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伝わりにくい運動連鎖は姿勢の維持が出来ない(筋骨格系での首下がり症候群の場合)

首下がり症候群:首前面の斜角筋を操作すれば簡単に・・と言う問題ではない場合

昨日は首下がり症候群でお悩みのクライアント様ご来院、その事での気づきを忘備録兼ねて書きたいと思います。


実は経過観察になるのですが、もちろん専門医へ通院中で頸部に炎症と本来ならある頸椎前彎がC3ーC4(第3ー4頸椎)間前屈し、ご持参されたレントゲン画像でも椎間関節が開いていたのが分かりました。


本来の運動連鎖が出来ないと代償する何かが起こる

その部位への発痛(安静・動作)からの消炎の為ステロイド服用、現在(約9か月)は可動痛もかなり軽減したとの事ですが、当院では現在首を起こす姿勢維持に際し、頚多裂筋が活性せずに脊柱起立筋が代償している問題(EMGで安静時アクティブ・活動時弱筋作用確認)、これにつきお手伝いをさせて頂いてます。


そこで問題があるのですが、前述したC3-4当たり前屈しまた胸椎も2か所骨の位置異常が認められ(レントゲン)、本来なら多裂筋が収縮し仙骨ー頭部へと頭を起こし背筋を伸ばすしぐさ(脊柱伸展作用)が運動作用の波及、その運動連鎖が出来ないのでは?と言う仮説です、多裂筋は上下の椎体をひとつずつ分節的に動かす特徴からそう考えました


前述理由で背中を伸ばし頭を起こそうとすれば、脊柱起立筋(本来姿勢では使わない伸展筋:アウター)が代償するしかなく、過緊張が続き炎症した感じも否めません


スイッチが変わると元へ戻る

もうひとつ臨床で興味深い事があり、来院された直ぐは首が膨隆され硬く太くなっています(アクチンとミオシンが結び付き離れない:コンセットリック状態維持)、しかし他動運動(クライアント無負荷で頚伸展介助)を行うと約10回程度伸展+左右回旋を行った直後、代償が緩和するのか?頸部の弛緩と起き上がり時の首下がりが好転します。


しかしながら維持が困難で10分以内に元へ戻ります、今後もインナーであり姿勢を維持する抗重力伸展活動に不可欠な多裂筋、これを活性化する介助からの経過観察をお手伝いしたいと思いますが、実は「代償」と言う症状は私達でも沢山起こしています、いざ痛みになるとその事へ気付くことが多く、日常生活の姿勢の崩れ他変調は余り注視されない残念さがあります


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