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出演者の集客力=収益力、はウソ。

前に書いたnoteは分かりやすくするために省いたのですが、もちろんチケット収入意外にも違う収益の得方があります。

例えば、昔はライブは赤字でした。それでCDが売れれば良かったんですね。

パフォーマンスでも物を買ってもらって回収するのはよくある話で、凄く昔のサーカスは薬売りでしたし(サーカスで人寄せした上で演劇で薬の効果を宣伝した)、バナナの叩き売りなんてのも同じような物かもしれません。

いまはCDは売れない時代です。マドンナがワーナーミュージックグループを離れライブネーションという会社と契約したのは2007年の大事件。日本でもライブによる収益はかなり重視されるようになりました。

なので、やはりここは収益=集客に限って話を進めます。

近年「音楽フェス」と言われるイベントの動員数がぐっとあがっています。音楽フェスはどうやって集客してるんでしょうか?単なる各出演者の集客数の合計なのでしょうか?

小さいイベントではそれが強いしょう。しかし、大きなフェス中のSNS投稿を見ると、出演者に対する評価の割合は8%と言う結果が出ています。

多くの人にとって「ラインナップと体験」がより重要のようです。

つまり、出演者の熱心なファンだけではなく、複数の出演者が居ることによる相乗効果で行きたくなる人が多数いる。それがラインナップ効果。

そして、「体験」をするために行きたいと思う人も多数居るようです。

「体験を売ろう」とは、どの業界でも昨今良く言われているお話です。よく言われているけれど、よく分からない言葉でもあります。

体験はお客様の個人的な物であって、直接取引ができる物ではありません。こちらが赤い物を提供してもお客様が赤いとは感じていない可能性は十分にあります。

一体どうやったらパフォーマンスで体験を提供できるのか。そこで、私が知ってるいくつかの特異な「体験」をベースにした公演事例をご紹介します。

1.フエルサブルータ

フラットなフロアに、突然前から後ろから上から舞台が現れて客席を侵食。その巨大さと色彩は客を圧倒させます。また、水や紙吹雪を直接客に掛けるなどして巻き込みます。

2.瀬戸内サーカスファクトリー×カンパニー・リメディア「キャバレー」

シアターサーカスですが、客席と舞台との間に荒いネットがあります。舞台と客席とを隔てていた暗黙の了解を取り払い、舞台とつながっている同じ空間として体験させる凄い演出だと思います。また、舞台上にはドレスを着た客が何人か座っています。

3.スリープノーモア

客は廃ホテルに入ると仮面を渡されて、仮面を外すことと話すことを禁じられます。そのままホテル内を各自で見て回ると、役者が出てきて、客は役者についていきます。体験型演劇とでも言うべきロングラン公演です。


上記は特殊な例ですが、客が何を体験するのかに焦点が当たっているのがよく分かる好例だと思います。

場所、テーマ、ラインナップ、演出、などなどで工夫をして、客にとっていい体験ができるイベントが増えるといいですね。

ところで、新月の夜に松本零士デザインの船に乗ってサーカスクルージングするのも結構いい体験だと思うのですが、どうですか?(突然のステマ落ち)


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