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さくらサーカスのお引っ越しを手伝ってきましたよ報告その2

その1はこちら

明けて水曜日。今日にでも引っ越しをするということで、唐突に子供達は今日が登校最後の日になりました。子供の三ヶ月は大人より長いからなのか、かなり仲良さそうにサーカス場に遊びに来る子供もたくさん見かけていました。それが、突然の終わり。日常的に非日常を提供するサーカス団の、日常と非日常の狭間のような日。

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今日はまずトラスを倒します。根元が折れるようになっているんですね。ワイヤーを電動で緩めて、ゆっくりと地面に寝せたあと、分解。

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昨日に引き続き、フォークリフトで杭を全て抜いていく。これがかなり時間が必要で、結局丸一日かかりました。
最後にグラウンドの状態を元に戻すのも、大事な作業。

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この日、産まれたばかりの赤子がやって来ました。アランパパのこの笑顔。

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結局この日は作業が終わらず、深夜も作業を続けます。この日も和歌山と奈良を往復していました。
翌日の午前はひどい雨でしたが、それでも作業を続けます。

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1時過ぎから雨もあがり、作業も一段落、ようやく移動開始。いつも単なる家として使っているキャンピングカーが、三ヶ月ぶりに走行します。

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アランパパは一度通った道を忘れないという特技があるそうで、ナビ不要でした。重いトラック達と一緒に行ったので時間が掛かり、日が落ちたくらいに到着。

近くの銭湯で体重を量ったら、3kg以上落ちてました。他の団員の何分の一の労働だったのに、ヘトヘト。疲れて銭湯で寝てました。次はサーカステントを組み上げなきゃいけないと考えると、本当にとんでもない作業量ですね。南米では3日でテントを仕舞ってたと言うのが信じられない。

この後もアランパパは和歌山に一度戻り、また奈良に戻って、と正に寝る暇も無く動いていました。

和歌山に残って作業していた人もまだ居ましたが、自分はキャンピングカーと一緒に移動してしまったので、ここで私のサーカス団の引っ越しレポートは終了です。

土曜日に念願の集合写真がやっと撮れ、東京へ帰りました。

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丁度まる一週間お世話になりました。貴重な体験でしたが、滞在中はこれが日常であるような感覚もあり、また何気なくみんなに逢いに行きたいです。近ければ足繁く通って子供達と遊んでたんだろうな。

子供達に、もう帰るよと伝えたら、全体重で妨害されました。沢山遊んでくれてありがとね。

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今回、写真はドキュメンタリーとして撮っていて、それは「サーカス団とは何物なのか」という事を知り、伝えたかったから。なので加工はしていませんし、演出もしていません。

コロナ禍で世界中のエンタメが危機的状況のなか、サーカスを立ち上げることで生き延びる。世間では少子化が問題視されているなか、次々と子供が生まれる。

それは、生きる法則が一般社会とは違うからのように思いました。生きていくのに必要なものは全てサーカスがもたらしてくれるので、守るべきはサーカスのためのルールであり、世俗の法則には縛られない。

この生命力、豊かさ、純朴さ、大らかさと破天荒さ、それらが分かったことは、自分にとっては世界一の凄技を見るより凄い体験でした。

色んな要素が詰まった体験で、一言で総括することは出来ないことは分かってたので、そのための写真です。コンテスト、どこか賞を取ってくれないかなぁ。

3年の取材を「日本人が世界一に挑戦」という切り口で映像で綺麗にまとめたNHKの番組はこちら。是非課金して見てください。

感想については、大島幹雄さんの日記を引用。

嵐君とアラン君、お父さんとお母さん、それに家族がモンテカルロに出る、そしてそこでいい演技するということに向かって一生懸命向かっている姿があざとくなく、自然に描かれていた。サーカスで働いているものであったら、誰が見てもあのイカリアンゲームの演技が金賞をとれるものだという認識だと思うが、彼ら自身がそれを知らず、懸命に練習を重ね、家族と離れて5ヶ月も海外で遠征、モンテカルロにそなえるという、ある意味うぶなところが、この家族の素直で、一生懸命のところなのだろう。番組をつくったディレクターもこの家族と一体となっていたのが、いい番組になった要因かもしれない。モンテカルロでの演技をすべて見せてくれたのは圧巻であった。それと主催者のステファニー王女のコメントもサーカス愛にあふれていて素晴らしかった。戻ってきてからコロナ、そしてさくらサーカス旗揚げ、娘さんへの暴力事件まできちんととりあげていたのも好感をもてた。多少酔っぱらっていたこともあるかもしれないが、いつの間にか声援を送っていた。木下を横浜で見たときも感じたが、この声援をおくりたくなるところ、これがサーカスの醍醐味だ。演技が終わったところで思わず拍手。
とてもいい番組であった。

この番組については近くサーカス学会でも詳しく取り上げる予定なので、もしかしたら何かまたnoteを書くかもしれません。

サーカス学会:http://societyforthestudyofcircus.org/

これからも色んな方法でさくらサーカスを追っかけて行きます。

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