見出し画像

ソーシャルサーカスとは何か

ソーシャルサーカスとは、ヨーロッパで25年以上前に始まった社会的(ソーシャル)な問題を解決するためのサーカスです。経済的貧困・コミュニケーション機会の少なさ・身体障害などなど世界中の問題に対して、サーカスが役に立っています。

これはシルクドソレイユが提供しているソーシャルサーカスの地図で、500以上のソーシャルサーカスが載っています。ヨーロッパだけでも約2500のサーカススクールがあるとされていて、それから比較するとこの地図はまだほんの一部です。それぐらい、世界中でソーシャルサーカスは広まっています。

以下に3つの例を挙げます。

カンボジア(Phare)
ポルポト政権時代に国民の総人口の30%~40%が殺害され、大変な状況のなか経済的自立のためにフランスからの支援で作られたサーカスです。今や自前の劇場を持ち、国の大事な観光資源となっています。

カナダ北極圏(Igloolik)
小さな島での、若者の自殺防止のためのサーカスです。伝統的なイヌイット文化を生かしながら近代的なサーカスの技術を使い、自己表現をすることで自尊心を高めます。

ベルギー(Circusplaneet)
ベルギーのゲントにあるサーカススクールです。ゲント住民は約200,000人ですが、さまざまな国籍の人がいて、彼等の交流のために役立てています。

上記のようにサーカスが職業訓練になる場合もあれば、練習で上達することによって自尊心を回復させる場合も在りますが、ソーシャルサーカスネットワークであるCARAVANがもっとも大事にしているのは「インクルージョン」だそうです。

障害によるハンディキャップだけではなく、地理的な状況、経済的基準、先祖、性別、肌の色、宗教、子供、若者などなど、様々な理由で社会から排除されている人達を社会的に包括するのがインクルージョンで、これはダイバーシティよりさらに進んだ概念です。健常者・障害者などの区別はなく、個々人に依ってのコミュニティ内での活動を求められます。

ソーシャルサーカスは、既に世界中で熱を持って取り組んでいる人が数多くいます。そのおかげもあり、まだまだこれから発展していくであろう分野でもあります。

アジアソーシャルサーカス協会は、Social Circus Day を2016年から始めました。今年は4/1だそうで、今年の世界中からの活動報告が楽しみですね。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?