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【危機に瀕する日本の移植医療】

みなさん、こんな状況知っていますか?日本の移植医療が大変なことになっているんです。ドナーの不足はもちろんのこと、実はもっと深刻な問題があります。


保険点数引き下げと病院の収益低下がもたらすもの

一番の問題点は、病院側の事情です。ドナーが見つかっても、病院の都合で移植が行えない状況が発生しています。原因は何かというと、移植手術は病院にとって赤字。なぜかというと、保険点数が低すぎるからです。

さらに、病院では保険点数の引き下げにより収益が減少し、赤字の病院も増えています。そのため、病院はオペ室の予約をパンパンにして利益を上げようとしているんです。

でも、移植手術はドナーがいつ現れるか分からない「臨時」のもの。土日、祝日、夜間も関係ありません。これが、オペ室のスケジュールに大きな影響を与えてしまいます。例えば、肺移植の場合、同じ胸部外科が担当することが多く、肺癌の手術が延期されることも。これは患者さんにとっても大きな不利益です。

日本とは異なり、他国では移植用のオペ室の枠を確保しているため、こんな問題は起こりません。

医療従事者の苦悩とやり甲斐搾取

また、医療従事者の状況も厳しいです。大学病院などでは医師の給与が低く、多くが外部病院でアルバイトをしています。移植の際には、これをキャンセルして戻る必要があります。つまり、収入源を捨てて移植手術に臨むわけです。

さらに、日本の移植システムの非効率さも問題です。例えば、患者が東京にいてドナーが北海道にいた場合、東京の医師が北海道まで行って臓器を取りに行かなければならないのです。効率の悪さは明らかですよね。

医療従事者にも家庭やプライベートがあります。現状ではそれら全てを捨てて移植をおこなっています。
業務のためほとんど家に帰れず、家族からは『ATM』なんて呼ばれていたり、
幼子の最初の言葉は『ママ』次こそは『パパ』かと胸を躍らしていたら
『だれ?』だったなんていう悲しいエピソードもたくさん聞いてます(私ではありませんが)。
患者さんのために・・・・非常に大事な使命感を燃料にして命を燃やして維持しています。

ヘソで茶を沸かす”働き方改革”

このように、移植医療は「働き方改革」という現代の流れとは相反する状況にあります。医師は通常の手術で忙しく、さらに予測不能な移植手術にも対応しなければならない。給料も下がる一方です。

その結果、移植医療を目指す医師や医療従事者は減少しています。これは、当然のことかもしれません。

臓器移植は命を救う唯一の手段となる患者さんもいます。善意のドナーは増えていますが、医療側が崩壊しかけているのです。

この待ったなしの状況を早急に改善する必要があります。みなさんにも、この事態をもっと知って頂きたいと思って記事化しました。

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