奇説無惨絵条々書影

【天狼院書店初心者短編2020年2月コース受講者向け】①ワクワクを心に貯める

【PR】

【注意】
 こちらのエントリは、天狼院書店さんで開催中の「短編小説100枚を二ヶ月で書いてみる」講座参加者の方向けのエッセイです。参加していない皆様にもなにがしかに気づきがあるかもしれませんが、このエッセイは基本的に「初心者の方が小説を書き切る」という目的設定をした講座に向けたものでありますので、中級者、上級者の方がご覧の際にはそうした点をご注意の上ご覧ください。
【注意ここまで】

 昨日の講座に参加してくださった皆様、これから通信講座を聞いてくださる皆様、お疲れ様です。これから皆さんにおかれましては、二ヶ月で短編を一つ書き上げる(=第一稿を書き終える)ところまでやっていただくことになります。なにとぞ二ヶ月の間、よろしくお願いいたします。
 ご質問がございましたら、随時、講座の方で用意しております質問ボックスにてよろしくお願いいたします。

 さて、わたしは第一回目の講座で、ひたすら構想の広げ方、プロットの作り方についてお話ししました。たぶん、講座をお聞きになられた方の中には「なんでこの作家、準備の話ばっかりするのさ」と訝しく思われた方もいらっしゃるかもしれません。
 なぜ執筆ではなく、事前準備の大切さを説くのか――。いろんな理由があります。事前計画をしっかり立てて挑めば執筆時に迷うことが少ないというのもそうでしょう。事前にしっかり構想を練ることで、今の自分に足りない知識を事前に仕入れることも出来る良さもあります。そして、教える側からすると、執筆というセンスの問われる部分を教えるより、事前準備というテクニカルな部分の方が教えやすいというのも理由の一つだったりします……と、ここまでぶっちゃけなくてもよかったですね。

 でも実は、わたしが事前準備の大切さを説いているのには、すごく大事な理由があります。
 皆さん、構想をまとめている間、楽しくないですか。どんどん構想が広がっていって、登場人物や世界観のディティールがはっきりしてくると、ワクワクしてきませんか。
 一人の人や世界観を想像するのって、すごく楽しいんです。そして、その人たちが自分の意志を超えて動き出すような感覚がでてきたり、何も考えなくとも何を言い出すのかがわかってくるようになったらしめたもの。きっとその人物を主人公に小説を書きたくなっています。

 そう、構想やプロットを練ってゆくと、「ああ、この世界が好きだ!」となってゆくんです。
 そしてそれが、小説を書く際に原動力になっていきます。

 小説を書いていて挫折する方の多くは「なんかつまらない」となってしまうからです。なぜそうなるかというと、客観的に見て面白い小説になっていない、あるいは、自分にとってすら意義のない小説になってしまっているからです。
 実は、構想やプロットをしっかり練ることの意味というのは、これらの作業を通じて自分の考えた世界や登場人物に愛着を持つことにあります。愛着のある人物、世界で小説を書けば、少なくとも書いているあなたにとっては意味のある小説になりますし、書いていて楽しいはずです。

 実は、わたしも(誰が読んでくれるのか分からない商業の原稿さえも)そうやって書いています。

 他人の目は気にせず、まずは自分が楽しもう!

 皆さんにお伝えしたいのは、ただそれだけだったりします。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?