見出し画像

士業経営の落とし穴【みんなハマる】 第241話 資産承継士業養成講座「稼ぐ士業の方程式の可視化:三次元分析ツール」最終回

<稼ぐ士業の方程式の可視化:三次元分析ツール>

物事を理解し、問題を発見、解決するときに、まずは物事の「構造」を知るべく、切り分けていくことが有効です。とくにわたしたち人間の感覚の重要な一つである視覚は、モノの構造を三次元で把握することを得意としています。空間的な捉えかたです。「幅×高さ×奥行」という感じですね。

まず、横幅=X軸です。X軸を「結果」と置き換えておきましょう。目の前にいるお客さんの欠乏、その不快度合を探っていきます。そして、そのお客さんは、どのような状態になれば欲求が充足して、快になるかをやはり探っていきます。目の前にいるお客さんが行動するために切望するもの。それがここで確認すべき結果です。お客さんにとって考えてもみなかった、自分の欲求を満たしてくれる衝撃度の大きい結果であればあるほどよいでしょう。とても会話は盛り上がったけど、望む結果はたいしたことがないものであり、あるいは明確にならなければ、相談の時間に意味がありません。恋人や友達の会話であれば良いのですが(笑)。ビジネスパーソンとしては失格です。相談の中で、結果の「(衝撃度の)大きさ」を上げていく。大きくなればなるほど、喜びが増すという関係です。

次に、高さ=Y軸です。法律構成及び法律要件を考えます。どんな許可を取るのか、どんな順番で許可を取るのか、あるいは何の名義をどんな原因で変えるのか、どんな順番で名義の変更をするか。と同時に、そのための法律要件は何かということを思考、調査、確認していきます。こちらは結果達成のための原因となる法律の技術的なクオリティを高める作業といえます。

 士業「あるある」なのは、Y軸の作業=技術的なクオリティを高める作業を先にしてしまうこと。それが得意だからでしょう。でも技術的なクオリティを高める前にしなければならないのは、お客さんが本当に満足する結果を探ることです。その後に技術的なクオリティを高めていきます。この順番で議論、思考をしていくことが大事です。士業などの専門家に多いのは、「私の聞きたいことを答えてください。」「私が言いたいことを言いますから。」みたいな人です(苦笑)。お客さんは、士業相手に、あまり文句言いませんが、二度と相談に来ません。依頼もしてくれません。こちらはしっかりとお客さんの悩みを捉える必要があります。お客さんの不快をなんとか快にすべく、問題を解決するために、裏の裏まで事実と感情を読んで、まず結果を満足いくものにしていきましょう。ただし、たまにY軸を高めて、X軸でお客さんの満足が実現できる人もいたりします。そういう人を「達人」といいます (笑)。今風にいえばA.I.人間です。しかし、それはあまり再現性(だれでもまねできるわけではない)がありません。今日は普通の人が、達人になる話しではなく、普通の人でも、考え方ひとつセットアップすれば「特別」になる、すぐに稼げるようになる、正真正銘のプロになるためのお話しです。X軸→Y軸という思考の順番がもっとも速くて確実な成長への道です。どんなに技術的なクオリティが上がっても満足度が全然上がらないのは寂しい話しです。繰り返しますが、消化不良のお客さんは決して戻ってきませんし、紹介してくれた方々は、もう二度と紹介してくれません。

 なお、Y軸の値を決める作業での注意点は、われわれの法律実務には満たすべき安全基準があるということです。安全基準は100点満点で満たすクオリティが必要になります。士業は基本的に慎重というか臆病なのでこのクオリティを上げたがるのですが、その理由がこの安全基準を満たすことへの意識です。不安なのです。しかし、100点を超えた部分は、100%自己満足にすぎない、ということに気づくことが重要です。そのため、くどいようですが、まずX軸の値を最大に上げて、Y軸では安全基準をクリアする値でとどめる、という意識をもって相談にのっていくと良いでしょう。

最後に、横幅X軸や高さY軸の他に、奥行=Z軸があります。結果Xと原因Yは概念です。頭で考えることです。ここに身体性、リアリティを持ち込むのがZ軸です。お客さんの「身体の動き」です。生身の人間のどのような動きが必要かを分析し、それがお客さんにおいてイメージできるようにすることが、実はもっとも実務では大事なことなのです。これは後半で触れます。お客さんの相談にのり、満足できる望む結果に対して、それに必要となる手段を示し、お客さんが「よっしゃ!それやってみよう!」となるのは、このZ軸の値を明確にイメージできた時です。つまり、自分にできる、この人とならできる、ということを、しっかりリアリティを持っていただくことが必要なのです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?