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2022 ベストメタル/ハードコア(一部プログレ)系アルバム 1月ー4月

2022年で「おっ」と思った新譜アルバムをまとめてご紹介。じっくり聞くような大作よりは聞いていて楽しい、テンションが上がる作品が多いのは聞き方を変えた(※1)影響かも。メタル/ハードコア系と言っても音像が広いのでいくつかのサブカテゴリに分けています。

”新しさ”が耳を惹くアルバム ー 新規性があってこの界隈の音像を拡張する、挑戦しているアルバム。個人的には大好きだし、多くの人におススメします。”新しい音楽”の刺激を求めている方向け。
”期待に応えた”見事なアルバム ー 比較的若手~中堅で、完成度が高く、今の音楽マーケットの中で「勝負している」アルバム。今のメタルやハードコア、メタルコアシーンの中で話題になった作品の中から個人的に響いたものを選んでいます。”今のメインストリームメタル”の中でおススメ。
”名人の技”が耳を惹くアルバム ー ベテラン、レジェンド級のバンドたちの新作で「さすがだなぁ」と思うアルバムを選んでいます。ベテランが元気なのはこのジャンルの特長です。

おまけ1”マニア心”をくすぐるアルバム ー (あくまでメタラー基準で)万人受けではないけれど個人的には好きなアルバム。全部主観だけで選んでいますが、特に嗜好性が出てるのはここかも。
おまけ2”あれ?”と思ったアルバム ー 音楽的には期待と違ったけれど、そうなる理由があったんだなぁ、と思ったアルバム。なお「期待外れだっただけ」のアルバムは取り上げません。単に「今の僕」が理解できなかっただけなので。

なお、「アルバム」って”最強のプレイリスト”だと思うんですよね。ストリーミングが主流になり、単曲で聞かれる、シングルヒットになってきてアルバムの価値が減ってきていると言われますが、ロックやメタルってやっぱりアルバムアーティストが多いし、特にアルバムってきちんと流れを考えて作られているので、オーダーメイドのプレイリストじゃないですか。1曲聞いて気に入ったならそのアーティストと感性が合うということだから、その人たちが作った最強のプレイリストを聞いてみたいと思いませんか。なので、1曲ずつMVを貼っていますが、「おっ」と思ったらぜひアルバム単位で聞いてみてください。

2022年ベストアルバムとしてこの記事を随時更新していきます。各アルバムに簡単な紹介コメントとApple Musicへのリンク付き。
・4/5 3枚追記
・4/13 6枚追記
・4/22 3枚追記
※多くなってきたので記事を分けます、続編はこちら

◆”新しさ”が耳を惹くアルバム

Bloodywood / Rakshak

ボリウッド・メタルコアバンド、Bloodywoodブラッディウッドのデビューアルバム。改めて聞いてみると驚くほど挑戦的なアルバム。何がってほとんどコード展開がない。基本的にワンコードで、ディストーションがかかったギターは入っているがほぼ打楽器というか、ある決まった音を鳴らしていてインド古典音楽におけるドローン音的な役割を果たしていることに気が付いた。表層的な音色やメロディだけでなく、曲の骨組みのところでインド古典音楽の構造になるべく忠実であろう、特異性を出そうという意図を感じる。中世以降の欧州音楽的な「コード展開」の概念が希薄なインド古典音楽と「もともとあまりコード展開感がないハードコアスタイル」をうまく融合しているのだ。もちろん、一部コード展開する場面もある。たとえば上記に貼った「Machi Bhasad」だとブリッジ部分はコード展開がありそれが良いフックになっている。ただ、全体としては「敢えてバリエーションを絞った」作りに感じる。

いくつか当アルバムのレビューで「面白いが曲が似ている」的なものも見かけ、最初僕も「そういう側面もあるな」と思ったけれど何度か聞いているうちに「待てよ、これは意図的に制約を設けているんじゃないか」と気が付いた。楽曲は大きく言えば「ワンコードでビートで押す系」「バラード(これはコード展開感がある)」の2パターンで、それぞれのパターン内の曲は類似している。全体としてはあえてバリエーションを出しすぎずゲストも迎えず、自分たちが生み出した「ボリウッド+メタルコア」のスタイルでどこまで曲が作れるか、「自分たちの核になる音像、スタイル」を確立しようという意思を感じる。今回は頑ななまでにギターはメロディを弾いておらず、リフらしきものもない。ギターリフの代わりにインド伝統楽器の音、笛だとか鳴り物が入ってくる。その中でも実験的なのは9曲目の「Bsdk.Exe」。タイトルからして他と異質だが、ちょっとデジタル色が強く音の遊びが多い。これは多少引き出しの多さを見せつけた、というところか。たぶん、やろうと思えばもっとバリエーションは作れるのだろうけれど(メインコンポーザーであるギタリストのKaran KatiyarはSnake Charmerのプロデュースも手掛けており多才)、それは"次作以降の楽しみ"というところか。きちんと自分たちのストーリーを考えたうえで「デビューアルバムとして提示すべきもの」を取捨選択した印象。インド・中央アジアに「メタルシーン」を産んだ記念碑的作品として記憶されるかもしれない。(→Apple Music)(→単独記事)

Zeal & Aldor / Zeal & Aldor

ブラックメタルとブラックミュージック(アフリカ系アメリカ人霊歌、いわゆる”ゴスペル”)をミックスさせる、といういわばダジャレからコンセプトを練り上げ、音像として具体化したプロジェクトの3作目。最初からその音像は衝撃を持って受け止められたがアルバムを重ねるごとに音楽的な深みが増していて、着実な深化を遂げているのが凄い。ゴスペル的なスピリチュアルさ、魂を震わせる凄味がブラックメタルの激情的表現によって増幅されるようになっている。アルバム全体を通して聞くとその二つがあまりに自然に溶け合っていて、感情の振れ幅の表現としてブラックメタル的な激烈表現がとても自然な形で織り込まれている。歌メロがしっかりとゴスペル的な力強いメロディを奏でるのも印象的で、合唱的な、一緒に口ずさめるメロディがあるのも聞いていて心地よい。面白かったのはメタルがあまり好きでない、アメリカ系アフリカ音楽好き(ビヨンセ好き)の女性に聴かせてもそれなりにノッていたところ。このアルバムで「メタルミュージック」という枠さえ超えて、「新しい霊歌」というべき完成度に達した気がする(→Apple Music)

8 Kalakas / Fronteras

メキシコ音楽(マリアッチ)とメタリック・ハードコアをミックスしたサウンド。基本はハードコアサウンドなのだけれどそこにトロンボーンとトランペットが加わり、祝祭的な感覚が強まっている。ラテン音楽を取り入れたスカ・ハードコアの流れと言えばそうなのだけれど、メキシコ音楽はまたちょっと違う感覚があり、「完成度が高いけれど新鮮な音像」に。かなり激烈な音像ながらなんだか陽気でアッパーな感覚があり、テンションを上げたい時おススメ。スペイン語なのでラテン音楽扱いになるのかな。ギターリフとホーンセクションが絡み合うのが楽しい。(→Apple Music)(→単独記事)

Dream Widow / Dream Widow

Foo Fightersが出演するホラー・コメディ映画「Studio666」に出てきた架空のバンドがアルバムをリリース。実態はデイブグロールのソロプロジェクトで、ほぼすべての楽器を彼が演奏している。もともとProbotという覆面メタルプロジェクトも行っており、それに次ぐプロジェクトか。なので実態はFoo Fighetersというかデイブグロールのソロ作。曲にはさすがのフックがあり、単なるメタルではない、より幅の広い「ロックミュージック」にメタ的にメタル要素(不穏な音階であったりパワーコードのリフであったり、グロウルボイスであったり)が混じっている。メタリックロックンロール、2020年代のグランジ的な響き(そりゃグランジというかシアトルシーンの中核にいたデイブグロール本人なので)もある。サイドプロジェクトと割り切ったが故の客観的な面白さがあるアルバム。(→Apple Music)


◆”期待に応えた”見事なアルバム

Ghost / IMPERA

「まったく新しい」というよりは「懐かしいけれど考えてみれば最近こういうのなかったな」という音像。冒頭1曲目はイントロで、2曲目からが本編だがすごく祝祭感、アメリカンプログレハード(個人的にはエレクトリックライトオーケストラとかジャーニーとかアランパーソンズプロジェクトあたりを連想した)な感じからスタートする。Lordiが「架空のバンドの歴史」を作り上げた7枚組の大作「Lordivercity」で”各年代っぽいアルバムのパロディ”をやり遂げて見せたが、あれに近い”1980年代前半のUSハードロックのパロディ感”もある。当時のプログレハードを彷彿させるリズムへの拘り、変拍子なども聞いていてニヤリとしてしまう。ただ、単なる懐古主義で終わらず、”このバンドならでは”のちょっとコミカルなホラー性が加味され、アルバム全体を通してみれば従来の路線も引き継いでいる。ちょっとメイデンというかNWOBHMっぽい曲(冒頭に貼った「Call Me Little Sunshine」)もあったり。何より歌メロはスウェーデンらしさ、北欧らしさがある。なんとビルボードで2位まで上昇。時代が違うけれどEurope(スウェーデン出身で「Final Countdown」で一世を風靡)以来の北欧メタルの快挙なんじゃないだろうか。そういえば「シティポップリバイバル」とも連動していたりして。シティポップってアメリカンプログレハードに近いよね、バッキングは。(→Apple Music)

Sabaton / The War to End All Wars

「War Metal」を掲げるSabatonの新作。ドイツ的な重厚感がありつつ北欧
(スウェーデン)らしい歌メロの美しさ、口ずさみやすさがあるのが特徴。それほど音楽的な幅があるバンドではないのだけれど、作を重ねるごとにより荘厳に、より重厚に、かつより歌メロが聞きやすく(これ大事!)になっているのは見事。ドラマティックなのにアルバムは比較的コンパクト(40分台)で聴き疲れないというのはこのバンドの発明だと思う。ドラマティックさを追求したドイツのブラインドガーディアンとかアルバムが長くなりすぎて聞く方も体力を求められた。勇壮なのにコンパクトで”きちんとパワーメタルなのにポップソングとしても聴ける”というのはこのバンドの発明だったと思う。その路線を突き進む快作。(→Apple Music)

Amorphis / Halo

フィンランドのフォークメタルバンドの新作。「フォークメタル」というか、「民族音楽の音階」を大胆に取り入れたメタル、イギリス・USの音楽シーンから距離を取ったメタルの先駆者のひとりであり、フィンランドのバンドながら90年代初めにアラビック音階を大胆に導入し、オリエンタルメタルの先駆者のひとりとも言える。アラビック音階の大胆な導入はその後だんだんと色を薄めていき、2000年以降はよりフィンランド的、あるいはロシアのペイガンフォーク(Arkonaとか)にも近い音階を取り入れている。フィンランドはカレリア人と呼ばれる人たちの土地であり、カレリア音楽と呼ばれるものが伝統音楽のようだけれど、フィンランドはロシアと同じく人種的には東スラブ人であり、カレリア人もロシア国内にも分布している。なのでルーツが近しいところにあるのかもしれない。なぜかフィンランドの音楽には個人的にしっくり来るものがあるのだが、「泣きのメロディと疾走感」という日本人が好むスタイルは実は東スラブ音楽の影響が大きいんじゃないか、と最近は思い始めた。加藤登紀子が歌った「100万本のバラ」ももともとロシアのアーラ・プガチョワの曲だし、ああいう「マイナー調のメロディ」はロシア(というか大陸の北方)から日本に入ってきたのかもしれない。そもそも明治以前の日本の音楽はそんなに「泣きメロ」感はないんだよね。19世紀~20世紀のどこかで入ってきた。アイルランド民謡(蛍の光とか)もあるのだけれど、UKとロシアってもともとノルマン人国家(今のイギリス王家はノルマン人の系譜で、ロシアの前身であるルーシ、別名キエフ大公国もノルマン人国家)だし、何か近いものがあるのだろうか。いわゆる「泣きメロ」のルーツは、案外そうした「欧州北方(バイキング、木の文化)の民」から、ロシア北部を経由してアジア全域に広がっているのかもしれない。ここはまだまだ調査不足なので別途掘り下げたい。(→Apple Music)(→単独記事)

Architects / For Those That Wish To Exist At Abbey Road

ニューコア(メタルコアの流れを汲むがより新世代の、エモ的な要素を持ったバンド群、Bring Me The Horizonとか)の旗手の一つ、UKのアーキテクツのスタジオライブアルバム。新作「For Those That Wish To Exist」を丸ごとオーケストラと共にアビーロードスタジオで演奏したもので、丸ごとストリーミング配信された。MetallicaのS&M2に近い内容で、ディストーションギター、ヘヴィなリズム隊、スクリームにオーケストレーションが絡み合いドラマ性を増している。ニューコアと呼ばれるジャンルはギターの存在感が希薄というか、音としては前面に出ているもののギターリフが曲を引っ張っていくというよりはギターはシューゲイズなどの音響に近い。だから80年代の「ギターとボーカルのせめぎあい」というよりは「ボーカルとリズム隊(特にドラム)」が主体となって曲を引っ張る構造が多く、ギターはそこを盛り上げるアンビエント的な構造のバンドが多い(から従来のギター耳のメタラーには物足りないところもある)気がするが、これはオーケストレーションが分厚く入ったことでかえって旧来のメタルに接近しているように感じる。少なくともMetallicaのS&M2が好きならこのアルバムも気に入るというか、旧来のメタルとニューコアの間を繋ぐアルバムなんじゃなかろうか。(→Apple Music)


◆”名人の技”が耳を惹くアルバム

Ronnie Atkins / Make It Count

いわゆるギターリフとメロディアスなボーカルが絡み合う「ヘヴィメタル」が好きならかなり高い確率で気に入ると思う。Pretty Maidsのロニーアトキンスのソロ2作目。闘病中であり、余命と戦いながら作成したアルバムだけれどそれを感じさせない、アルバムの出音1つ目からめくるめく音世界が展開され、この音世界の豊潤さ、独特さはドイツのZenoにも近いものを感じる。全体がメロディックハードで占められているわけではなくより正統派というかドラマティックでクラシカルな曲も収録されており、ひたすらギターとボーカルの優美且つ勇壮な絡み合いを堪能することができる名盤。すでに聴いたことはあったのだけれど、ディスクユニオンの店内放送で流れていて改めて聞き入ってしまった。(→Apple Music)

Treat / The Endgame

超!快作! ある意味”第二のEuropeになれなかったバンド”であったスウェーデンのTreat、US制覇に取りつかれるあまりグランジ・オルタナにすり寄った90年代に大幅に失速したものの再結成後はかつての音楽性を取り戻し、本作では「(80年代的)北欧メタルとはかくあるべし」という音像を提示。大ベテラン(1983結成)でありながら音がめちゃくちゃフレッシュで、大ヒットしたことがない分ずっとチャレンジャー精神が保たれているのだろうか。とにかく素晴らしい出来で驚いた。上のロニーアトキンスといい、北欧メタルのベテランたちの創作性が大噴火している。(→Apple Music)

Saxon / Carpe Diem

N.W.O.B.H.M.の創成期からアイアンメイデンと並んで活躍するSaxon。ぜんぜん衰えず新作を発表。こういうUKのベテランロッカーの健在っぷりは凄い。少し上の世代でもユーライアヒープとかナザレスとか活躍中で新譜も出しているし。タイトル「Carpe Diem」は”今を生きろ”というラテン語の成句。まさに現在進行形で前進し続けるこのバンドに相応しい出来。それなりに時代時代に合わせてモダンな音像になっているけれどそれはあくまでプロダクションの話で、曲構造そのものはギターリフが主導しハイトーンボーカルが舞う王道HM。適度なポップさがあるのもNWOBHM期のバンドの特長。(→Apple MusicにないのでTidal)(→単独記事)


Slash / 4(feat. Myles Kennedy and The Conspirators)

ガンズアンドローゼスの看板ギタリスト、Slashのソロアルバム。本体も少しづつ新曲を出しているけれど、それらの新曲に近いものもある作風。上に貼った曲はアルバムのオープニングトラックだけれど、これなんかアクセルが歌えばまさに”今のガンズ”ではある。突出したキラートラックはないけれど、ユーズユアイリュージョンに入っていてもおかしくないレベルの曲(というか、こういう曲を当時のガンズが演奏してたらすんなり入ってただろうなぁ)は何曲もあり、Slash節が堪能できる。全体としては「ユーズユアイリュージョンのアウトトラック集」という感じもしてしまうが、、、なんとなくマジックの片鱗は感じるし、ギターリフや曲作りの妙技は感じる。ごった煮でワイゼツであり、ガンズの5分の1(いや、今や3分の1か)と言われるとまさにそんな感じの音。じゃあ他にこんな音を出しているバンドが今あるか、と言うとないので、これはこれで傑作。現行ガンズにも「新曲を制作する」意欲が残っているSlashがいることは一つの希望だと思う。(→Apple Music)

Steve Vai / Inviolate

ギター職人からギター仙人、ギター(だけを司る)神みたいな感じになってきたVaiの新譜。ギターテクニックだけではなくコード理論、音の響き、リズムなどすべてが絡み合い、師匠Frank Zappaの(ギタリストとしての側面の)イズムを受け継ぎ、発展させながら自分のスタイルをしっかりと確立している。一つのロックギター界における流派の長というか、まさに名人芸、職人芸。今年になってからいろいろメタルインスト系やプログ系の話題盤が出ているけれど、個人的には突出して好きな1枚。ギターのテクニカルさをあまり分かりやすく前面に出しておらず(「曲全体を左手だけで弾いている」とか、むしろ”!?”なテクニックは詰め込まれているが聞いただけでは分からない。冒頭に貼った曲も「これを一人で、一つの楽器で演奏している」という驚異)、音全体として”どこにもないけれど妙に存在感がある音世界”を感じる変幻自在なアルバム。「これ弾いてみろ」と言われたらたいていのギタリストが「いや、どうやって弾くのか分かりません」という唯一無二の音世界。(→Apple Music)(→単独記事)

Scorpions / Rock Believer

1965年結成、1971年デビューですでにデビュー50周年(!?)を迎えたスコーピオンズ。メタル以前、プレメタル期から活動するバンドであり、Led ZeppelinやQueenに時期的には近い。いわゆるメタル界では最長老であり、亡くなってしまったがMotorheadのLemmyと並ぶ最年長組(レミーはMotorheadとしてのデビューは遅いが、その前にもキャリアがあり年齢的には最長老)。初期はサイケデリックなクラウトロックバンドであり、独特な抒情性を持ったハードバンドだったけれど、80年代の第一次HM黄金期に音をシャープに研ぎ澄ませてドイツのバンドながらNWOBHMの波に乗り世界進出。彼らの歴史はジャーマンメタルの歴史そのものとも言える。そんな蠍団の7年ぶりの新譜は元Motorheadのドラマー、ミッキー・ディーを迎えての初のリリース。ドラムにエネルギッシュなロックンロール感が出ているのはディーの影響か。もともとルドルフシェンカーのギターリフはかなりかっちりしていて、カミソリギターの異名もあるほど。AC/DCのアンガスヤングやZZ Topのデビーギボンズらと並ぶ「ソリッドなギターリフ職人」だと思うし、だんだん体が揺れてくるパワーがある。スコーピオンズというと「抒情的なメロディ」というイメージがあるが、本質は「グルーヴ感が強い(リフ主体の)ロックバンド」だと思う。その上にメロディアスなボーカルやギターソロが乗るからそれが特段煌めいて見えるのだ。(→Apple Music)

The Hellacopters / Eyes Of Oblivion

スウェーデンの暴走R&Rバンド、ヘラコプターズの復活作。中心人物の Nicke Anderssonニッケ・アンディションはドイツと北欧の混交バンド、女性Voを擁するLuciferのメンバーでもあり、Luciferの近作のような70年代ハードロックリバイバルな音像を生み出している。このアルバムは曲の粒がそろっており次々と小気味よいハードロックが飛び出してくるのが聴き処。「本当にこういう音楽が好きなんだなぁ」というのが伝わってきてこちらも嬉しくなる。ヘラコプターズは一時期活動が暗礁に乗り上げて休止してしまったが、こうして復活して快作を届けてくれたのはとても嬉しい。UKのワイルドハーツも最近元気が良いけれど、ワイルドハーツ、ヘラコプターズ、バックヤードベイビーズ、オールマイティ(こちらはリッキーウォーリックがソロで頑張っている)といったメタリックさも持つロックンロールバンドたちがここのところ活性化している。時代が一巡し、生き残ったということか。(→Apple Music)

Hammerfall / Hammer of Dawn

スウェーデンの誇るパワーメタルバンド、ハンマーフォールの新作。考えてみるとSabatonの路線を生み出したのはハンマーフォールかもな。メロディセンス的にも。ハンマーフォールはもうちょっとドイツ的だし、「コンパクトさ」にかける意気込みも違う(こちらはもっと長い時間をかけてドラマを描く印象)けれど、良質なメロディが満載な勇壮な音世界、という点では共通している。本作はハンマーフォールにしてはコンパクトか。年季を経た分、やや勢いには欠けるが職人技を随所に感じてアルバム全体が軽やかに聞ける。90年代、メロスピが飽和し、ジャーマンメタルがマンネリズムに襲われつつあった時に颯爽と現れたのがスウェーデンのハンマーフォールとイタリアのラプソディだった。”変わらぬ老舗の味(だけど少し新たな挑戦も)”という感じのアルバム。(→Apple Music)

ここまでのPlaylist(→TIDAL


◆おまけ1 ”マニア心”をくすぐるアルバム

Power Paladin / With the Magic if Windfyre Steel

アイスランドから現れた大型メロスピ新人、パワーパラディン。アトミックファイア新人第一弾アーティストとしてもメタラー界隈で話題に。なんというかちょっとヘアメタル的な華やかさも持ちつつとにかく派手で駆け抜ける若さ溢れるパワーメタル。メロスピって枯れたジャンル(パターンが出尽くした)かと思うけれど、毎年1枚以上こういう「新しい傑作」が出ているんだよなぁ。Beast In Blackの「From Hell With Love」とかVictriusの「Space Ninjas from Hell」とか。メロスピは死なず!(→Apple Music)(→単独記事)

New Horizon / Gate of the Gods

スウェーデンのメロハーバンドH.E.A.T.の元メンバー2名を核としたパワーメタルユニット。曲も良いし、何よりボーカルのエリック・グロンウォールの超絶ハイトーンボーカルがすさまじい。Beast In Blackのヤニス・パパドプロスにも匹敵する「これが最高音かと思っていたらさらにそこから上がる」パワーメタルの申し子のような声。最近新世代のハイパーボーカリストが何人か出てきていて、たとえばブラジルのレナン・ゾンタ(Electric Mob他)、インドのGirish Pradhanギリシュ・プラダーン(Girish And The Crhonicles他)、クロアチアのDino Jelusickディノ・イェルシック(Dirty Shirley他)あたりはチェックしている。そこに並ぶ超絶ボーカル。イタリアの誇るメロハーの殿堂フロンティアレコードからのリリースだけれど、フロンティアはこういうボーカリストを発掘するというか、その力量を存分に引き出す作品を作るのが上手い。エリック・グロンウォールはSkid Rowの新ボーカルに抜擢されたということなのでそちらの新作も楽しみ。(→Apple Music)

Satan / Earth Infernal

NWOBHM期から活動するUKのSatan。当時も今もB級のまま、アンダーグラウンドのカルトヒーローであり続けている。2019年、ギタリストのラス・ティッピンがリリースしたTanithのアルバムが素晴らしい出来で、それに次ぐSatanのアルバムということで、大きな空気感は通底しているものの、こちらはより各プレイヤーの色、ベテラン感が出ている。これぞB級メタル、マニアが好むNWOBHM!という趣。2022年リリースだけれど全然時代を感じさせない。煮え切れないボーカル、チープなプロダクション、音の薄いギター、etcetc、、、様々な問題点を感じる音像だけれどそれを乗り越えて聞き進めていくと随所に耳を惹くスリリングな瞬間が埋まっている。こういう初期衝動をずっと感じさせ続けるベテランというのは凄い存在なんじゃなかろうか。(→Apple Music)

Evil Invaders / Shattering Reflection

こちらもNWOBHMの流れを汲む音像ながら若手。Evil Invadersの新譜。それなりにB級感があるのだけれどSatanの後に聴くとめちゃくちゃプロダクションが洗練されているように感じる不思議! まぁそれは冗談として、アイアンメイデンが好きなんだろうなぁ、と思わせる音像。それにしてはちょっとボーカルが弱いというか、まだ魅力を引き出し切れていないところもあるけれど。作曲センスや曲作りの幅の成長にボーカルが追い付いていない感じも受ける。ただ、過去のアルバムからそれなりに聴いてきていると一作ごとに着実な成長は感じられて、本作は歌メロに力が入っている(それにボーカルが追い付いていない箇所があるのは残念。とはいえ決して下手なわけではない。表現力を曲が越えているだけ)。ただ、限界に果敢に挑戦する姿勢は胸を打つ。たぶん、こういう曲を携えてツアーを回っているうちに成長するんじゃないだろうか。メロディアスなリフ、ダークな雰囲気、メロディアスなボーカル、疾走感、他に何が要るというんだ?(→Apple Music)

Stray Gods / Storm The Walls

笑ってしまうほどメイデン。アイアンメイデン愛にあふれた1枚。80年代のメイデンはもちろん、00年代以降の大作主義のメイデン感もあり、それぞれがパロディで終わらない曲の良さがあるのが見事。中心人物はGus G率いるFirewindにも参加していたキーボーディスト/ギタリストのBob Katsionisで、ギリシャのバンド。ギリシャのメタルシーンもそれほど規模が大きくないためかそれぞれがいろいろなサイドプロジェクトをやっていますね。本作はそもそも「メイデンっぽいベースライン」を弾いてみたところからスタートしたそうでまさに初志貫徹。メイデンファンはぜひ一聴を。(→Apple Music)

Messa / Close

女性ボーカルを擁するイタリアのドゥームメタルバンド。ドゥームメタルに分類されるし、確かにサバス的なドゥーミーさはあるのだけれどアルバム全体を通してみるとアラビックな音階や民族音楽的要素が出てきたり、ジャズの要素が詰め込まれていたり、70年代的なサイケデリックなヘヴィロック感も強い。あと、歌が上手い。1曲目は比較的オーソドックスなドゥームメタル(ソロだけがジャズロック的)だけれど、「ビンテージなハードロック」をなぞりつつ、既存の枠に収まらない新しさを感じる。ジャケットから想起されるようにグローバルミュージック、民族音楽的な呪術性も感じる。個人的にはイタリアンプログレッシブロック、ヘヴィロックの系譜にも入れたい。このバンドは北部(ヴェネツィア近く)のチッタデッラ出身らしい。イタリアは北と南でけっこう音楽文化が違うようだけれど、ナポリ出身のオザンナ(OSANNA)も思い出した。ナポリもヴェネツィアも北部で、やはり何か近いものがあるのだろうか。それほど分かりやすく盛り上がる音楽ではないのに耳を惹かれて聞き入ってしまう。これが中近東ではなくイタリア、それも北部(南部の方がアフリカに近い)から出てきたのが面白い。(→Apple Music)

Destruction / Diabolical

ジャーマン・スラッシュ三羽ガラスの一員、デストラクションの新譜。ちなみに他の2つはソドムとクリーター。スラッシュ4天王(メタリカ、スレイヤー、メガデス、アンスラックス)は強そうだけど三羽ガラスって弱そうだなぁと思うけれど、初期はこれらのバンドはB級感がバリバリで金切り声だし、なんとなく「カラス」がしっくりきたんですよね。最近はA級~S級物メタルバンド感が出たクリーターに比べ、こちらは変わらぬB級感(誉め言葉)を保っていて、マニア心をくすぐる出来。1曲目冒頭のスクリームからして年季と凄味があるけれど、どこかチープでこけおどし感もある、昔からある遊園地のお化け屋敷みたいな様式美。最新のVRホラーとはまた違う良さがあるじゃないですか。そんな安心安定の品質だけれど、本作は曲のクオリティが高く、こうしたスラッシュ作品群の中では耳と心に残る品質なのは流石ベテランの技。「名人の技」カテゴリに入れるか迷ったけれどやはりマニア向けなのでこちらに。スラッシュメタル好きなら留飲を下げる出来。(→Apple Music)

Carpenter Brut / Leather Terror

メタルの曲構成、攻撃性を持ちながらサウンドアイデンティティとも言えるディストーションギターを使わず、その部分を丸ごとシンセサウンドで代替したプロジェクト、カーペンター・ブリュット。聞いていて面白い感覚になる。ただ、アルバム中最も強く攻撃性を感じるのが思いっきりビートが機械的なミニマルテクノ的な曲で、人力ではない「正確無比なリズム」の威力を思い知った。ちょっと歌メロ自体に説得力が薄いのでマニア向けに置いたけれど、音の面白さはかなり高ポイント。
(→Apple Music)

Axel Rudi Pell / Lost XXIII

80年代から活躍するドイツのギタリスト、アクセル・ルディ・ペルの通算21枚目のアルバム。ベテランながらコンスタントにアルバムを出し続けるワーカホリック。ギタリストのソロアルバムながら完全にバンドサウンド、というか、RAINBOWへの憧憬を強く感じるアルバム。ギターが前面に出ることはほとんどなく、後期(ジョーリンターナー期)RAINBOWに近い。コンスタントにリリースしているけれど今作はどの曲も流石のクオリティで、マニアなら安心して楽しめるクオリティ。図抜けた名曲がないもののどの曲もフックがあり、アルバム全体を通してメタル耳に心地よい。
(→Apple Music)

Alunah / Strange Machine

魔女系ハードロック、女性Voを擁するイギリス、バーミンガムのストーナー、ヘヴィサイケバンドの6作目。2006年結成で15年以上のキャリアを誇る中堅であり、雰囲気だけに頼らずしっかり骨のあるさすがの曲作り。うねりとひねりのあるヴィンテージサウンドのハードロックを心地よく聞かせてくれる。こういうジャンルが個人的にはかなり好物。先に紹介したMessaに比べるとこちらはストレートなヘヴィ・サイケ。さすがUK、しかも(ブラックサバスと同郷である)バーミンガム出身だけあり王道感がある。
(→Apple Music)

Mors Principium Est / Liberate The Unborn Inhumanity

フィンランドのメロディックデスメタルバンド、モルス・プリンシピアム・エスト。99年デビューなのでAmorphisやIn Flames、チルドレンオブザボドムより後の世代。ある程度「北欧メロデス」の型が出来上がった後のデビュー組であり、後発の強みである「型の旨味をしっかり分かった曲作り」が見事。いわゆる90年代を通過したメタラーが考える「北欧メロデス」をまさに具現化したような音像。本作は初期の作品を往年のメンバーでリレコーディングした企画盤ということで、まさに「00年代初期のメロデス」の曲構成。全体的に疾走曲が多く、ほぼ疾走し続ける。アルバム全体としてみるとそれがやや単調に思えるが、一切テンションが下がらずずっと駆け抜けるアルバムでもある。疾走感があるといってもいわゆるテクニカルデスメタル的なものではなく、あくまでもメロディックデスメタルの疾走感。BPMの高速さだけを追求しているわけではなく、「速く聞こえる」という意味。これぐらいのBPMが一番速く感じるよね。いわゆる「北欧メロデス聴きたいなぁ」という方におススメ。(→Apple Music)

Humanotone / A Flourishing Fall in a Grain of Sand

南米、チリのストーナー/ドゥームバンド。何と読むのだろう、ヒューマノトネ? 何しろ日本語情報がほとんどないのだけれど、本作はセカンドアルバム。ほとんど中心人物のJorge Cisternas M.がすべての楽器を演奏しており、一部Saxでゲストが参加。緻密に組み上げられた音世界であり、ヴィンテージなプログレッシブロック感もある。目新しさはそれほどないものの素晴らしいクオリティで、いわゆる「辺境プログレ」の名盤とも言えるかもしれない。ときどき南米からプログレの名盤が突然変異的に生まれる。(→Apple Music)

Hällas / Isle of Wisdom

スウェーデンのヴィンテージ・ハードロック、プログレッシブロックバンド、Hällasのサードアルバム。Hällasって何と読むのだろう。日本語情報があまりないので分かりませんが「ヘラス」が近いのかな。どことなくフラワーキングスにも近いし、Moon Safari的な「ポップさを兼ね備えたプログレッシブロック」な感覚もある。すごく良い曲も入っているけれど、全体を通してみるとちょっとメロディがワンパターンに聞こえてしまうところが玉に瑕。だけれど、何度も聴いているうちに深く馴染んできそうなアルバム。とにかくメロディが自然体でスッと入ってくる。(→Apple Music)

Crystal Viper / The Last Axeman

メタルクィーン、マリタ・ガブリエル率いるドイツ、ポーランド、スウェーデンの混交バンド、クリスタルヴァイパー。アルバムと言うよりはEPという扱いなのかな。新曲3曲、カバー曲1曲、あとはスタジオライブが4曲入っており、スタジオライブの模様はYoutubeでも配信されている(上記に貼ったもの)。確かな実力を持ったメタルバンドで、King Diamondからの影響を感じさせる(オリジナルメンバーを呼んでカバーをリリースしたりもしている)。あとはDiamond Headのカバーも収録。NWOBHMやそれ以前の欧州メタルを引き継ぐ2000年代のバンド。こういうバンドはお好きですか。(→Apple Music)

Night Demon / Year Of The Demon

US、カリフォルニアから2010年代に出てきたNight Demon。いわゆるNWOTHM(New Wave Of Traditional Heavy Metal)の一つに数えられるバンド。こちらはUSパワーメタルのレジェンド、Cirith UngolのTim Bakerをゲストに迎えての作品。パワーメタルというよりなんだか暴走ロックンロール、それこそ90年代のThe AlmightyやThe Hellacoptersを感じさせる曲になっているけれど勢いや良し。こちらは1年間にわたってリリースした複数枚のEPをまとめた作品で、その性質上雑多で幅広い音源が収録されている。ウリジョンロート本人をゲストに迎えてカバーした(スコーピオンズの)In Tranceも収録。他にもメイデンのWasted Yearsのライブカバーバージョンとか。アルバムとしての統一感は皆無だが、メタラーならニヤリと楽しめる音源が入っている。(→Apple Music)

◆おまけ2 ”あれ?”と思ったアルバム

Blood Incantation / Timewave Zero

USの誇る新世代コズミック・デスメタルバンドの新譜…なのだが、ぜんぜんメタル色はなく、前編クールかつダークなアンビエント作品。もともと中心人物のPaul Riedlポール・リードルはソロでアンビエントプロジェクトを行っており、そちらをBlood Incantationのメンバーとやってみました、的な作品。なので従来の作品とはまったく色が違い、ところどころに差しはさまれるだけだったスペーシーなSEが延々と続く感じ。タンジェリンドリームなどに影響を受けた、と帯に書いてある通りの音像。タンジェリンドリームやクラウス・シュルツなんかを愛聴している人にはおススメ。音はジャケットの通り、静謐で死を思わせる(宇宙は停止した死の世界)音像だがどこか温かみ、恒星の熱量がかすかに感じられる流れ。70年代の作品と言われても違和感のないヴィンテージかつダークなアンビエント作品。ただ、まったく従来のBlood Incantationの作品とは違う、いわば企画盤なのでそこは注意を。Pitchfolkの情報などを読む限りBlood Incantationは今後この路線で行くというわけでもなく、この作品は実験的なものだそう。次作はよりコズミック度合いが増したデスメタルが炸裂することだろう。(→Apple Music)

Vector Of Underground / Hanging Out

ロシアのミクスチャー・メタルコアバンド、ヴェクターオブアンダーグラウンド。もともとロシア語で歌うバンドで、ロシア音階を取り入れたりして特異性があったバンドだったのだけれど、本作から完全に英語に。同時に音楽的にもロシアらしさが薄まっていて、アメリカのメタルコアバンドと言われても違和感がない音像になっている。いろいろと思うところがあったのだろう。録音時期にはまだロシア・ウクライナ戦争は始まっていなかったはずだが、ロシア国内の空気感はだいぶ変わっていたと推測される。歌詞も「監視されている」とか「この地獄から抜け出したい、俺を誰も変えられない」みたいな歌詞がある。

今回の戦争が契機となって「ロシアの音楽を聴かない(ロシアの文化否定)、ロシア=悪」みたいな意見を見かけたことがあるがそれは流石に違うだろう。そもそも多数の人間が長い時間をかけて築いてきた文化と一時的な政策決定はまったく別次元のものだし、それを言い出すとたいていの文化は受け入れられない(し、文化の否定というのはそもそも不可能に近い。普段ルーツを意識しなくとも、日本は長い歴史の中で隣国であるロシアからの文化的影響をけっこう受けている)。また、反戦と言う視点で見てもロシアのロックとは反体制の一つの象徴的な動きであり、そういうバンドを今こそ聞くべきではないのか。ただ、「ロシア的なもの」から距離を置きたくなる気持ちも分かるし、その発露としてこうして追ってきたバンドが自らの音楽性を大きく変えざるを得ない状況を見ると胸が痛む。(→Apple Music)

この記事の続編はこちら。

それでは良いミュージックライフを。

※1
最近アルバムレビューを書かなくなりました。1年以上やってみて面白かったんですが、今年は聞き方を変えています。昨年はアルバムレビューを書くためもあって、BGMで音楽を聴くということがほぼなかったんですよね。音楽を聴くときは音楽だけを聴く、いわばライブ的な楽しみ方をしてきて。それはそれでよかったんですが今年はもっと気楽に「ながら聞き」を楽しんでいます。後、新譜だけでなく旧譜をけっこう聞くようになっていたので(「13歳~22歳のメタル入門」で紹介する旧譜などを聴きなおしている)、そんな理由から主に新譜を取り上げてきたアルバムレビューが減っているんですが、新譜を聞いていないわけではありません。ということで本稿でまとめて紹介。

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