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NFTと詐欺

こんにちは漆芸作家の浅井康宏です。
今日はNFTと詐欺と言うテーマで記事を書きます。

そもそもNFTって何?

NFTのことを知らない人のために簡単に説明すると、以下引用

NFTは、Non-Fungible Token(非代替トークン)の略で、ブロックチェーン技術を利用したデジタル資産です。独自の識別情報を持ち、一意性があり、同一のものではないため、「非代替」と呼ばれます。
NFTには、画像、音楽、動画、ゲームアイテム、仮想土地、スポーツ選手のサイン入りグッズなど、さまざまな種類があります。これらのNFTは、ブロックチェーン上で取引され、価格がつけられることがあります。
NFTの最大の特徴は、所有権が明確になることであり、一度取得すると他の誰もそのNFTを所有できなくなります。また、NFTはコレクターアイテムとしての価値が高いため、高額な取引も行われることがあります。

Chat GPTより

イメージとして、デジタルデータに対して「唯一これがオリジナル!」と言うお墨付きを与えて、希少性があるから価値があるよね。と言う感じで取引をされたりしています。詳しくはたくさん記事がネット上にあると思うので、色々調べてみてください。

工芸とNFT

さて、NFTはわりと美術史の革命だと思っていたりするのです。だって、今まで「データなんてWeb上にアップされて無限に扱われるものに価値は無い」と言う認識が一転したのですから。

で、工芸とNFTについて色々考えているのですが、いまいち良い活用方法が見つかっていません。何かいいアイデアがあったら教えてください。

新しい詐欺の手口?

先ほど述べた通り、NFTは新しい美術の価値の形と言えますが、一方でweb上での金銭のやり取りと言う性質上、詐欺っぽい事例も多いように感じています。
実際僕が最近出会った、たぶん詐欺の手口を紹介します。

最近インスタグラムで数件「あなたの作品は売ってますか?」と言う英語のメッセージがありました。この場合、僕は「ギャラリーに所属しているからこちらに問い合わせてください」と、ギャラリーのリンクを案内して、ギャラリーを通して作品の取引をします。
しかし、
「いや、私は現物は集めてなくて、あなたの作品画像のNFTが欲しいんだ」と言う内容の返信がきました。

ここで「お、これは詐欺っぽいな」と思って、どのような内容か追跡してみようと思いました。

時系列で説明すると

○相手が4枚の僕の作品画像を添付して、「この4枚の作品画像をNFTにしてくれたら買う」とのこと

○1作品4ETH(ETH=イーサリアムと言う暗号通貨。現在1ETHはおよそ25万円)で購入するとのこと

○ 僕「どこのプラットフォームに出せばいい?」
相手「〇〇に出品してください」
僕「open seaじゃだめ?(open seaはNFTのメジャーな取引所)」
相手「いや、〇〇でよろしく」

○ 僕「okではそこに出品するけど、1作品0.25ETHのガス代がかかるんだよね(ガス代とは出品するために必要な費用)」
相手 「私はあなたの作品を4作品買うからガス代はすぐ回収できるよ」
僕「あなたから僕のウォレット(仮想通貨を扱うデータの財布みたいなもの)に0.25ETH送ってくれない?そうしたら出品して全部出品した後、あなたに0.25ETH返すよ」
相手「それはできない、ETHを買うのは簡単だから自分で買ってくれ」

結局ガス代の1ETHをめぐる攻防に終止した

上の会話を要約すると、僕が出品すれば、作品を買う、だけどそのための出品料がかかるため、その分を先に欲しいと言う僕の主張に対して、断固譲らないと言う相手の主張。
ここで見えてくるのはマイナーな取引所に誘い込み、手数料を払わせる詐欺の手口かなという予想です。

これが詐欺ではなければ、僕は1ETHの出品料で4作品を相手に売って16ETHを手に入れることができる。
一方詐欺ならば、1ETH払って出品して、買われず、僕のNFTは広大なwebの大海を漂う塵となるでしょう。

一見誰でもわかるような詐欺がなぜ存在するのか

最近はopen AIの話題で持ちきりですが、少し前NFTはかなりイケてる美術の話題の一つでした。「NFTが〇〇○万円で取引された」と言うようなネット記事がたくさんあって、周りでNFTに挑戦する作家もたくさんいました。

なので、いきなり作品を誰かが4ETHで買ってくれると言うのもあり得ることのように感じてしまう。
使い慣れないブロックチェーンの仕組みや、英語でのやり取りなど、難易度が高いこともこの手の詐欺を助長しているように思います。

詐欺を回避するにはどうすればいいか

これは簡単で、どのような形でも自分が最初に支払うことをしない。と言うことを徹底すればいいのかなと思います。
今回の場合、ガス代を出さない。
自分で挑戦して出品するならいいけど、誘導された場合、一円たりとも払ってはダメです。

NFTは普及してきているとはいえ、まだまだ評価の定まっていない市場です。ブロックチェーンと言う技術を使って、自分の作品の来歴に紐づけると言うように、デジタルの箱書きや落款のような価値の根拠になる可能性があると思います。
そういう未来を少し楽しみにしています。





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