【副業で同人活動】なぜ有名な大手サークルはここ数年で消えてしまったのか?【考察】

「同人大手サークルと言えばこの人!」という誰でもが知っている有名サークル、過去10年~20年前は多数存在していたと記憶しています。

けれども、昨今ではそのような「ジャンル問わず活躍をし腐女子ならば誰もが知っている大手サークル」はあまり見かけなくなりました。

私YAYAも同人誌を発刊する活動を始めたのはここ数年ですが、同人誌自体は学生時代からずっと大好きでした。

18歳以上になったら成人向表記の本も買える!あと数年!…とずっと待っていたのに、いざ自分が18歳を超えた頃にはお目当てのサークルさんは消えていた…そんなせつない経験もあります。

文章/絵は昔よりも上手な人は正直増えたと感じています。

けれど昔ほど長く活動する「目立つ大手作家」が減ってしまったのではないでしょうか。

なぜ、女性向け同人の大手サークルはいなくなってしまったのか?

今回はこの謎について考察し、そこから「副業で同人活動」へのヒントを得ていきます。

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・誰にでもある生活環境の変化?


年齢を重ねていくと、どうしても生活環境は変化していきます。

同人活動をしている人の中でも、結婚や出産をする人も少なくないでしょうし、介護をしなくてはいけない状況になる人も多くいるでしょう。

また、会社での昇進をきっかけに趣味/副業に割ける時間が減る人もいます。

私YAYAも30代アラサーなので、やはり周りの腐女子友人を見ていて、上記の理由で同人活動から足が遠のいていった人を何人も見たことがあります。

けれども、その中でも特徴的だと思ったのが「時間がないから同人ができない」のではなく「他のものに興味の対象が移行した」と感じる場合。これがほとんどです。
「時間がない」だけですと、それを上回る「萌え心」さえあれば活動を継続するからです。

例えば、他の媒体での萌え(アイドルや俳優や宝塚のおっかけ等)ができたことだったり、子供ができたことにより子供が推しになったという人もいたり、会社で責任ある立場になったとたんスイッチが入って経営のことばかりを考えるのが楽しくなったという人…こういう人たちは自然と同人から足が遠ざかっていくな、と感じたことがあります。

また、もともとノベルティを作ることが好きだった知り合いが、雑貨屋店員を経てその後パン作りに目覚め職人に転職をしたというパターンも見たことがあります。(この例は一部フェイクを入れています)

同人活動を止めてしまいそうな前段階の人はだいたい「時間がなくて」と口にしますが、それは時間のあるなしという問題ではなく、興味の向かう先が変わることなのかもしれないと考えています。

これはある意味しょうがないことです。


・活動場所/名前を変えただけ?


ある程度の壁大手サークルになるとそこから商業誌の方に移っていくサークルもよく目にします。

商業誌で書く/描くとなればそれはもう「仕事」の範疇になるのでそちらを優先せざる得ないでしょう。

また、ジャンル内での人間関係がこじれてしまい(こじれてはおらずとも環境を変えたいという考えから)名前やアカウントを変えて新しいスタートをきるサークルも多いです。

この新名義での活動がここ数年とにかく数が多く、目立つようになったとも感じます。

私YAYAも小説書き/絵描きとふたつの顔があるので、やはりそれぞれ名義を別に持っています。

活動を始めたころは同じ名前にしていたのですが、別の名義にしてからの方が人間関係の切り分けもでき、より快適だとも感じています。

ただ実際は、ある程度有名な大手サークルになれば例え名前を変えていても「この小説/漫画、あの人じゃない?」と周りに気付かれることも多いでしょう。

見つけたい相手がそこそこ大きなサークルだったのに、同人誌の世界でも商業雑誌の世界でも見つからない…という場合はやはり「生活環境の変化や興味の向く先が変わって同人活動を止めている」ことが多いのではないでしょうか。


・そもそも昔のことだから色濃く覚えているだけ?


若い頃に感銘をうけた作品は、それが漫画であっても映画であっても音楽であっても強烈に覚えているものです。

歳を重ねていくと悲しいかなそのような大きな感動はどうしても得にくくなってくるもの。

もしかしたら、「ずっと壁にいて人気の超大手サークル」と若い頃思っていても、今思えばそこまででもない…ということがあるかもしれません。

また、1年の長さが歳を取ると短く感じるようにもなるらしいですね。書いていて少し悲しくなる現実ですが笑

逆を言えば、今オタクになりたての学生が特定の壁サークルの大ファンになったとして「あの人は3年前からずっと素晴らしい作品を出し続けてくれている!ずっと壁だし、フォロワーも多くて有名サークルのはず!」と感じたとしましょう。
そうなればそも学生の中では「長く活動してくれてる有名大手サークル」になるわけです。

数年以上同人活動を続け、もうとっくに大人になってしまった人間からすると「そこまでの大手のサークルではなくないか…?」と思っていても、若い学生からすれば違うのかもしれません。

そしてそれは、かつて学生だった自分たちにも言えることです。

もちろん、伝説級の有名大手サークルなどはいい年齢の大人が見ても若い学生が見ても「大手サークルだな」と認識は同じはずです。

しかし、「ほんの数年活躍していただけの大手サークル」に対しての見え方は、学生から見た場合と、もう何年も同人活動を続けている大人から見た場合、違ってくるのではないでしょうか。


・昔とは違う二次創作を取り巻く年齢層


昨今、若い人(20代前半以下の年齢)の中では、二次創作はpixivでのみ閲覧し、お金のかかることは公式にのみ払っていくというスタイルが広まっているようにも感じます。

もちろん中にはかつての私YAYAのように「早く大人になって成人向け同人誌を買いまくりたい!」とアクティブな人も存在はするでしょう。

しかし、時代は「若い人がお金のない時代」に突入しています。

平成の時代であれば1着が1万2万するような服が売れていたのに、今はプチプラの服が学生たちの間で主流。化粧品に関しても同じですね。
奨学金で大学に行く人の割合もかなり増えているようです。

そりゃ…財布の紐もきつくなります…世知辛いですね。

同人誌即売会に行っても、もちろん若く元気な世代も存在はしますが昔よりも中高年の人も割合として多くなってきたのが現実です。

「物を買う元気」は若い人の方があります。
勢いもありますし将来への不安がまだ薄いぶん欲しい物や好きな物を買うのです。
けれども、絶対的にお金が少ない(人が多い)。

逆に中高年の人は「これとこれを買う、これは買わない」等と出費に関してもある程度理性が働く人が多いです。
けれども、使える額が今現在の若い人たちよりも多い。

これは絵を描く人たちの間でしばしば話題になることですが「絵柄が古いままだと恥ずかしい、流行りの絵柄になりたい」と言う人が居ますが、個人的にはこれは無用の悩みではないかと感じています。

理由は、上記でも書いたとおり同人誌を買う層が若い世代よちも中高年の方が多くなっているのでは、という考えからです。

もちろん作風や絵柄の研究/精進していくこと、は大切なことです。向上心にも繋がります。

けれども、「どの層に向けて同人誌を出していくのか」を考えた際、むしろ中高年層が好むような絵柄のほうが副業という観点からは良いのではないでしょうか。

絵柄や若者にうけるものばかりを気にしていても、肝心の収益に繋がらなければ本末転倒。

副業としての効果は薄いからです。

そして、今回の題にも繋がりますが、かつての大手が不在になったならばなおのこと、現在のアラサー以上の読む側世代には自分たちの好みど真ん中の作風/絵柄に飢えているのです。
なにせ、上手な人達はいつも一定数、同人の世界からいつの間にか消えていっているからです。

この部分を補う需要は、現在非常に高いと考えられます。


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このnoteは「同人活動をして収益を得、副業しよう」が趣旨となっていますが、今回はややネガティブな内容になってしまいました。

けれども、世間の風潮には抗えない真実でもあると思います。

そして、「昔とは違う二次創作を取り巻く年齢層」でも書いたとおり、ピンポイントでの需要は大いにあると感じています。

目に見えて業界自体は右肩上がりではないけれど、趣味として/副業として活動するには「同人活動」は好条件の場所。

好きなキャラを妄想し書き/描き、家で作業ができ、時には気の合う同士とも知り合えて、数万~数十万の利益が得られる。

他の副業ではなかなかないことだと思います。

今後も業界全体の動向を見守りつつ、楽しんで同人活動をし、そしてもちろん収益も得ていきましょう。

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