何を隠そう、このお方は我が教え子である。かつての職業で、中学３年生の時に担任をした。正に才色兼備。オール５の成績で、ハードルの県大会にも出場した。

当時はキンキンのソプラノ声で、合唱コンクールでは知る人ぞ知る『クルスの島』いう８分越えの大曲を無理矢理歌わせた。最初はみんな「何で」と思っていたが、練習を重ねるうちにどんどハマっていった。音楽科の教諭（あの忌まわしい震災の犠牲になってしまった）の協力もあり、練習用音源をも凌ぐ仕上がりになってきた。最後には、この音源のＣＤをみんなの前で粉々に砕いた。「こんなの、なんの参考にもならん」

話すと長くなるのだが、結果としてはぶっちぎりの最優秀賞。色々演出もしたのだが、その事には触れないでおこう。

思い出は多い。修学旅行、文化祭、校内駅伝大会、Google Photo に全て残してある。

当時は、習っていたクラシック・バレエのダンサーを志していて、ヨーロッパへの留学を考えていた。県内一の女子校に推薦したのだが、なんと、この非の打ち所がない子を落としやがった。今でも信じられない。その時も、全く落ち込む事なく、あはは、と笑っていたのである。強い子だ、と思った。

結局、一般入試でその学校に入学したのだが、問題はその後だ。２回ほど、会う事があって、悩んでいるようだった。その内に、あの宝塚音楽学校への転入の話を聞く事になる。驚いた。

あれよあれよという間に時は過ぎ、何と首席で卒業、花組に入隊する。それは地元紙でも報道された。デビュー公演に招待してもらい、宝塚大劇場へ赴いた。ご両親に、本人が目の前に来る席を用意して頂いた。花を送った。

その後、宝塚の音源を入手したりするのだが、観に行ったのはそれっきりになってしまった。

時は過ぎ、昨年の年末、地元のローカル番組に出演したのを見る事になる。なーんだ、まだやってんじゃん、ファンクラブまである。紆余曲折を経て、本公演を知り、これは行くしかねーだろ、とチケットを取った。あの『のだめカンタービレ』のミュージカルにも出演していた。気付いたときには全てソールドアウト。しょうがないので配信で観た。この公演も、ギリギリ取れたという人気ぶりである。

さあて、本公演だが。入場時、スタッフに事情を話すと、何と終演後に時間を取ってくれるというじゃないですか。言ってみるもんだな。

公演は、２人の息の合ったパフォーマンスを充分堪能した。宝塚仕込みの歌唱力は圧巻であった。いい感じに声変わりしている。会場の食事も美味であり、夢心地である。

終演後、趣味だというフィギュアを見る。炭火焼き牛タン弁当がある。手先も器用なのだ。地元のお茶屋の宣伝キャラクターでもある。地元愛ということであえば、あの久保史緒里にも負けとらん。

しばし自席で待っていると、スタッフと共に来てくれた。必要なことだけ話す。記念の写真を撮って頂く。もういい加減時が過ぎている。師弟関係というよりは、いちアーティストとその特殊なファン、という関係性がしっくりくる。久保史緒里のことを言うと、「ジャンルが違いますね」と一蹴された。当たり前だ。

丁寧に見送って頂き、ホテルへ。吾妻光良トリオプラスワンと有山じゅんじというとんでもないライヴ配信の後半を食い入るように観る。

後は、テレビを見ながら、NHKFM の青春アドベンチャーを聴く。で、この日の JAZZ TONIGHT だが、カーラ・ブレイ追悼特集の再々放送。同じものを３回聴くほど酔狂ではない。今日はいいや、とテレビに集中する。GACKT が面白かった。

深夜のスポーツ番組に乃木坂の川崎桜が出るっつうので見る。まーったく、乃木坂は今がピークだな。あいつらの憎めなさったらない。前の職業を思い出して、ちゃんくぼ、与田、梅ちゃん、さくたん、でんちゃん、オールマイティ向井、プロスピガチ勢黒見とか呼んで、勝手に盛り上がっている。あいつらのいいところは、清純性をとことんまで突き詰めているところ。化粧っ気などは必要最低限。しかーし、この NOTE に散々書いているけど、その内破綻することが分かっているので、形に残るものには金を落とさず、のぎ動画の課金だけに留めている。POWER ROCK TODAY を聴きながら就寝。

翌朝、というより、その日の早朝、NHK俳句に中西アルノが出る訳だが、不思議な事にちゃんと起きられんのな。それ程ハマっちゃってる。

朝のニュースショーを見て、定番の朝マック。フラペチーノが美味かった。

１１時オープンの UNIVERSAL MUSIC  STUDIO HARAJUKU を狙い、ホテルでテレビを見ながら時間をやり過ごす。

竹下通りなんて何年ぶりだろ。それこそ、彩世さんと修学旅行で行って以来とは言わぬが、散々前の職業の時に行った所だよ。

目当ての、ここでしか手に入らないストーンズのレコードを入手する。帰りの湘南新宿ラインの車中で、乃木坂野球部の動画を見る。ほっこりとした気分になる。あいつらほんとにガチ勢や。野球好きとして、意気に感じるのよ。何と充実した旅だったことか。予は満足じゃ。

この歳になって、まだまだ思い出って作れるのだなあ。スマホの麻雀も大勝ちするし。

いやー、よかったよかった。とりあえず、以上。

２０２３年１１月２０記。