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平和研究者の草稿。

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いずれ公刊される原稿(エッセイのたぐいを中心に)を、限定的に公開します。
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国際関係論における先達:沖縄の場合事例:宮里政玄

1. 宮里政玄の生い立ち 国際関係論の「内発性」「自立性」という点に着目するならば、沖縄出身の国際関係論の研究者が、何を明らかにしようとしたのか、そのテーマを取りあげる必然性はどこにあるのかを考えなければならない。

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「有事」の拡大であるにもかかわらず、国民保護、国民の権利制限、自治体の役割の議論が欠けている

「有事」の拡大であるにもかかわらず、国民保護、国民の権利制限、自治体の役割の議論が欠けている

 有事の際に、国民をいかに保護するかを定めた国民保護法は、2004年に施行された。第3条において、国は、武力攻撃事態等に備えて、あらかじめ、国民の保護のための措置の実施に関する基本的な方針を定めるとともに、地方公共団体(自治体)および、指定公共機関が実施する国民の保護のための措置を的確かつ迅速に実施することが定められている。

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中国の「脅威」に対し、集団的自衛権の行使によって対応することは妥当か

中国の「脅威」に対し、集団的自衛権の行使によって対応することは妥当か

 集団的自衛権の行使にあたって、安倍首相が「脅威」の念頭においているのが、中国の台頭であることは間違いない。2010年9月7日、中国の漁船が尖閣諸島付近で違法操業をしていたところ、海上保安庁が取り締まろうとしたところ、中国漁船が、海上保安庁の巡視船に衝突してきた。また、東京都が尖閣諸島を購入しようとしたことに端を発し、日本政府が尖閣諸島3島(魚釣島、北小島、南小島)の購入を発表、これに対して、中国

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