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【予習】8/22頃発売「三人孫市の世界」①

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 もう早いもので文庫版『三人孫市』も発売一ヶ月前を切っていまして、もうそろそろ発売前のプロモーションをしたいなあということで、不定期で『三人孫市』の世界をご紹介出来たらなあと思っております。皆様、なにとぞお付き合いください。

『三人孫市』っていつの時代の話なの?

 はい、こちらには明確にお答えすることが可能です。ずばり、戦国時代の末期に当たります。
 何をもって戦国時代の末期とするかというと諸説あると思いますが、個人的にわたしは信長の台頭以降を戦国末期としてイメージしています。特に学術的な裏付けのない個人的な感想ですが、群雄割拠の戦国時代にあって、天下(この言葉にも日本全土という用例、畿内を指す用例もあるのですが、ここでは前者だと思ってください)を志向する勢力の萌芽が見られるというのは画期と捉えていいのではないでしょうか。織田信長はさておき、豊臣秀吉は明らかに日本全土を平らかにしようとしたわけですし。
 いずれにしましても、『三人孫市』が扱うのは、戦国の世の論理が否定され、新たな天下の形が定まろうという時代です。

『三人孫市』ってどこの話なの?

 今の和歌山県、当時の紀伊国に雑賀庄という地がありました。
 この辺りはもともと畠山氏が治めていたのですが、寺社勢力が強かったことから早い段階から国衆による合議体制が進んでおり、権威側からすれば「中央の言うことをまるで聞かない」人々が跋扈していました。そんな状況は室町時代の中期ごろから戦国時代の末期頃まで続きます。そういう(国衆にとっては)自由な空間である紀伊国が主な舞台です。ただし、のちのち、大坂や京なども登場しますのでお楽しみに。

『三人孫市』、有名人は出てくるの?

 世間ではあまり雑賀孫市は有名じゃないらしいのでだいぶ凹んでいるのですが、雑賀衆は織田信長、豊臣秀吉とも戦っているため、二名は出てきます(ただし、秀吉は名前だけ)。また、石山本願寺の顕如や、のちに家康に仕えることになる大名・藤堂高虎のアーリーデイズなどを目の当たりにすることができますよ。
 ちなみに、この中で一番登場頻度が多く、重要な役割をするのは織田信長だと思われます。前半における主人公たちの壁として大活躍(?)してくれますので。

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