廉太郎ノオト書影おびあり

ゲットナビウェブで「リーダー」選書しました

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 本当は先日紀伊國屋書店久留米店さんで開かれた16人合同サイン会のお話をするべきなのですが、すみません、まだまとまっておりませんので少々お待ちくださいね。

 本日は告知なんだぜ。

 例のごとく、今月も選書をしたんだぜ。

 毎回編集者さんからお題を出され、そのお題に合わせて選書するという感じでお送りしているこの企画なのですが、お読みいただいている皆様のおかげをもちまして、連載が丸一年となりました。ありがたい限りです。
 とはいえ、編集者さんと「ぼくがお題を投げて谷津さんが打ち返すっていうやり方、ややマンネリになってきた感もありますよねえ」という話にもなっており、ぼちぼち、リニューアルするかもしれません。

 さて、ここでは毎度恒例になっております、「紹介したかったけど結局できなかった本」のご紹介です。いや、正直、五冊に絞るという条件は意外にきついんです。ああっ、これも、あれも! となってしまい、泣く泣く紹介を見送ったり、わたしの紹介力のなさゆえに紹介を断念したり……。つまるところ、紹介を見送ったからといって劣っているわけじゃありませんからね!

 まずは、『世紀末リーダー伝たけし!』です。

 いや、本書、はちゃめちゃなギャグマンガでかつ『キン肉マン』をほうふつとさせるようなシリアスとコメディの同居が実に楽しい(そもそも、シリアスシーンで殴り合っているいかつい男たちが小学生であるという事実に、ふと笑いがこみ上げる)のですが、リーダーの孤独とか悲しみ、負の面にもかなりの紙幅を割いており、タイトルの通り「リーダー」というものに向き合った作品であるといえます。

 二つ目は、『育休刑事』です。

 捜査一課の男性刑事である主人公が、育休中でありながら事件の捜査に協力するという枠組みをもったミステリー作品で、息子の蓮くん、そして蓮くんの世話を通じた主人公の気づきが事件の解決の糸口になってゆくというミステリーとモチーフの調和が実に美しい一冊。
 当初本書を取り上げようと思ったのは、主人公の語りの遠景に登場する上司”一課長”の存在。なし崩しに捜査に駆り出されている主人公の状況に苦言を呈して主人公の直接の上司に釘を刺すなど、部下のことを想いやる理想のリーダーとして登場するのですが……。とはいえ、実はこの”一課長”について書こうとすればするほどネタバレになってきてしまい、わたしの筆力ではネタバレ回避しつつ魅力を紹介できない! というわけでご紹介を見送った次第です。

 いずれにしても、今回ご紹介した五冊(+二冊)、大変面白い本ばかりですので皆様ぜひぜひ。

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