲再現ライブですね。

ラストはエピックドゥームメタルというジャンルを定義した名曲「Solitude」で締め。

2023のヨーロッパツアーではセカンドアンコールとしてDemon's Gateが演奏されていたようですが今回の来日公演ではそちらは本編最後に演奏し、アンコール1回に収めていました。アンコールの3曲が壮大な一つの組曲のようで素晴らしかった。後半になるにつれてライブの熱量がしっかり高まっていったのは音楽の魔法を感じます。

大団円

素晴らしいライブでした。今年も素晴らしい一年になりそうです。本日最後は2021年のフェスでのSolitudeA Sorcerer's Pledgeの公式動画をどうぞ。

それでは良いミュージックライフを。

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