深夜に鳴るこの音は…なんだ!?

前回の記事にて、ちょっと不思議な体験・経験をしたことについてつらつらと書き連ねたので、勢い余って今回も私が実際に体験したちょっと怖い話について記していこうと存ずる。

あれは…高校生の頃だ。

当時、私は(毎週ではなかったが)金曜夜から土曜の早朝3時〜4時にかけて、友人3人とともにスカイプでまったりと会話するのが楽しみだった。

どんな話をしていたかは正直記憶にないのだが、学校であった面白いこと、友達のS氏がやる「誇張しすぎた英語の先生のモノマネ」などで大いに笑った記憶は頭の片隅にある。
決まって翌朝、親や妹から「昨日、すんごいうるさかったよ」とよく怒られたものである。

我々の間ではそのスカイプでの夜通しの会話を「スカイプ会議」と呼んでいたのだが、ある日のスカイプ会議後にその事件は起こった。

深夜2時〜3時ごろ、「そろそろ眠いから終わりにしよう」と誰かが言い、その日のスカイプ会議は終わりになった。

確かその時期は夏だったため、スカイプ会議が終わって布団に潜ったはいいものの、暑くてなかなか寝られない。
私は窓を全開、扇風機を最強風量にセットし、まだ若干寝るにはストロークが必要だったため、ウォークマンでアンビエンス系の音楽をセットして横になった。

数分がすぎ、そろそろ寝るか…とイヤホンをとり、暗い部屋の中で目を瞑っていると…。

どこからともなく、「さっ…サー、ザザ」という、何やら不可解な音が聞こえてきたのだ。

一瞬、私は思い出したくもない、黒く光るあいつ…即ちGが部屋に入り込んだのか…?と疑った。
あいつが「これでもか!」とかけずり回っているその姿に一瞬慄いた私だった…。
が、聞こえてくる音には規則性がなく、むしろ不規則にざっ…とゆらめいているような、そんな不可解な音だった。

深夜の2時、丑三つ時。

私は心の中で思った。

ついに…この私にも怪奇現象が起こってしまったというのか…。

私は壁側を向いて寝ていたので、とんでもなく恐ろしい気持ちに駆られていた。

この音の正体は…きっと怪奇現象だ。GはGでもGhostのGだ。

音が鳴っているのは…確実に私の背中の上ら辺からだ。
きっと…きっと、私が寝返りを打ったら、そこには白い着物を着てものすごい髪の長いGが立っているに違いない…。

そんな恐ろしいことを考えているうちに、心臓はバクバクと鳴り、手汗がじわっと滲み出てきた。

私も男だ…もう怖いだのなんだの言ってる場合ではない。

Gめ!GっていうかGhostめ!!くるならきやがれ!

決死の覚悟で私はグルンっ!!と寝返りを打った。

打った…。

見ると、そこには扇風機が回っているだけで、白い着物のGはいなかった。

あれ?じゃあ今もなってるこの「ざっ…」という不可解な音はなんだ…?

そう思って辺りをぐるっと見渡すと、そこに答えはあった。

壁に貼ってあった絵葉書ぐらいのポスターのようなものが剥がれかけ、さらには最強風量にした扇風機の甲斐もあり、それはもうぐわんぐわんと狂喜乱舞するが如く舞い踊っていたのだった。

その絵葉書のようなポスターが不規則に壁に当たった時に、「ざっ…」という音が聞こえてきていた。

私は安堵した。やっぱりお化けなんているわけなかった。

この日から、私はお化けを信じなくなった。

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