こんばんは。Sagishiです。
突発で記事を書いていますが、『勇者』の英語versionが出ましたね。
わたしは以前、YOASOBI の楽曲の英語版の歌詞をつよめに批判していたので、今回の英語版の歌詞もあまり期待せずに視聴したら、以前より明らかにrhymeを意識した歌詞になっていて、本当に驚きました。
例えば『アイドル』の英語歌詞はほとんどrhymeが意識されておらず、率直にいって、残念なクオリティです。
しかし『勇者』の英語版は、どうみても以前よりもrhymeを意識した歌詞になっています。これは素晴らしいです。
わたしの記事が影響したという訳ではまぁないとは思いますが、英語の歌詞は韻踏まないより踏むほうが絶対に良いですし、こうしてアーティストの成長?を体験できるのは嬉しいことです。なにより批評しがいがあります。
そんなわけで、今回の記事ではYOASOBI 『勇者』の英語版の歌詞が、どうrhymeを組まれているのかをみていきます。英語の歌詞内容や発音などは考慮せず、純粋にrhyme組みだけに焦点をあてた記事になります。
1 プレ・コーラスパート
やや変則的な構成ですが、AAxB ACCBというrhymeスキームになっていると思われます。longはrhymeされていないので、まぁ冒頭の時点で崩れてはいますが、明らかに以前の英語歌詞と異なり、rhymeが意識されていることが分かります。
意識して制作しないとこういう歌詞にはなりません、偶然ということはあり得ないでしょう。いったい何があったのか!と思いますが、ともかく素晴らしいです。
2 ヴァースA1パート
ヴァースAのrhymeスキームは、AAxx ABxBですね。やはり変則的で、かつ押韻されていない箇所もあります。わたし個人としては、楽曲全体で確実にrhymeがされていないのは残念ではありますが、もともと全く何もない状態だったので、そこからすれば大きな進歩を感じます。
ただ気になるのは、story/deep/mercyといった、単語本来のストレス音節でrhymeせず、非ストレス音節を使った不完全韻も目立つところです。このような不完全韻は後半にも多く出てきますが、rhymeとしては亜流な印象を与えるので、頻発させるのは推奨はできません。
しかし、それでも全く韻が無いよりはるかに良いです。
3 ヴァースB1パート
このパートはrhymeが存在しないですね。残念ですが、仕方ない。
hopes/ownedはrhymeになりそうですが、楽曲内のownedの発音が[óʊ]ではないので、rhyme判定していません。
4 コーラス1パート
やや判定に迷う箇所もありますが、少なくともpath/that、out/now、you/truthのペアはrhymeが意識して組まれているようにみえます。
特にサビは凝ったメロディになっているので、rhymeされていると歌詞が明瞭になって、美しく聴こえますね。逆にrhymeされていない小節は、歌詞がごちゃっとして聴こえるので、rhymeの有無による聴感上の影響は大きいことが改めてよく分かります。
5 ヴァースA2 / Cパート
このパートは、into/to、you/doがrhymeされていますね。
6 ヴァースDパート
ここは不完全韻ですが、day以外は踏まれているようにみえます。
7 プレ・コーラス2パート
meetingだけ不完全韻ですが、許容範囲といえそうです。
8 ブリッジパート
ここはlight/mineだけですね。
9 コーラス3パート
time/signs/ignited/times/shiningとやや変則的ではありますが、rhymeを感じることができます。しかし、本当にremainがもったいないですね。
あとほんの少し手を加えるだけで、きれいになるのになぁと思います。
10 コーラス4パート
and/andでrhymeするのは美しくないですね。というか、こういう状態になる歌詞って英語の楽曲では見ない気がします。たぶんネイティブ・チェックをしていないんだろうなと感じました。したほうが良い気がします。
あと楽曲の締めが不完全韻になるのも、これも美しくはないですね。最後くらいバチッと締めてほしいと感じます。
が、rhymeがないよりは絶対に良いので、YOASOBI の進歩を感じます。
まとめ
というわけで突発で記事を書きましたが、いやー驚きました。視聴してすぐにrhyme意識していることが分かったので、嬉しかったですね。
そのうち、全体できれいなrhymeスキームが組まれた歌詞がみられることを強く期待しています。次回が楽しみです。