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こんなに近くに居るんだ

10月19日、コブクロの34枚目のシングル『この地球の続きを』がリリースされた。

来たる2025年の大阪・関西万博に向けて果てしない未来へのワクワク感が溢れんばかりに伝わる表題曲「この地球の続きを」、コロナ禍をはじめとした混沌たる世界の現実に目を背けることなくひたすらに“今”を見つめた「Days」、そして2011年のツアーで初披露されて以来11年越しに当時のライブテイクで音源化された「恋愛観測」。
未来、現在、過去という時の流れや、一貫したストーリー性さえも感じさせるこの並びに、何度聴いてもたまらない気持ちになるのだ。

中でも待望の初音源化となる「恋愛観測」は、2011年に行われた全国ツアー『KOBUKURO LIVE TOUR 2011 “あの太陽が、この世界を照らし続けるように。”』より、ライブ終盤に活動休止を発表した最終日・真駒内セキスイハイムアイスアリーナ公演のテイクが採用されている。
あの伝説の1日の様子をほんの一部だけでも再び目の当たりにできる時が来ようとは夢にも思わなかったが、その背景には大切な仲間の存在があったのではないだろうか。

2002年のツアーから10年間に渡りライブやレコーディングでドラム演奏を手掛け、コブクロの大ブレイク期を見届けた大切なバンドメンバー、桜井正宏さん。
今年3月14日にこの世を去り、同月末のFC会員限定ライブ『NOCTURNE』最終公演ではステージとオーディエンスが一体となって盛大に彼を見送った旨が伝えられている。

そんな彼のコブクロでの最後の演奏となった『あの太陽が~』ツアーファイナルの音源が今、我々リスナーのもとに届けられた意味。
それを噛みしめながら一音一音に浸った。
幻想的なサウンドアプローチやボーカルワークも然り、なんだか不思議な気持ちになった。

リピートの際、歌詞を読み返してみる。

《この宇宙の端と端に居るような気持ちでいたって 僕等の居る場所を銀河の果てから眺めたら こんなに近くに居るんだ》

《那由他の歴史の中でわずかなこの時 同じ国に生まれ 出逢う偶然を「奇跡」と呼んだって良いよね?》

なんかこう、胸に迫るものがあったんだよな。

曲前のMCでも語られているように、この曲はラブソングだ。
だけども、これらのフレーズはもっと広い意味の、それこそコロナ禍での人々の繋がりや、逝ってしまった人と遺された人との関係性にも適用できるのではないか。

僕自身も先月末、大好きだった祖母との永遠の別れを経験した。
でも、不思議なほど悲しみや喪失感といった負の感情は湧いてこなかった。
その代わり、絶え間なく溢れ出る感謝の気持ちに加え、宇宙と同化したその魂がずっと自分の傍に居てくれている感覚がして、毎日とても心強いなと思えるのだ。

そんな僕個人の心境、そして桜井正宏さんとチームコブクロとの関係性…いろんな物語がこの「恋愛観測」に投影されたような気がして、なんか胸が熱いなぁというお話でした。

今こうして生きている我々は、Glory Daysの続きを描いていくことが故人に対する供養でもあり、自分たちにとっても何より幸せなことだよね。
『この地球の続きを』のシングルは僕に沢山のことを気付かせてくれた気がします。
これからも頑張るぞー!

2022.10.19