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門跡寺院に広がる様々な風景へ

仁和寺をぐるりとめぐった後は、入口付近に位置する
御殿群と庭園へ向かう。建物から庭園へと寺院の風景
はつながって。宇多天皇により創建された仁和寺は、
出家された皇族が代々住職を務める門跡寺院。門跡は、
元は日本の仏教における正式な後継者のことを指した
というが、後に格式の高い寺院を差す言葉に。そして
仁和寺は初めて門跡寺院と呼ばれた所であるという。


石畳の通路に導かれて
通路に面して低く広がる松の間を
庭園を囲う塀や門を眺めつつ
立派な唐門を構えた御殿の入口へと進む
渡り廊下でつながる建物をめぐり
まずは仮宸殿として建てられた白書院へ
襖には福永晴帆によって描かれた四季の松
気になるものをたどり広縁を進む

妙心寺にもあったSOUND TRIP。今度は試してみよう

白書院の前に広がる白砂の南庭を眺めつつ

白書院から宸殿へ。LEAM Japanの視点も楽しんで

次は白書院の先に建つ宸殿には、金堂でもみた蔀戸が続く
御殿の回廊は雁行しながら建物をつなぎ、次は右手の
仁和寺御所の中心の建物となる宸殿へ
正面には杉戸絵。通路は雁行し続いていく
丁番を装飾する金物の意匠もおもしろい
宸殿の広縁に沿って進み、振り返れば白書院
仁和寺御所庭園は国指定名勝庭園にも。作庭は小川治兵衛
杉戸には雅楽の演目を描いたものも
宸殿をめぐり北庭へ。飛濤亭、修繕中の中門の奥には五重塔
宸殿の内部は三室の構成で、下段の間から上段の間を見通す
欄間に設けられた繊細な意匠にも目を止めて
障子や襖に描かれた大和絵は御用絵師の原在泉によるもの
広間には昨年の竜王戦第二局の様子も
仁和寺は2018年から竜王戦の会場の一つに

仁和寺は創建888年、裏山には御室88カ所の霊場も

上段の間は格式が高く、一段上げられて
格天井や欄間の細工、襖絵に囲まれた豪華な空間が広がる
心字池が配置された庭園も眺めながら
広縁を進む。回廊はその先に建つ黒書院、霊明殿へと続く
欄間には丁番の金物にも使われていた意匠
用いられる格子も様々で。こちらは二筋格子
雁行してつながる回廊を振り返りつつ
宸殿とその前に広がる北庭を見渡して
回廊の突き当りに建つ霊明殿は
敷地の高低差を生かし、庭園より高い位置に建てられている
全体から部分へ。ちりばめられた意匠にも目を止めつつ
1911年に建立された建物へ。亀岡末吉は霊明殿の他にも
そこから望む宸殿や、入口となる勅使門の設計を手掛けている
回廊をめぐる空間体験を楽しんで
最後に黒書院を通り
御殿の入口へと戻ってきた
仁和寺の境内の中、塀と門で区切られた御所庭園に
広がる風景を後にして仁王門へと引き返す

上空から見ると檜皮葺の宸殿の配置がよくわかる

たどった経路を見返して。QRコードも後からの楽しみに
初めての仁和寺を満喫し、また二王門をくぐって
世界遺産の仁和寺を後にする

LEAM Japanにより表現された仁和寺も楽しんで

いつか境内に広がる御室桜も見に行こう

仁和寺の中の旧御室御所とよばれる建物群。その御殿
を構成する建物群と、周囲に広がる庭園を楽しんだ。
宸殿は社寺の修復などを手掛けた建築家•亀岡末吉の
代表作といい、庭園は無鄰菴も手掛けた小川治兵衛。

京都の寺院に広がる日本建築や庭園をめぐる旅は
まだ始まったばかりだ。建築家や作庭家によって
手掛けられた建物や庭園をたどりつつ、そこにある
つながりに触れ、少しずつ京都をめぐっていこう。

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