恒等式とは何か?
恒等式とは、何か?
恒等式の一般的な説明は以下となります。
・「左辺と右辺が同じになる等式」
・「恒真な等式。そこに現れるあらゆる変数がどのような値にあっても、常 に等号で結ばれた左右二つの数式の "値" が等しいもの」
・「変数がどの数値を取っても成り立つ等式。例えば中学で習った乗法公式
(x+□)(x+△)=x²+(□+△)x+□△」
…方程式とどう違うの?となります。
現実の世界、特に経済の世界では知らずに私達は恒等式を用いているのです。
私達の人生において、最初に恒等式を用いるのは、子供の頃の「お小遣い」なのです。
一例です。
太郎君は、1日100円のお小遣いを親からもらっています。
太郎君は、決まってその100円を持って近くの店に行き、
40円の菓子パン
40円のジュース
20円のチョコレート
を買います。
誰でも経験している事ですよね。
これが恒等式なのです。
これを式にすると
100円≡40円 +40円 +20円
お小遣い≡菓子パン+ジュース+チョコレート
となります。
この式は、常に左辺と右辺は等しくなります。
つまり、
お小遣い≡店で買った総額
或いは
お小遣い≡店で買った総額+お釣り
という恒等式となります。
毎日、太郎君が同じ店で行ったとしたら、店は恒等式の法則を知る知らず関係無く、恒等式の法則により、店側は太郎君の1日のお小遣いが100円であることを知ることとなります。
一定期間である1日において、
お小遣い≡購入した商品の金額の和
お小遣い≡購入した商品の金額の和+お釣り
であることから、太郎君の1日のお小遣いが計算で分かるのです。
次に恒等式と方程式の違いは何でしょうか。
日常よくある風景を例で説明します。
いつものように太郎君は100円を持って店に行きました。
新発売のおいしそうな菓子パンを見つけた太郎君。
太郎君はその新発売の菓子パンといつものように、
40円のジュース1本
と
20円のチョコレート1個
を持って100円で買おうとしました。
しかし、新発売の菓子パンは40円でなく60円だったので買えませんでした。
このように財布の中のお金が足りなくて、レジで慌てることって、皆さんも経験していると思います。
この光景が、方程式と恒等式の違いを表しています。
始めに太郎君が買おうとした商品の総額は計算します。
お会計=購入しようとした商品価格の和
=60円+40円+20円
=120円
この計算は方程式によるものです。
・方程式は、まだ分かっていない数(未知数)を含む等式
これが方程式の説明です。
お会計は、まだ分かっていない数(未知数)となります。
従って、右辺の購入しようとする商品の価格が高くなれば、左辺のお会計も高くなり、右辺の購入しようとする商品の価格が低くなれば、左辺のお会計も低くなります。
当たり前の話ですが、お会計と購入しようとした商品価格とその和に因果関係あるのです。
次に『お小遣い≡購入した商品の金額の和』という恒等式の観点から考えてみましょう。
お小遣い≡購入した商品の金額の和
100円≡60円+40円+20円
100円≡120円
で、式が成立しないことが分かります。
成立しないからという理由で、太郎君のポケットの中に入っているお小遣いが100円から120円に魔法のように増えることがありません。
お小遣いは、お会計と違い、左辺の答えと等しくなるように右辺が増えることは絶対にありません。
お小遣いは、お会計と違い、まだ分かっていない数(未知数)ではありません。
お小遣いは、お会計と違い、購入した商品の金額の和に因果関係は全くありません。
ここで今、説明した式を並べてみましょう。
商品名は価格を表すとして下さい。
方程式:お会計 =菓子パン+ジュース+チョコレート
恒等式:お小遣い≡菓子パン+ジュース+チョコレート
右辺だけ見れば全く同じ式です。
二つの式は、成立しているならば共に左辺を右辺は等しいです。
しかし、次のような違いがあるのです。
方程式:
・購入しようとする商品の総額が変われば、お会計の額も変わる。
・右辺の答えが変われば、左辺の答えも等しく変わる。
恒等式:
・購入しようとする商品の総額が変わっても、お小遣いの金額は変
わることは無い。
・右辺の答えを変えることで、左辺の答えを変わることはない。
さて、ここで恒等式の説明を復習してみましょう。
・「左辺と右辺が同じになる等式」
・「恒真な等式。そこに現れるあらゆる変数がどのような値にあっても、常 に等号で結ばれた左右二つの数式の "値" が等しいもの」
・「変数がどの数値を取っても成り立つ等式。例えば中学で習った乗法公式
(x+□)(x+△)=x²+(□+△)x+□△」
恒等式をご理解して頂いたでしょうか。
恒等式と方程式の違いもご理解して頂いたでしょうか。
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