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Raven / Metal City

1974年、1981年デビューの大ベテランにしてスピードメタルの源流、Ravenの2020年作、2017年にドラマーが変わり一気に若返りました。ドラマーが若返ると疾走力が劇的にアップ。デビュー40年近いベテランとは思えないフレッシュでやけくそな暴走メタルを奏でています。快作!

2020年リリース

★ つまらない
★★ 可もなく不可もなく
★★★ 悪くない
★★★★ 好き
★★★★★ 年間ベスト候補

1.The Power
スラッシーなリフから疾走感あるビート、飛び出てくる登場感がある
歌メロはパワーメタル的だが怪鳥音的な金切り声も所々に出てくる
勢いがあってフレッシュな音、大ベテランながら勢いは素晴らしい
間奏前の怪鳥的高笑いも流石の貫禄
パワフルでアグレッシブ、トリオで演奏しているライブ感あるアレンジだがプロダクションはかっちりしている
ツーバスのドコドコが心地よいギリギリのリズム
間奏のあたりはちょっと音が薄くなって、その後の展開が間延びするように感じるのがやや傷だがいい曲
★★★★

2.Top of the Mountain
ギターリフからスタート、展開が早い
テクニカルで手数の多いハードロックなリフ
コーラスもハードロックな感じ
けっこうギターは弾きまくり
初期Motorhead的、ボーカルタイプはかなり違うし、もっと性急だが爆走感は似ている
曲が落ち着かずどんどん先に行く感じ
間奏部でニコマクブレイン的にシンバルをカンカン打ち鳴らす
ドラム、ベースとも手数が多い
間奏からギターの刻みとドラムへ
最後も弾きまくって終わり
★★★★

3.Human Race
ギターリフがしっかり出てくる、やや人間椅子的なリフ、ちょっとドゥームなのかな、速いけど
リフは典型的なハードロック的刻みだが後半の展開が気持ち良い
コーラスはツーバスで爆走
リフの刻みに歌メロが入ってくる
Judas Priest的なパワーメタル
ツーバスのバタつきは一生懸命感がある
このバタバタ感は好き嫌いを分けそう
間奏部が刻みのリフで展開し、そこからテンポチェンジしてメロディアスに
ピッキングハーモニクスの入れ方は職人的でうまい
コード進行が急にプログレ的に、ソロの途中でプログレなパートが
そこから歌が入り元のテンポに戻る
ヴァースからブリッジではペインキラーに入っていたヘルパトロールとか
ビトウィーンザハンマーオブアンヴィル辺りを思い出すなぁ
★★★★

4.Metal City
ミドルテンポでハードロック色が強いスタート
ドレファミレドレファミレ、循環
ちょっとアメリカンな歌メロ、アメリカンと言うかLAメタルか
サビもコーラス厚め、LAといってもモトリーぐらいかな、極端にポップではない
最近のA7Xにも通じる感じ、The Stageはなんかこういう雰囲気のメタルをなぞっていた印象
コード展開がちょっとストレンジな方にぶれていくのはこのバンドの特色か
色々な要素が混ざり合っている曲、間奏はメロディアスで美しい
★★★★☆

5.Battlescarred
リフからのツーバス連打、これもペインキラーを思い出すなぁ
ペインキラーほどシリアスで凄味はないのだけれど、もっと軽快
歌メロがかなり展開する、コーラスはシンガロング的
間奏ではツービート、けっこう弾きまくる
リズムも前のめりながらさまざまに展開していく
展開があってパワーメタルなんだけれど陽性、ジャケットのアニメ絵の印象もあるが、まさにエンタメ感がある
楽しいメタル
★★★★

6.Cybertron
勢いのあるリフとリズム、歌メロもポップでいい感じ
疾走感あり、ブリッジの最後~コーラスでコードを不協和音の方にずらすのが90年代のジャーマンスラッシュ感がある
デストラクションとかメコンデルタとかこういうコード感が多かったような、、、うろ覚えだが
出所はエクソダスあたりなのかもしれない
いずれにせよ80年代後半~90年代のスラッシュマナーの進行も取り入れつつ、もっとポップな感じ
パワー、スラッシュ感を保ちつつポップさというか浮かれた感じが楽しい
★★★★

7.Motorheadin'
疾走、Overkill早送り版みたいなテンションの高さ
これは速くしたモーターヘッドだな
ゴチャゴチャバタバタしているがコーラスもカッコいい
あまり言葉がいらないタイプの音楽
速い、汚い、カッコいい
テンポは一定でずっと疾走していて、シンバルも適度に入っている
ギターベースは刻み、コーラスでコード展開
ドラムの手数多いなぁ
気持ちよく疾走して駆け抜ける
目新しさはないのだけれど陽気さと徹底した感じが突き抜けている
★★★★★

8.Not so Easy
これもアップテンポだが前の曲に比べるとミドルテンポでポップさが強い
コーラスはシンガロング、ポップでキャッチー
前も書いた通りモトリーぐらいだが、デンジャーデンジャーとかボンジョビまで歌メロがあるわけではない
ピッキングハーモニクスが効果的
ちょっとガンズっぽい、というか、イッツソーイージーを絶対意識はしてるな
そうか、この金切り声ボーカルはアクセルローズっぽさもあるかもしれない
躁的なメロディと盛り上がり
ビールで酔いどれるパーティーメタル
★★★★

9.Break
ちょっとヘヴィな感じのリフ、音作りが重心が下がる
ドラムも重め、ボーカルだけは金切り声
ひねくれたコード進行でヴァースが展開、ブリッジもメロディアスだがコードはずれている
サビはいかにもスラッシュな感じ、90年代B級スラッシュマナーに忠実
ところどころポップというか青春メロディ的な爽やかなコード進行が混じるのが面白い
間奏でいきなりメロディアスなフレーズが出てくる、転調してどんどんあがっていくし
わけのわからないテンションの高さがあるなこのアルバム
だいぶ雰囲気の変わった感想を経て再びコーラスへ
★★★★

10.When Worlds Collide
ミドルテンポでどっしりしたスタート、リフもちょっとじっくり攻めてくる感じ
展開して重戦車的に、このバンドらしいどこかに駆けていってしまうバタバタ感はなく迫りくるリズム
複雑なコード展開のブリッジへ
じっくり展開はしているが娯楽性は低い
ただ、だいぶドラムがバタつき始めた
★★★☆

全体評価
★★★★
目新しさはないがベテランが自分の持ち味を十分にいかし今の時代に通用するアルバムを作った傑作
こういうアルバムが2020年に出てくるというのがうれしい
短くて疾走感あるまま終わるのもいい
ちょっと一番最後の曲が落ち着いているというか凄味を出そうとしたのが惜しい
最後まで疾走して欲しかった
調べてみたらドラマーが新しく変わり超技巧派になったらしい、確かに手数が異常に多い
デビュー40周年だそう、このエネルギーはすごい

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