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コロナ禍、例の注射の帰りにラーメンを食べつつ思ったこと

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 (普段はめちゃくちゃ外出に気を遣っているので今日ばかりはお許しいただきたいんです、と前置きをしつつ)

 本日、例の注射(二回目)の帰り、三ヶ月ぶりくらいにラーメンを食べに行きました。
 わたしはいわゆる「家系ラーメン」が好きでして、「食べに行きたいな」と思い立ったとき、だいたい3-4店舗くらい候補があり、コロナ前はどれにしようかな方式でお店を選んでいました。しかし世の中がこんなことになってしまい、なかなか外出する機会もないまま今に至り、久々に、接種会場からもほど近いフェイバリットラーメン屋さんの暖簾をくぐったわけです。(居住地域がバレてしまう虞があるので店舗名は伏せさせてください)

 いや、おいしかったんですよ。
 スープがとにかく神がかっていました。
 もともと濃厚なスープが売りのお店なのですが、それにしても濃い。なのに、豚骨特有の臭みはしっかり消されていて、見事に旨味だけが舌に残る。麺を持ち上げて食べるうち、ほとんどスープが残らないくらいどろりとしているのです。
 しゅ、しゅごい。
 いや、本当にいいものを食べさせて貰いました。コロナ禍前の水準どころか、最高記録更新してるんじゃないのくらいにおいしかったんです。
 あんまりラーメンについてうんちくを話せる人間ではありませんが、ラーメンってあんまり回転が良すぎても悪すぎてもスープの味が変質してしまうという話を聞いたことがあります。きっとこのお店は、コロナ禍の客足に合わせ、研究に研究を重ねてこの味を提供してくれたに違いありません。

 こういう職人仕事に出会う度、感動を覚える谷津がいます。
 小説家という仕事は芸術家の類いと分類されがちですが、実際には職人の雰囲気が色濃い存在です(特にエンタメ系に属していれば)。今の市場を睨み、何が受けるのかを考え、そして仮説検証と今のお客さんとの兼ね合いを考えながら面白いものを書く、という職人性が問われる仕事なんですね。
 作家をやってて良かったなと思うことの一つは、世にあまたいる、社会を支える職人たちの恐るべき業前に感動できる目を持てたことです。
 そして、わたしもかくあらねばなー、と衿を正し、明日から小説頑張ろうと気張ったものの、おそらく明日は例の注射の影響で熱が出るんだろうなー、果たして明日までこの決意が保つかしら、そんなことをほわほわした頭で考えている今日この頃です。

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