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【NPO書評】地方創生大全

本当にあった怖い話。
まちづくり、地域再生、地域活性化のプロで、一般社団法人エリア・イノベーション・アライアンス 代表理事の木下斉さんの本を読むと、身震いしますね(笑)。
地域活性化の失敗事例が地域を疲弊させていく様子は怖い話です。
前回紹介したのは小説形式の本でしたが、今回は「大全」とある通り、体系的に学ぶための本です。

地方創生大全 
 2016/10/7
木下 斉 (著)

まちづくりや地域再生の分野で、実績を残している実践家で、新しい取り組みを形にしている社会起業家で、様々な地域をつなぐネットワーカーで、まちづくりの人材育成も行っている支援者で、そして、意見鋭い毒舌家の木下さんがその知見をおしげもなく披露している本です。
もともとは、東洋経済ONLINEで連載しているコラム「地方創生のリアル」の記事をもとにしたものだそうです。

「大全」というタイトル通り、地方が抱える問題を「ネタ」「モノ」「ヒト」「カネ」「組織」の5つに体系化した内容です。28個の「問題の構造」を、失敗事例を踏まえながら明らかにし、成功事例の要点を紹介しながら具体的な「再生の方法」を提言している内容です。

成功・失敗の各種事例を交えながらの解説なので、リアルで具体的で、わかりやすく頭に入ってきます。
木下さんのそれまでの著書の内容をさらにバージョンアップしている感じです。事例等はこれまでに紹介されているものですが、問題構造の分析と具体的なノウハウの手ほどきはより実践的なノウハウが詰まっています。

テーマは、まちづくり、地域活性化ですが、地域で持続的に活動を行っていくために、自らのビジネスを回していくという視点は、NPOのみなさんにもとても参考になる話です。一過性のプロジェクトやイベントではなく、地域を活性化していくには、持続的なものにしていかなければいけません。そこには自治体の補助金などではなく、自ら稼いで事業を展開していくことが必要です。そのためのノウハウを学ぶためのガイドブックです。

そして、木下さんの本に共通する山田のおススメポイントは、問題の構造分析の視点です。ここが地域づくりでは、とても大事なポイントです。現状で社会課題になっているのに、その問題点の構造を読み解かないまま課題解決に取り組んでいるケースが数多くあります。その中で、木下さんは必ず、そこにどんな問題構造があるのかを考えた上で、企画を練っています。問題構造は表からはなかなか見づらいものです。木下さんの本を読んでいると、なるほどと思うことばかりです。その問題構造の読み解きがあるからこそ、解決方法の提案も腹落ちするものとなっています。

NPOのみなさんも、ぜひ、そんな見方でこちらの本を読んでみてください。

今回もAudibleのオーディオブックです。

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