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作家の日々

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2018年10月の記事一覧

「サイン本」について六年目作家が思うこと

「サイン本」について六年目作家が思うこと

 「刀と算盤」(光文社)好評発売中です!

 なんかTwitterでサイン本の話題が盛り上がっているようで、「Twitterにいらっしゃる作家さんたちもすなるサイン本話を我もしてみんとてするなり」とばかりにここに書きつけようかと思ったものの……。

 いや、書くことねえー!

 こういっちゃあれですが、サイン本というのは世間的に有名な人気作家さん方による「神々の遊び」なので、わたしのような零細作家

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「近頃の若いもんは」と言われるのは案外楽しい

「近頃の若いもんは」と言われるのは案外楽しい

 「刀と算盤」(光文社)発売中です!

 はい、今回、かなり生意気なことを書きますよー。

 わたしはどうしたわけか昔から「近頃の若いもんは」と怒られがちな人間でありました。なんでだろうなー、一応年上の方には敬意を払っているはずなんだけどなあ、と書いたところで、己の文章の上に「一応」という言葉を見つけてしまい、「お前、そういうとこやぞ」とセルフツッコミを入れさせていただきました。

 でも、「近頃

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集中力を保てない小春日和

集中力を保てない小春日和

 「刀と算盤」(光文社)好評発売中です!

 あと、今月発売号の「小説宝石」(光文社刊)にて、「刀と算盤」についてちょろっとエッセイを書いております。こちらも併せてよろしくお願いいたします。

 

 ここのところ、秋の花粉症が辛いです。
 目がかゆい、鼻が詰まる。こうした一次的な反応はある意味どうでもいいんです。なにより、

夜眠れない → 朝早く目覚めてしまう → 眠い中作業

 このコンボが

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noteの毎日更新から二か月近く……

noteの毎日更新から二か月近く……

 新刊「刀と算盤」(光文社)発売中です!

 noteのアカウントを取得してから毎日シコシコ書き続け、気付けば結構な時間が経っています。どうやら50日前後続いている様子。三日坊主と揶揄され続けたわたしにしては上々な成果です。

 というか、わたし、公開日記というものが嫌いなんですよね。
 こう言っちゃあれですが、毎日毎日がスペシャルディなはずはなく、一日家でのんびりしている日だってありますし、何ら

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歴史小説家の前には二つのドアがある

歴史小説家の前には二つのドアがある

 まず、嬉しかったので一つご報告。
 『日本一の商人 茜屋清兵衛奮闘記』が好評発売中の時代小説家の誉田龍一先生より拙著「刀と算盤」(光文社)のご感想を頂戴いたしました。

 無許可で使わせてもらっちゃいましたが、もし問題があったら誉田先生、わたしまでご連絡ください。

 以上ご報告。

 さて、歴史小説家は、大きく分けて二つの成分で出来ております。
 「歴史家」と「小説家」。この二つです。
 他の

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ああ、よかったなあなたがいて

ああ、よかったなあなたがいて

 本日は某所で打ち合わせだったのですが、外に出たついでに某書店さんにお忍びでお邪魔していたんです。

 なんのため?
 きまっているでしょう。「刀と算盤」(光文社)の雄姿をこの目に収めるためですよ!
 なかったらどうしよう……不安に思いながら歴史小説棚に向かったところ……。上記タイトルにつながるわけです。

 もうほんとにありがとうございます!
 面陳二列。めちゃくちゃいい扱いです。本当にありがた

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発売日近辺のドキドキ

発売日近辺のドキドキ

 光文社さんの公式サイトが更新されました。

 谷津矢車最新刊「刀と算盤」(光文社)、なにとぞよろしくお願いいたします!

 さて、発売日近辺はいつも落ち着きません。
 いうなれば、テスト期間の初日みたいな気分です。

 精一杯やったはずなんだけど、実際どうかなあ。

 そんな心中の独り言が耳の奥で響き、なんとなく心落ち着かぬ日々が続きます。
 テストよりたちが悪いのは、手ごたえすらもよく分からな

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業界の外の人と話すこと

 ここのところ、出版社関連の人としか話していない日々を送っております。
 当たり前といえば当たり前のことです。作家は一日中書斎にこもってパソコンを叩くのが仕事ですし、外に出るのは基本出版関係者さんと会うため。どうしても業界トークばかりがうまくなってしまう……。

 作家の場合、自らの外にあるものにも目を向けなければなりません。そのためにこそ、外の人と対話するチャンスは逃してはいけないなあと心から思

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相対化作家の「一手」

 作家は自らをどこまでも絶対化するか、あるいはどこまでも相対化してゆくかの分かれ道がある、というのがわたしの持論です。どーしたわけか作家という存在によく出会う人生になってしまったがゆえの観察結果です。

 ちなみにわたしは典型的な相対化作家です。
 なんですか、皆さん、その顔は。
 いえね、わたしはまだまだ未完の器でございまして、甘い部分はたくさんありますよ。でも、ひたひたと物事が相対化されてゆく

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なぜ谷津は和服姿なのか

 割と知られてきた話なので書いちゃいますが、わたしは作家として活動している時には和服を着ています。それどころか、表に出ると決めた際にはほぼ和服暮らしをしています。

 なんで? って? 決まってるじゃないですか。目立ちたいんですよ!

 他の作家さんとの差別化を図りたいんです。さらに、「歴史小説家」という肩書にあった格好を考えた際、バニーガール姿では決してあるまいと考え、和服で統一するようになりま

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又井健太(敬称略)かく語りき

 昨日は角川春樹事務所さんの主催する角川春樹小説賞のパーティでした。ご一緒した皆様、誠にありがとうございました。

 角川春樹小説賞のパーティは毎年アットホームな雰囲気で、知り合いの作家さんとも意見交換がしやすく、その会でしかお目にかかれない方も多いのでいつも楽しみにしているのです。

 実を言うと、この賞ではいつも作家の又井健太(敬称略)にお目にかかれるのが密かな楽しみの一つであったりします。

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値踏みに負けない心身づくり

 わたしは編集者さんと七転八倒の殴り合い(比喩)を繰り返して一つの小説を作り出すタイプの作家でして、毎回毎回汗まみれの泥まみれになりながらお話を紡ぎ出しています。
 中には編集者さんのご意見をシャットアウトしておつくりになる作家さんもいらっしゃるようですが、わたしはその立場を取りません。かといって、世界全体の潮流を読んですべてを小説に織り込むほどの広い視野を持ってもいませんので(そもそもそんな視野

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