見出し画像

小石原焼の皿山の風景を楽しもう

筑後大石駅から小石原地区までやってきた。ここは 
自然豊かな東峰村の山手に位置し、50軒以上の窯元
が集まる民陶の里。350年以上の焼き物の歴史がある。

自然味あふれる焼き物の色合いには、小石原焼の特徴
の「刷毛目」「くし目」「飛び鉋」の模様が美しく映える。
用の美が息づく民陶の世界。焼き物の風景を楽しもう。

まずは小石原焼伝統産業会館へ足を運ぼう
建物の横には登り窯。焼き物の里の風景には欠かせない
登り窯の歴史を次代に伝えるために2008年に作られた
近くで見ると迫力がある。火入れの様子を見てみたい
のぼり窯の大きなイラストも。のぼり窯について勉強しよう
素朴な雰囲気のアプローチの屋根に自然素材が使われている
徳岡設計は織田広喜美術館も手掛けている設計事務所だ
内部も木に包まれた優しげな雰囲気。木のぬくもりを感じる
小石原焼を学ぼう。仕上から本焼きまでの状態の展示
原土から陶器へ。手間がかけられた分だけ深みのある焼き物に


さあ、小石原焼の発祥地の皿山を歩こう


刷毛目、くし目、飛び鉋の技の様子が紹介されている。
飛び鉋でつけられる均一な模様には、驚くばかりだ。


点在する窯元にはギャラリーもあり自由に見学できる
なかには洗練された雰囲気のギャラリーもある
太田熊雄窯のギャラリー。迫力のある大皿も並ぶ
屋外にも作品が設置されている。焼き物にあふれた風景だ
角を曲がって反対側へ。まだまだ皿山の風景は続く
小石原ポタリーは10軒の窯元が参加する器のブランド



柳瀬本窯元は、小鹿田焼を開窯した柳瀬三右衛門にはじまる
左から濱田庄司、柳宗悦、河井寛次郎。とても貴重な写真
柳瀬本窯元ではぐい呑を。日本酒も器で楽しもう


通り沿いに高取焼の八仙窯が見えてくる。立派な茅葺きの建物
小石原の地に移転した高取焼。遠州七窯の一つに選ばれている
大胆に着色された大皿。微妙な色の混ざり具合もおもしろい
ベンチに置かれた大きな壺。流しがけと深みのある茶色がよい
内部に落ち着いた空間が広がる。陶器の深い色も空間に映える


マルダイ窯は通りから少し入ったところにある
ギャラリーと茅葺き屋根の建物。どちらも風格がある
素朴な色合いも、変化のある器のデザインに新しさを感じる


ヤマイチ窯はギャラリーが2階にある大きな窯元。建物も立派
皿に描かれる自由なくし目の模様がおもしろい


最後に坂をのぼって早川窯元へ
早川窯元で購入した刷毛目のお皿。どんな料理にも合いそうだ



「Co-ishiwara(こ・いしわら)」は、今年に発表された
小石原焼と高取焼の44窯で共同で作る新たな陶器の
ブランド。陶芸の未来をつくることを意図されている。
これからも小石原焼と高取焼の作品に目が離せない。

民陶の里に広がる焼物の風景を満喫した。350年以上
もの間、受け継がれ作り続けられている焼き物がある。

用の美とは、うつわが使い続けられることにで、うつわ
が持っている形や風合いの美しさが見出されること。
柳宗悦が提唱した民藝における美しさとは、無心の美
自然の美、健康の美と説明されている。民藝の世界は
奥が深い。地域の暮らし、伝統に美しく存在している。

日々の生活で、長く愛され使われてきたものの美しさ。
その美を感じとることのできる目を養い、大切にして
いきたい。そんな目線を持ち、日々を暮らすことで、
毎日の風景に、価値ある何かを見出せると思っている。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?