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Lordi / Abracadaver(1991)

総合評価 ★★★★☆

見事にグランジ、スラッシュメタルに変化。91年に相応しい音に変化している。80年代から活躍していたバンドは91年の大変化についていくのが難しく、だいたい93年以降に音像を変化させたアルバムをリリースしていったが変化が早い。流石モンスターバンド。トレンドを知る力がある。音楽的には初期メタリカの影響を感じるスラッシーなメタルだがブリッジのコード進行など、曲の中に北欧的なメロディアス要素が含まれているのはこのバンドならでは。91年という時代に向き合って作られた渾身の作品。


01 SCG Minus 2: Horricone ★★★

イントロだがメロディアス、スラッシーな感じやグランジな感じはない。むしろ西部劇みたいな。おや、台詞なし。イントロ。

02 Devilium ★★★★☆

プリーストのペインキラーみたいな曲、そこにちょっとメタリカ感が加わる。

03 Abracadaver ★★★★☆

シングルカットされた曲、スラッシーなリフからスタート。金切声とダミ声の切り替えがシームレス。初期メタリカ感やスレイヤー感もある。80年代スラッシュというか。サビは耳に残る。

04 Rejected ★★★★

ハードコアからの影響も感じさせるリフ、ボーカルメロディ。89年から2年で一気に音像が変わったものだ。ちょっとグルーヴメタル感、レッチリとかの感じもある。

05 Acid Bleeding Eyes ★★★★

ショックロック的な味わいがある、ザクザクしたグランジを通過したロックンロール。時代への適応が早い。早すぎるぐらいだ。

06 Raging At Tomorrow ★★★★

不穏なイントロ、小刻みでヘヴィなリズム。スラッシュメタル勢の90年代のヘヴィネスも取り込んだ作品の先駆的な音でもある。

07 Beast Of Both Worlds ★★★★☆

スムーズなリズム、ストレートな疾走感。アナイアレイター的なリフ。きちんとメロディが展開するのはこのバンドならでは。

08 I’m Sorry I’m Not Sorry ★★★★☆

面白いタイトルの曲、グルーヴィー。節回しがメタリカ的。テンション高い。

09 Bent Outta Shape ★★★★☆

ちょっとモトリー的なリフ、と思ったらツーバスへ。90年代以降のモーターヘッド的かも。ハーモニーセンスやメロディというかコード展開にこのバンドらしさは出ている。タイトルはレインボーのベンドアウトオブシェイプスから? あまり音楽的にはレインボー感はないが…。

10 Evil ★★★★☆

キレクションにも入っていた曲、不穏な感じがするリフからギターメロディ、ボーカルへ。けっこうメロディアス。グランジ的だがコード進行がしっかりありコーラスもメロディアス。北欧的。中盤以降はプログレの感覚も出てくる。

11 Vulture Of Fire ★★★★

ヘヴィでグルーヴィーなリフから、反復を繰り返すが、メロディは一体。かなりオールドスタイルなスラッシュメタル。地響きのようなリフと金切声。

12 Beastwood ★★★☆

犬の鳴き声、インストのアウトロ。

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