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作家の日々

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2020年3月の記事一覧

入稿しました

入稿しました

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 (実を言うと数日前には先方さんから告知されていたのですが)ずっと取り掛かっていた原稿がようやく入稿しました。

 たぶん、これを読む方の中には出版用語をご存じない方もいらっしゃると思うので補足。
 小説の場合、基本的には

 原稿 → 決定稿 → ゲラ → 本

 という段階を踏んでゆき、最終的に本として完成することになります。
 ここで説明しておきたいのは、「ゲラ」ですね。
 皆さ

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厳しい現実だからこそ

厳しい現実だからこそ

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 今、かなりショッキングなニュースが次から次へと流れています。

 あえてわたしがそれらについてどうこう述べるつもりはありませんし、そもそも社会に対して資するような考えや知見を披露できる能力もありませんし、立場でもありません。こうした時に自らの責任の範囲でしかものを言うべきではないというのは、言葉で以て人の心を揺り動かす小説家という稼業についているわたしの慎みであります(つまるところ、

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家での遊びを究めたい

家での遊びを究めたい

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 日がな一日家に閉じこもって仕事をしており、案外それが性に合っている人間ではあるのですが、いざ周りから「不要不急の外出は控えてください」と言われるとうずうずしちゃう系作家です。どうもこんにちは。
 いや、実際にわたし、そんな感じです。
 買い物を除けばここの所の外出の多くは朝に切り替えた散歩くらいです。朝早くなら人と接触することもないので例のウイルスに感染することもあるまいという計算に

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「家を出なくていい」ことと「家を出るべきではない」ことの距離感

「家を出なくていい」ことと「家を出るべきではない」ことの距離感

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 わたしは家に引きこもっている系ダメ人間なので、基本的には半径数キロの世界で日々の生活が完結しています。遠出をするのは月に数回、ほぼ毎日家で一日PC画面に向かい合って作業をしている感じの日々を送っています。外出は日々の散歩と買い物くらい、打ち合わせなどは時期にもよりますが月に1~5回くらい、割とのんびりとした日々を過ごしています。

 とこんな話をすると、

「飽きないの!?」

 と

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歴史小説という名のドア

歴史小説という名のドア

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 同業の作家さんによく、

「谷津さん、現代もの書かないの?」

 と聞かれることがあります。
 その方に話をその心を伺ってみると、Twitterで上げているわたしの読書傾向を鑑みるに、別に時代・歴史小説ばかり読んでいるわけではなさそうだし、それどころか色んなジャンルの本を読んでいるから現代ものも書けるんじゃないかとのことでした。

 いや、はっきり申し上げましょう。
 書けません。

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明日の自分を楽しみにする感覚

明日の自分を楽しみにする感覚

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 小説を書いたり直したりという作業は、素潜りに似ている気がします。
 自分の想定している作品世界は、自らの言葉がなくば暗闇に近い。そんな中、言葉を頼りにどんどん奥に奥に沈んでいき、そこにある何かに光を当ててそれでおしまい、みたいなルールの素潜りです。
 下まで潜るためには、どうしても高い集中力や体力、そして何より、出来るだけ多く息を吸い込んでおくことが必須です。
 要は我慢比べみたいな

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ようやく日常に戻りますが……

ようやく日常に戻りますが……

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 ようやく完全に日常復帰です。

 今だからネタバレしますが、親が体調を崩し、実家の手伝いに行っていたのです。一時は新型コロナかとビビったのですが、診断の結果ウイルス性の腸炎であることが判明し、体調が落ち着くまで実家にいた次第でした。そんなこんなでいろいろのことを終え、ようやく今日あたりから日常に戻ってきたなあという感じなのです。

 まあ、とはいえ、ウイルス性の腸炎ということで、もし

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『100日後に死ぬワニ』は歴史小説だ!(牽強付会)

『100日後に死ぬワニ』は歴史小説だ!(牽強付会)

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 某ミステリ作家さんに触発されてからというもの、目についた創作物を歴史創作物認定したり歴史創作物的な楽しみ方ができるんじゃないの的な見方で紹介しているおじさんこと谷津矢車です。

 それはそうと皆さん、『100日後に死ぬワニ』ってご存じです?

 明日ついに最終回を迎えるTwitter漫画で、第一話から「登場人物のワニが100日後に死ぬ」ことが明言され、毎日更新されていました。今やテレ

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ぼちぼち日常に帰ることができそうです

ぼちぼち日常に帰ることができそうです

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 ここ数日、どーも落ち着かない日々を送っておりました。

 この一週間、色んな事がありまして、東京中を駆けずり回っていた感じがします。あまり波の多い日々を送ると心身に悪影響が出て、正直しんどい日々を過ごしていた今日この頃でしたが、ようやくそんなイレギュラーな生活にも終わりが見えてきました。

 恐らく、今週の金曜日辺りには正常化してくれるかな……という目算でおります。

 けれどまあ、

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note毎日更新のありがたさ

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 小説家という仕事は、「企む(=ストーリーやマーケティング的なことに種をまく)」ことと同時に「腕」を磨かねばなりません。文章を書くという作業そのものはかなり職人の技みたいなところがあり、毎日少しでも文章を書くことで腕がなまらないようにしておく必要があるわけです。え、わたし? 平時にはほぼ毎日何らかの形で小説に関わる仕事をしているので、なにがしかの文章を作っています。

 ところが、非常

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3/21開催予定だった #ツイ読小会02 延期します

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 すみません、お知らせです。

 諸般の事情で、3/21にTwitter上で開催予定だった #ツイ読小会  延期とさせていただきます。

 とだけお伝えしてしまうとご心配の向きもあろうと思いますのでちょっとだけ事情をお話ししようと思います。

 ぶっちゃけたことを言うと、世話人であるわたしの環境の問題です。
 わたし個人は健康ですし、特にトラブルを抱えているわけではありません。ただ、ちょ

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明日から日常に戻ります

明日から日常に戻ります

 いろいろあって本日まで非日常の中を生きていた谷津ですが、明日からまた日常に戻ろうと思います。

 わたしの想いはざっとこのようなものです。

 今日の更新、文字数が少ない点、お許しください。

言葉の魔

言葉の魔

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 職業柄、「言葉」に思いを致す時間が長いのですが、それにつけても、ここのところ、とみに言葉という道具の難しさに直面している気がします。

 思うに、言葉は「だいたいこの辺り」というところを打ち抜くには便利な武器ですが、「0.1mmのピンポイント」をぶち抜くためにはとんでもない習練が問われる、そんな武器であるように思っています。
 そして、そのことを理解しないと、どうやらとんでもないこと

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ものを作る人間の職業倫理

ものを作る人間の職業倫理

 まだわたしが駆け出しの作家だった頃、当時の担当者だった編集者さんといろんなことを話した後、3.11の話に雪崩れ込んだことがありました。確かあれは2014年のことだったと記憶しているので、3年前の話を訊いたことになります。

 その時編集者さんは淡々とこう答えてくれました。

「本を作っていました」

 震災当時、わたしはサラリーマンでした。地震などの有事の際にはかなり強い責任を負わされる職場(す

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