映画「サウルの息子」

「サウルの息子」をプライムでもう一度観てみた。収容所のゾンダーコマンド(収容所の囚人による特殊部隊)に焦点をあてた映画だ。

映画の画面比率が変わっててすごく狭い。焦点がぼやけているところが多く(残忍な場面はその方が助かる)あれは何か?と推測しながら見るし、ぶつぶつとつぶやいている台詞は字幕にならないところが多い。だから表情を確かめようと一生懸命に見て終わったあとはぐったりする。受け身で見る映画とはそこが少しちがう。

大勢の人が動き回っている。その流れの中でゾンダーコマンドのサウルが黙々と自分の目的のために、見つからないように潜り抜けていく。この流れのようなものが映画の一つの特徴に感じた。『これが人間か』の中にもそんな場面が出て来る。人間性を失わせる日常の流れ(リズム)をこの映画は精密に表している気がした。

虐殺の事実が消されないようにカメラで小屋から撮影する場面がある。あれは事実でありNHKスペシャルでも紹介されていた。

https://www.nhk.or.jp/special/plus/articles/20200825/index.html

「さっさと部品をかたづけろ!」はガス室で殺されたユダヤの人々の遺体を運ばせるときにドイツ兵が怒鳴る言葉。

以下は『窓の匂い』に入れた歌。

ガス室に重なり倒るる裸身 さらに「部品を片付けろ」と声は

切りつけられしように背に赤き☓ユダヤ人なる目印として
 

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