小説連載の巻 スイミングプールの改築③ (2004年)

2004年に書いた短編です。見たところ分量的にも連載に適していそうなので、当時のフロッピーディスクから、サルベージしてきました。

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②はこちら

12月10日(水)

今日も学校を休んでしまいました。

夜になってお母さんがお仕事から帰ってきました。私は何となくお母さんに会いたくありませんでした。

お母さんはドアをノックしました。でも私は返事もしないままでした。ご飯よとお母さんが言っても、私は部屋から出ないままでした。

お父さんは私がわがままを言うと怒るから、私は夕食を食べないと言うと怒って部屋までやってくるかもしれなかったので、私はふとんをかぶっていました。

ごちそうさん、というお父さんの声がしたけど、部屋には来ませんでした。

お父さんは、今晩はもう帰らないからと言って、車を出してどこかに出かけてしまいました。

お父さんと浮気をした女の人が、私にモナカアイスを買ってくれました。モナカアイスは嫌いだったので、残してしまったら、怒られました。

あれは夢だったかな、と思っていたのですけど、さっきその女の人が裸で写っている写真をお父さんの部屋で見つけたので、夢じゃなかったんだと思いました。

12月11日(木)

次の日の朝になってもお父さんが帰っていなかったので、私はお母さんと一緒に朝ごはんを食べて、学校に行きました。

昨日の宿題やった?と聞かれたので休んだからやってないと言うと、いけないんだーとみんなが言いました。それで私は泣いてしまったので一時間目は保健室で寝ていました。

体育には出ました。今日はポートボールでした。給食も食べました。昨日の給食は私の好きなブドウパンが献立にあったので、休んだのが残念でした。

早く学校から帰りたいなあと思いました。

12月12日(金)

算数で、計算がはやいねとほめられた。

学校から帰ってくると、今日の夜はおばあちゃんのうちに泊まることになったよ、とお母さんが言いました。私はうれしくなりました。おばあちゃんのうちでは夜遅くまで起きていていいし、お菓子もたくさん食べられるから、好きでした。

おばあちゃんのうちに着くと、お母さんが私に、はやく自転車に乗れるようにしなさいと言いました。

どうして?と言ったら、急に林の中から虎が出てきて、追いかけられたらどうするの、と言うのです。

そしたらもう食べられちゃうしかないよ、と私は言いました。

(④につづく)

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