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今ちょっと歴史小説の歴史を追っているのだけれど

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 諸般の事情で今、本邦における歴史小説の歴史を勉強しています。
 いやー、まさかこんなにややこしいものだとは。
 ほんと百花繚乱のごたまぜ状態、さらに昭和に入ると様々な流れが一つに合流したり分派したりという様子が見て取れ、今は全体の流れがおぼろげに見えているに過ぎません。
 この辺りの勉強の成果は、どこかで発表するかも知れませんし、しないかも知れません。というわけで、どこかでわたしが歴史小説の歴史を話していたら、「あっ、このための勉強だったのか」と思っていただけたら幸いです。

 そして、これらの勉強を進める中で、一つほっとしたことがあります。

 あっ、『雲州下屋敷の幽霊』で書いたこと、間違ってなかったわと。

 『雲州下屋敷の幽霊』(文春文庫)は江戸期の逸話をモチーフにした歴史小説短編集です。逸話、というのがミソで、これらのお話は何処までが本当でどこからが嘘なのか、もはや確かめようのないお話ばかりです。そういった”歴史”を小説に仕立てるにあたり、どういうアプローチで挑む必要があるのか……というのが、本作の裏テーマになっております。
 もちろん、ある程度イメージがあったからこそ、明治期の「歴史創作」シーンをモチーフにしたお話でもって綴じ紐にして五つの短編を編んだわけですが、数年前のわたしの勘はあながち間違っていなかったようでほっとしている次第です。やっほう。

 もちろん、小説を書くに当たっては勉強はしているので(すみません、もっと頑張ります)大きく外すことはあまりないですが、それにつけてもほっとしてます。

 それはさておき、『雲州下屋敷の幽霊』、わたしの歴史小説観が前面に出ています。「お前如きの歴史小説観などしらん」と言われてしまいそうですが、ご興味ある向きは手に取っていただけると幸いです。戯作者・谷津矢車の本音を読むことが出来ますぜ。

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