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レベル2:スラスラと読める文を書く(5)

「書くことが仕事じゃない人のための、活動の魅力が伝わるライティング講座」のレベル2は、以下の5つのポイントを順番に解説しています。

  1.  文中の"間違い"に注意

  2.  語順に注意

  3.  読点を効果的に使う

  4. 漢字・ひらがな・カタカナを効果的に使う

  5.  文の長さと順番を工夫する

今回は「5.文の長さと順番を工夫する」についてお伝えします。


長いと読むのがツラい

レベル2(1)では、文法などの間違いを防ぐために、なるべく短くシンプルな文を書くことをおすすめしました。ここでは、”スラスラと読める”かどうか? という観点で、文の長さについて考えてみましょう。

レベル1(3)でも取り上げた例文ですが、何気なく読み始めた文章がこんな風に始まっていたら、どう感じますか?

私たちは、浅間・荒船・八ヶ岳・蓼科の雄大な山なみと、千曲の清流、満天の星に抱かれ、豊かな自然や先人の築いた歴史と伝統に育まれた、美しい高原の町であるA市のかけがえのない風景を守るため、これまで10年にわたって月に1度のゴミ拾いを行っています。

長々と続く文を読みながら、「一体なんの話?」と戸惑った方も多いのでは?

文の骨格は主語と述語です。それを把握しなければ、その文の趣旨を掴むことができません。

上の例だと、主語は「私たちは」で、述語は「ゴミ拾いを行っています」ですが、長い文の最後まで読まないと、それが分からないのです。

主語の後に「浅間・荒船・八ヶ岳・蓼科の雄大な山なみと〜」と続くので、「山の話かな?」とか「所在地の紹介?」とか予想しながら読み進んでいき、「美しい高原のまちであるA市の〜」のあたりで「A市の説明?」などと思わされつつ、最後まで読んでやっと「あぁ、自分たちの活動の紹介か」と分かるわけです。

伝えたいからこそ、長くなる

文が長くなりがちな人は、「わかってほしい!」という気持ちが強いのです。読者の理解や共感を得たくて、自分の言葉に説得力を持たせるために「あれもこれも伝えた方がいい」と思ってしまうんですね。

上の例文も、「”私たちはゴミ拾いを行っています”だけでは興味を持ってもらえない」という思いから、それがどんなに価値のあることかを伝えるための修飾語をたくさんつけた結果、複雑で長い文になった——とみえます。

でも、長くて分かりづらい文に、読者は疲れてしまいます。最悪の場合、「こんな文が続くなら、もういいや」と読むことをやめてしまうでしょう。これでは、理解や共感を得るどころかマイナスの印象を与えてしまいます。

ではどうですればよいのでしょう?

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