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コンサルから投資ファンドに移ってみてわかったこと

コンサルから外資系投資ファンド転職して4ヶ月経った

私がいるオフィスの社員は6人であり、社員数が100名以上いたコンサルの時から全く裁量が変わった
また日本法人はまだできて数年しか経っておらず、日本の市場状況に合わせて本社のビジネスモデルとは違ったビジネスを私が考え、作り、実施していかなければならない

コンサルからのポストキャリアの一つの参考として私がやっている仕事について記載したいと思う

メインでやっていることは日本を代表するような大企業のイノベーションのサポート
そのために、イノベーションプログラム運営、特別な協業サポート、パートナー企業の文化情勢、日本社会に対する意識変革を私が担当している

自分が仕事をしている目的は、日本の再興、日本国への奉公だと思っている

私は私の会社に出資していただいている企業のリテンションを実施するため、企業窓口として新規事業の創出やイノベーションのコンサルティングをメインで行っている

出資していただいている会社は、パートナー企業と呼んでおり、その企業の規模としては基本的には売り上げ1兆円以上の日本を代表する企業ばかりである

彼らの目的は「両効きの経営」の実現だ。2019年に日本でも出版されてビジネス界ではかなり評判になった経営理論である両効きの経営であるが、要するに既存事業で利益上げながらイノベーションを積極的に狙わないともう無理な時代ですよという話だ

そこでパートナー企業たちは世界中の大企業やスタートアップとつながり世界最大のイノベーションプラットフォームとして機能している、僕が勤めている会社にお金を支払い、僕らにそのイノベーションサイドのお手伝いをお願いしているわけだ

僕は大企業の窓口として、そのイノベーションのコンサルティングやスタートアップのご紹介、イノベーションプログラムの実施などをしている

如何せん社員数が少ないため、コンサル時代の時のように一つのプロジェクトにつきっきりではなく、同時並行で複数の案件を見る必要がある

パートナー企業のニーズをヒアリングして、その内容を理解し、その実現ができるスタートアップや他大企業同士のシナジーを考えご紹介し、担当が作ったプログラムの中でイノベーションの実現が生まれるようにコンサルティングを実施する

またそれだけでは両利きの経営は達成できないので、突発的なニーズに応じたソリューションとなるスタートアップの選定を行い、オープンイノベーションを実現するための協業のサポートを行う

パートナー企業はどこも社員数を1万人以上抱える超大企業であり、東大京大を出た優秀な研究者を多く抱えている
そのためすでに会社の中には素晴らしい技術がたくさん眠っている
しかしながら、その技術を世の中に生み出すためにはニーズがないといけないのと、要素技術を組み合わせる何かが必要だ

昨今デザイン思考がビジネスにおいても注目されているが、日本企業が元々は得意としていたと思われることのように思われるが、どうにも技術ドリブンになってしまっていて、市場に受け入れられないものばかりだ

かつて日本製品がイノベーションを起こしまくっていた時代とは異なり、最近のイノベーションはアメリカか中国から生まれることが多い

それでなぜ日本が遅れているのかというのを調べて分かったのがデザイン思考の存在だ
技術ドリブンではなく、デザインドリブンで考える。つまりユーザー起点でのビジネスをやりましょうということがデザイン思考を使ったビジネスである

こういった点で、日本企業は今までできていなかったので急いで変えようとしているが、技術者たちは変わらないのでよりオープンイノベーションの重要性があるのではと思う

つまりデザイン思考によるビジネスをやろうと思っても社内の技術者の文化はそうなっていないので、最終製品を作る際には外部のものを組み合わせることによってユーザードリブンの製品にすることが求められるということである

そこで私と担当がパートナー企業の技術者たちにヒアリングし、ニーズに合致した連携候補先をソーシングしパートナー企業におつなぎして、今後の連携をサポートさせていただく

実はこれだけでもまだ足りていない オープンイノベーションは実現できない

私の窓口となる担当者は大抵パートナー企業のコーポレートベンチャーキャピタルか新規事業室のようなところだが、彼ら自体はイノベーティブな発想を持っていることが多い

しかしながら企業は組織であり、組織は一人では動かすことができないので、これまでの日本企業的な文化から変える必要がある

そこで私がパートナー企業の中に入り込んでいって、研修やワークショップを実施して文化情勢に入っていくこともしている

どうしたらイノベーションが起きる文化にになるのかパートナー企業様の現状をヒアリングし、目指す目標を聞いてそれにあった形の手法を考えて、実施していく

また予算を動かさないといけないパートナー企業様の決裁権を持つような役員レベルの人たちにも働きかけないといけない

担当者だけでやって欲しいというのが現実だが、こういった両効きの経営の重要性がわかっているとは言えども、ROIが分かりにくい我々の取り組みにしっかりと理解を示し、文化を変えようと決意させるには私が直接乗り込んで行って役員さんに対して、イノベーションの重要性を訴えかけることも多い

正直足の長い活動にはなるが地道にパートナー企業の全体やトップに対して働きかけることによって少しずつ日本のトップ企業がイノベーティブな組織へと変わっていくと信じている

さてこれだけやっているのだから、これでパートナー企業のイノベーション活動はうまくいくかと思えそうだが、まだ足りていない

最後に社会全体の雰囲気つくりもしないといけない

一人の社員が大企業を変えることができないように、一企業が日本社会全体を変えることもできない
現代経済のサプライチェーンが複雑に絡み合い、また業界の垣根が溶け始めている

パートナー企業1社をイノベーティブにできたとしても、市場がそれを受け入れるようになっていかなければいけない

そのためにはパートナー企業やスタートアップのみならず、日本政府や自治体、大学といったところも巻き込みながら意識を合わせていく

またパートナー企業ではないとしても、重要なキーファクターとなる企業には積極的にお願いして行ってフォーラムに参加してもらい、日本社会全体の意識変革を促していくのも私がやっている

そのためにはマスコミにも積極的に足を運んで我々の取り組みについて取材していただけるようお願いしている


ということでめちゃくちゃ忙しいが、日々新しい人にあって、自分の想いを伝えて、少しずつ形になっていってという感じで働いており、コンサル時代と比べても非常にやりがいを感じながら働けている

またコンサル時代はクライアントの要望の枠からはみ出さない形で達成することが仕事であったが、今は自分がクライアントに必要なことを気づかせて一緒に社会を変えようとしている感じが面白い

大学時代元々就職活動をしていたときは自分が挑戦できることと、日本の役に立ちたい、社会の役に立ちたいと思っていたが、まさにそれを実現できるフィールドではないかなと思う

私自身はまだ20代であるが、外資系投資ファンドにいるおかげで日本を代表する大企業の経営層に話を聞いて一緒に議論ができる

これがその会社に例えば自分が三菱商事に入っていたとして、三菱商事の社長や役員に20代で話しかけて一緒にビジネスの話をすることは不可能だろう

そういう意味だと今の自分の時からこういった話が日々できていることには感謝しなければいけないし、その分普通の他の人たちよりも社会を良くしていく責任があるということを感じて一生懸命働くことが求められているだろう

忙しさや責任感からもちろん辛い仕事ではあるが、自分のことよりもまずは日本社会、世のため人のためにを考えて一生懸命これからも働いていきたい


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