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Gama Bomb / Sea Savage

Gama Bomb(ガマ・ボム)は2002年結成、2006年デビューのUK、北アイルランドのクロスオーバー・スラッシュメタルバンドです。この界隈では有名なので名前は知っていたのですがどこのバンドかまでは知らず。今回、音像だけ聞いたらアメリカのバンドだと思ったんですけどね、能天気に疾走していくしユーモアのセンスがアメリカ的、、、と思っていたら北アイルランドだったという。なるほど。勉強になりました。ひたすら疾走する感じ。言われてみたらちょっとUK的なひねくれた感じもありますが、北アイルランドはまたイギリス本島ともちょっと違うのかも。あまりケルティックな要素はありません。オオダコとゴリラが争うジャケット、曲名も「柔道キラー」とか。余計なことを考えず楽しめるパーティースラッシュ。結構好きです。

スマホで聴きながら読みたい方はこちら(noteに戻ってくればYouTubeでバックグラウンド再生されます)。

2020リリース

★ つまらない
★★ 可もなく不可もなく
★★★ 悪くない
★★★★ 好き
★★★★★ 年間ベスト候補

1.Judo Killer
ややチープな音作りで疾走する、ギターリフが刻みドラムはドコドコ
オールドスタイルスラッシュのマナーだがドラムパターンはタイト、ギターの音も生っぽい
高速エイトビート、ところどころ日本語が入ってくる、柔道キラーということでネタっぽい曲
一曲目からこれか、今回のアルバムはなかなかやる気が入っている
「イチ、ニィ、サン、シィ」の女声の掛け声、Babymetalの影響かなぁ
そういえば忍者メタルとか侍メタル、マンガハードコアとかもあったし、ちょっとしたジャパンブームか
コーラスがちょっと忍者メタル(ヴィクトリアスだっけ)っぽい
疾走するだけでなくチープな(誉め言葉)スピードメタル感、90年代初頭の空気を醸し出している
★★★★

2.Sea Savage
音作りがややシリアスに、厚みが増す
とはいえ基本路線は同じ、疾走感が強い、言葉を吐き捨てていく
オールドスクールマナーに沿ったスラッシュ、パワーメタル
でも歌メロがちょっとメロディアスになったかもなぁ
金切り声とドラム連打、ミドルテンポでツーバス連打ではなく高速エイトビート、BPM自体が早い
ベースもタイトだが音作りはけっこう軽いというか中音重視、超低音は求めていない
速度感、疾走感を重視している音作り
ギターはザクザクしていてちょっと線が細い、まぁ、90年代的な音
どこのバンドだったっけ、USかなぁ
疾走して駆け抜ける
★★★★

3.Miami Supercops
曲のタイトルがだいぶおバカ感があって良いなぁ
マイアミの超刑事、BLMとかと関係ないんだろう、たぶん
笑い飛ばすスラッシュパーティー、メタル音楽の中で一番パーティー感があるのはオールドスクールスラッシュだと思うな
こちらも高速エイトビート、高速タム回しが入る
途中でミドルテンポに落として緩急、ただBPMは変わらず
間奏はなかなか面白い展開、ギターリフとソロ、ストーリー性がある
ボーカルがハイトーンの中に裏声、金切り声、怪鳥音みたいなのを混ぜてくる
情けない感じのタイトルコールで終曲
★★★★

4.She's Not My Mother, Todd
なんだこのタイトルは、なんか言い訳してるんだろうか
語り掛けるような歌詞、きっとロクでもない内容なんだろう
こちらも快調にぶっ飛ばしていくナンバー、高速エイトビート
けっこうギターリフや雰囲気が違うのでリズムパターンは似ていても曲のバリエーションは感じる
まぁ、テンションは似たようなものだが
陽気、陽性、コード進行自体はけっこう不穏な響きもあるのだが
スケーターミュージックというか、音作りも重厚感はあまりない、具体的には低音成分が少ない
ドラムはそこそこきちんと響くがベースが中音域重視
★★★★

5.Ironblood
ちょっとシリアスなソロ、タイトルも真面目っぽい、、、と思ったら金切り声からボーカルが入ってきた
道化的な、ロブハルフォードを物まね芸人が極端に模倣したようなスタイル
いや、上手いんですけどね、なんというかカリカチュア化されている感じもする
それだけ曲がコンパクトというか、きちんと演奏力があるからネタ感が出せるのだが
高音がちょっと笑える感じ
曲はどんどん展開していく、リフはけっこう練られている
バッキングのギターパターン、リズム、ベース進行は凝っている
途中からパワーメタル的なパートも、ボーカルは道化的
熱を帯びてくる、、、が、やっぱり高音はちょっとニヤッとするな
心が(笑い方面に)浮き立つ
★★★★☆

6.Lords of the Hellfire Club
高速エイトビート、徹底している、かっこいい
だいたいパターンは今までの曲は全部同じ、高速エイトビート、ザクザクしたギター、で、ドラムパターンが変わってコーラスが入っていく
ただ、言葉の区切り方とかリフの表情が違う
特にボーカルの表情が違うのは曲のキャラクター付けにおいて大きいかも
けっこう歌詞が大事なのかもなぁ、ガーリックボーイズみたいな(ちょっと)コミカルな表現をするバンドなんだろうか
きちんと歌詞を訳したことがないので分からないが、まぁ、タイトルからそんな感じがする
疾走して終曲
★★★★

7.Sheer Khan
やる気のあるリフ、かっこいい
お、高速エイトビートじゃない、ミドルテンポのツーバス、80年代のプリーストっぽいぞ
ボーカルも(比較的)重厚な声で歌っている、正統派
ネタ感、大味な感じがない
お、ロブハルフォード(の物まね)的ハイトーンも出てくる、でもこの曲は笑い要素は少ない
ディフェンダーズオブフェイスや復讐の叫びの頃のJPテイスト
比べてばかりいるが特定の何かの曲に似ているというわけではないし、プロダクションは今風
ドラムサウンドもやはりスラッシュ、デス、ブラックを通過したうえでの音作りだし、疾走感は増している
これはNWOTHM(ニューウェーブオブトラディショナルヘヴィメタル)の名曲
いや、70年代JP的か、ステンドグラスとか
なんか、ちょっと音が薄いんだよな、生々しいというか
けっこう硬派な音作り、ツインギターだろうが、ソロを弾いたらバッキングが薄くなる、とか
無暗と音を重ねていない
途中から展開してミドルテンポで耽美的に、おお、運命の翼(JPの2nd)的な曲構成ではないか
好物
★★★★★

8.Rusty Jaw
元に戻った、でもツービート、ハードコアマナーの曲
金切り声ボーカルだがロブ感はなくなった
音は整理されている、混沌感はない
むしろ整理されすぎていてちょっと余白を感じるぐらい
ツインリード、ちょっとメロディアス
やや欧州的な湿り気を感じる、今まであんまり感じなかったのだけれど
疾走感は変わらないが少し音に隙間を感じる
★★★☆

9.Monsterizer
引き続きツービート、前半がエイトビートでパワーメタルを挟んで後半ツービートなのだろうか
それはそれで思い切った構成だけれど
ザクザクしたリフ、ちょっとメロディアスになった
パワーメタル的、ドイツのRageにちょっと近いメロディセンス、かも
なんだか前半より音の抜けが良くなった気がする
7曲目が音圧高めだったので比較した時の耳の錯覚かな
いや、これ高速エイトビートか
★★★★

10.Ready, Steady, Goat!
なんだこのタイトルは、笑ってしまった
ラルクですか、でも山羊(Goat)って
山羊は悪魔だからそっち系だろうか、いや、コミックソングだろうけど
アメリカのバンドだろうなぁ、いや、ドイツかな、アメリカかドイツ、だと思う
前調べて知ってたはずなんだが忘れてしまった、北欧ではないだろう
UKでもない気がする、US、ドイツ、オーストラリア、カナダのどれかだ
カナダ、オーストラリアはよくわからないんだよなぁ、聞いたことがあるサンプルが少ない
カナダはアメリカに近いんだけどちょっと違うんだよね、Rushとか
話がそれた、曲が展開している、疾走感はあるが比較的かっちりしている
ネタ全開の曲名と違って真面目に展開していく、カッコいいな
暴走ロックンロール的な、言葉を吐き出していく
さまざまな声が絡み合い、楽器とも絡み合う、テンポチェンジも上手い
★★★★☆

11.Electric Pentacle
高速ナンバー、疾走感が強い
ロブ真似的金切り声、ちょっとリバーブが効いている、リバーブが入るとキングダイアモンド感も出るな
それに雄たけび系のコーラスが入る、コールアンドレスポンス
ベイエリアスラッシュ、的かな
無調気味で即興的なギターソロ、、、と思ったら後半でメロディアスになった
ベイエリアスラッシュはリフが凝っていてソロは即興的、という印象があるがこのバンドは逆かな
リフはそこまで凝っていない、リフ頼りというより曲全体の展開で勝負する感じ、ソロはけっこう構築されている
★★★★

12.Gone Haywire
疾走系だが前の曲よりは少し遅く、その代わりボーカルメロディがメロディアスでフックが効いている
歌える、シンガロングなメロディ
ギターソロがメロディアス、ドイツのバンドかなぁ、ドイツだろう(後で調べる)
アメリカ東海岸だったりして、あとはオランダとかデンマークとかだったら分からん
そんなことを考えていたら終曲、怒涛の勢いだった
この曲もかっこいい
★★★★

全体評価
★★★★☆
いいものを聴かせていただきました、スラッシュメタル好きにはたまらないのでは
ちょっとジョークっぽいところがあるからそこで好き嫌いは分かれそうだが、楽しく、かつ硬派なメタルという点ではトップクラスでは
パワーポップ的な要素はなくきちんと王道メタルだし
全曲疾走しつづけて駆け抜けるのも潔い、全曲テンションが落ちないのは凄い
Ravenの新譜も良かったが、負けないテンションとエネルギー
いいバンド、メロディセンスも優れている
どこの国だろうと、今調べてみたら、、、北アイルランド! UKか!!!
そうかぁ、、、UKかぁ、、、なるほど、勉強になりました

ヒアリング環境
夜・バー・ヘッドホン

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