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SEOライティングという言葉がなくなる日

検索結果で上位表示されやすい文章を書くことを、SEOライティングと呼ぶ。

ライティング技術のひとつとして、ぼくはそれでご飯を食べさせてもらっているところがある。
ただ、一般的な「文章がうまい」という技術と少し方向性が異なるので、SEO向きの文章依頼を嫌がるライターも少なくない。
SEOライティングは、Googleに評価されるための技術で、読者に評価されるための技術ではないからだ。

しかし、最近その言葉の意味が、徐々に変わってきてると感じることがある。

Googleは「ユーザーのためのコンテンツが、良いコンテンツ」といったことを言い続けている。
そして、検索アルゴリズムと呼ばれるGoogleがコンテンツを評価する方程式は、人工知能の発達で複雑化し、人間には説明ができない領域にまで進化してるんじゃないかと思っている(GoogleのAlphaGoがニュースになってから、もう3年も経つのか)。

実際に、SEOライティングの手法で昔よく言われていた、「キーワードを文章内にたくさん入れる」とか、「文字数は多ければ多いほうが良い」とかは、もう使いものにならない。WELQ事件から2年、Googleのアルゴリズムは更新頻度が毎月のように増え、1万字2万字で書かれたSEOライティングのバケモノみたいなコンテンツは、すっかり見かけなくなった。

それでも、SEOライティングはまだ存在する。

サッカーで、オフサイドというルールを知らないと試合にならないように、Googleに評価されたいなら最低限押さえておかないといけないルールがあるからだ。ただ、それも最低限の思想だけが残って、個別具体的なテクニックは必要なくなるんじゃないかと思う。
大事なことは、ユーザーが貴重な時間を割いて熟読してくれ、さらに関連するコンテンツを読み進めてくれること、読んだあとにどういうアクションを行ったかということ、そのあたりにコンテンツの価値を決めるヒントがあるような気がする。

Googleのアルゴリズムが進化すれば、SEOライティングのテクニック自慢みたいになっている今の検索結果が、もっと多彩なランキングになるはずだ。机上の空論ばかりが並ぶ状況から、ユニークな体験談とかがひしめき合う、そんな未来が数年後には実現するんじゃないかと期待している。

なので、それまでにはSEOライティング以外のなにかでご飯を食べる方法を考えておかないといけないなぁ。そんな日が、早くくればいい。

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