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APHRODITE / ORGASMIC GLORY

ほとんど日本語情報がないバンド。カナダ、オンタリオのバンドでJo Steelという人がギター、ベース、全作曲をしているのでリーダーでしょう。2021年作。唯一見つけた情報はこちら(前作リリース時の情報)。

DEMONA、OUTLINE他の女性ヴォーカリストTanzaと、ICE WAR、IRON DOGS他のJo Steel(G./B./Dr.)が新たに始動したカナダ産スピード・パンク・メタル・バンドによる'19年リリースのデビュー・アルバム。11曲入り。上記のバンド等が好きな方はどうぞ。スペイン盤。

※日本にも同名のアフロディーテというバンド(Terra Rosaのキーボーディスト岡垣"Jill"正志を中心に荒木真為(Vo/ STARLESS)、西村 守(Gt/ SELFISH SQUARE)、Katsumi "ANI-Katsu" Seki(Ba/ ex.Wolf)、堀江睦男(Ds/ STARLESS、SCHEHERAZADE)の5人による様式美ハード・ロック・バンド)がいますが、別のバンドです。

1.TROY IS BURNING 04:53  ★★★☆

疾走系ながらメロスピというよりもっと古いスラッシュ、Motorhead的な音像、で、女性ボーカルというなかなか面白いバンド。ツーバス連打しているが(Motorheadの)Overkill的な。音像もビンテージな感じでいいです。音作りがちょっとレトロなんだな。ツボを押さえた曲作り。

2.DANCE WILD AND FREE 03:20 ★★★★

前曲からなだれ込むように次の曲へ。ちょっとパンキッシュ/ハードコアなコーラスながら、(ハードコアに比べると)メタルらしいかっちりした音作り。ただ、いわゆるメジャーなメタルほどかっちりしていなくてちょっとルーズ、この曲は面白い。なんだろう、初期ハロウィン(カイハンセンボーカル時代)をちょっと彷彿させます。やけくそ疾走系。

3.CHARIOTS OF THE SUN 03:35 ★★★☆

ここまで曲間なし、初期X JAPANみたいな疾走感。やけくそ感があります。ベースも弾きまくっている。ハードコア的、ショップの説明だと「スピード・パンク・メタル・バンド」だそう。なるほど。Ravenとか初期スピードメタル系にもちょっと近いかな。ギターはメロディアスで、ボーカルが女性なのでそのあたりは特徴的。歌い上げる感じでもないが吐き捨て型ボーカルではない。ちょっと優美さがあるのが面白い。

4.MEADOS OF ASPHODEL 04:00 ★★★

曲間無でまた突き進みます。RAVEN meets HELLOWEENで、Voが80年代女性Voメタル的な。Doroとか。まぁ独特ですね。結構この組み合わせは面白い。ああ、このバンドは基本はJO STEELという人が一人でギター、ベース、ドラム、作曲をやっているワンマンバンドなんですね。Voとリードギタリストは別にいますが、ゲスト的なのかも。

5.BLOOD OF APHRODITE 03:25 ★★★

ここで一度曲が切れてまたスタート。LPのA面B面を意識しているのですかね。しかし変わらず疾走、突き進む。ドラムがスタスタ感あり。醸し出されるアングラ感が良い。この曲は特にアングラ臭いな。70年代初頭感というか。ドラムがちょっと走り気味だし、ボーカルの音程もちょっと不安定。とはいえ聞き苦しいまでは行かず、妙なアングラ感を出しています。なんというかデモっぽいというか。その分熱量がダイレクト。

6.EUROPA 03:18 ★★★

間髪入れず次の曲へ。ただ、曲の区切りは比較的はっきり。コードかき鳴らしからスタート。B面の方がバリエーションがあるのかな。…いや、曲が始まったら同じ感じか笑。これはパンキッシュですね。初期スラッシュ。Metallicaの1stっぽさもある。METAL MILITIAとか。しかしワンクリックでこういう音源に出会えるのが今の時代のすばらしさ。疾走ツービート、悲鳴のようなギターソロ。ハードコアマナー。

7.HERAKLES, WAR CRY 03:14 ★★★

なだれ込むように次の曲へ。だんだんこの「次々となだれ込んでくる感じ」が癖になってきます。曲間ゼロでどんどんやってくというと日本のCocobatのライブみたいな。無言でひたすら曲を連ねていく姿がかっこいいんですよね。この人たちもMCとかなしで突っ走る感じのライブなんだろうか。でも、ワンマンバンドっぽいからライブやってないのかな。一人スラッシャーの系譜。ボーカルをゲストで迎えているのがいいですね。リードギタリストはそれほどテクニカルではない、昨日のHaunt以上に控えめな感じですが、それが逆にハードコア感を保っている。あんまりうますぎても爆走感、やけくそ感が減ってしまう。

8.CHILDREN OF NIGHT 04:44 ★★★☆

曲間こそゼロなものの雰囲気の違う始まり、、、と思ったら歌メロが入ってくるタイミングで疾走に。ああ、このベースが高音部でブリブリいう感じがHELLOWEEN感があるのかも。あのバンドもベースラインがけっこう動きまくりますからね。やけくそで応援したくなる感じがいい。A面はひたすら疾走で、B面はちょっとバラエティがあるというかやや複雑な構成という感じか。B面の方が演奏力とかプロダクションが追い付いていない感じもありつつ、挑戦心を感じる内容。

全体評価 ★★★☆

この音楽性で女性Voというのが面白い。友達が作ったデモテープだったら大興奮してるでしょうね。そういう「友達のメタラー」が作ったような身近な感覚。


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