この仕事が一生続けられるなどとは思わない方がいい

自動車や汽車や電車が普及して、馬車が消えた。

石油やガスの利用が増えて、炭鉱が消えていった。

馬車が消えたのは、馬車関係の人が悪いわけじゃない。

炭鉱が消えていったのは、炭鉱の中の人が悪いわけじゃない。

もっと便利でリーズナブルな手段が普及したからだ。イノベーションってやつだ。

スマートフォンがあっという間に普及して、また消えていくものはたくさんあるだろう。

雑誌とか、新聞はかなり厳しいかもしれない。

僕だって数年前までは、美少女ゲームを作っていた。最近では、ちょっとDVD-ROMを販売する業態では難しいな、と思っている。

今、僕はネットに掲載するマンガ制作をやっていて、あと10年戦えるとは思っているつもりだけど、正直将来がどのように進むかはわからない。

少し関わることができたアニメ業界だって、いろいろ心配な部分はある。

消えていく仕事に、個人の思いは翻弄されていく。

ずっと今の仕事が続けられるなどとは、思わない方がいいと思う。

小学生の頃、「将来の夢」なんかを書く欄には、「バスやタクシーの運転手」と書いていた。

人の役に立っているし、機械を操縦するドライバーは格好良く見えた。ガンダムが好きだったし。

それも今では、自動運転という技術で、存続が危ぶまれている。

これは子供の頃の憧れが、憧れのままでいられないという、少し切ない事でもあるんだ。

時代の変化というものは、個人のセンチな感情なんてかまっちゃくれない。

その時々で、時代の変化に振り回されながら、たくましく生き抜いていくしかないんだろうね。

なぜなら、子供の頃の憧れを全うするより、生き残る方が、優先されるからだ。

やっぱり、少し切ないことだけどね。

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