2023年中国リーグまとめ


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2022年の振返りはこちら

・最終順位

シーズン前の予想、結構いい線いってるかと

・優勝争い

上海海港が2度目の優勝。
ライバルと目された前年王者武漢三鎮山東泰山の失速もあり前半戦で独走状態。夏場の時点で最大勝ち点差18をつけ優勝を確定させた
・・が、夏場の炎天下の連戦でベテランや主力を酷使。その影響か8月に崩壊。ACLプレーオフでパトゥム(タイ)にホームで敗退。2位山東の激しい追い上げにあったが、29節直接対決を1-1で分け1試合残して逃げ切り。

監督ハビエル・ペレイラは就任1年目で優勝したとはいえ、夏場以降の失速や主力偏重などで批判され、シーズン終了後に退任。

後任には横浜Fマリノス前監督ケビン・マスカットが招聘された。

・ACL出場権

ACLーE(エリート)→上海海港(リーグ1位)、上海申花(カップ戦優勝)
プレーオフ→山東泰山(リーグ2位)
ACL-2→浙江FC(リーグ3位)

2位山東泰山は、序盤の失速が惜しまれるが、韓国人チェ・ガンヒ監督就任後巻き返しリーグ、カップともに2位。ACL23/24でも中国勢唯一の決勝トーナメント進出。開幕前~序盤戦で当時の監督や主力数名が連行される異常事態で良く健闘した。一方年内で長くチーム支えたフェライニ、モイゼスが退団。早く後釜確保し定着させることが急務

3位浙江FCも、開幕前に正GKが連行。アジア大会の影響で本来のホーム杭州を使用できず、開幕4連敗スタートから3位に浮上したのは立派。
ACLでは3位敗退も、来期ACL-2でリベンジを期待

上海申花は呉金貴監督の元、リーグ戦は5位。カップ戦では3連覇中の山東破り優勝。平均年齢が若く、選手層的に上位陣には及ばぬも堅守光り健闘。
シーズン終了後、呉監督退任し、元ロシア代表でCSKAで本田圭佑率いたスルツキー新監督が就任。来季ACL-Eでの戦いに期待。

・残留争い

16位深圳は財政難の影響で主力が多量流出。頼りの外国人選手も後半戦ほぼ欠場するなど散々。序盤3勝したが、6月の第11節以降は1分19敗と崩壊状態。来季中甲(2部)降格だが、日本円数百億規模の負債を抱えていると言われ、売り先もそうそう見つからず、チーム存続すれば御の字。

深圳が早々確定し、残る1つの降格枠は最終節までもつれたが大連人が15位で降格。彼らも財政難の影響で補強禁止の状態で奮闘したが、最終節(2-3海港)終了間際に勝ち越しのPK失敗が惜しまれる。

ここ数年毎年解散チームが出て繰り上げ残留がありうるが、深圳も、大連も財政面の不安があり、ともに昇格云々以前に存続できるかどうか。

・得点、アシストランク

レオナルド(長春/浙江)が19得点で得点王。前半戦長春、後半戦は浙江で安定して得点を重ねた。鳥取、新潟、浦和経て中国へ。現状山東からのレンタルだが、山東では居場所なく、また浙江ではACLでの乱闘騒ぎへの加担でAFC公式戦8試合出場停止処分の影響から来期の去就は不明。

武磊(海港)ムシェクウィ(浙江)が同率2位。
前者はスペインから帰り年齢的にやや衰えたとはいえ、中超ではまだまだトップクラス。夏場の疲労による失速が惜しまれる。
後者は元ジンバブエ代表、36歳ながらリーグ、ACL共に結果を残したが年齢的に来期の去就は不明

アシストランキング。1位は流石のオスカル(海港)だが、2位スタンチュは夏に武漢三鎮を退団(サウジ・ダマクへ)したにも関わらず、残っていればアシスト王は確実だっただろう。

・MVP

MVPは武磊(上海海港)。得点王は1点差で逃したが、優勝チームからの選出、夏場に酷使でやや失速した他は別格のパフォーマンス。

・ベスト11

FW武磊、レオナルド、クリザン(山東)
MF謝鵬飛(武漢三鎮)オスカル(上海海港)周定洋(成都蓉城)フランコ(浙江)
DF蒋聖龍、朱辰傑(上海申花)エンガドゥ(北京国安)
GK王大雷(山東)

順当な感じだが、若い申花のCBコンビに期待

・最優秀監督

チェ・ガンヒ(山東泰山)
前監督や主力選手数名が連行される異常事態から、チームを立て直しリーグ・カップ共に2位。ACL中国勢唯一のGL突破。順当な選出か

・新人王

夏合扎提(深圳)
06年新疆生まれ、名前の通りウイグル族のFW。前述の通り戦力流出ボロボロ深圳で多くの若手が出番を得た。夏合扎提は24試合3得点(16試合先発)、17歳の若者でかつチームの状態を考えれば上出来の数字。チームの財政難で来季はどこへ行くのだろうか

・その他

展望の記事で書いた通り、政策の変更で今季からホーム&アウェイが復活

平均動員1位は北京国安の北京工人体育場。国安は振るわず6位だったが、専スタに改造され1年目のスタジアムは連日満員。6月にはアルゼンチンVSオーストラリア戦も開催され、メッシがプレイした。

昇格組の青島海牛、こちらも新設の専スタで13位で残留決定。
解散が多い中国で、地方都市の平民クラブがリーグ創設から一時は3部へて30年存続しているのは奇跡的なこと。

前年王者の武漢三鎮。ずっとパッとせず中位、最終的に7位と不満のシーズン。高畠勉新監督招聘後もパッとせず。更に夏には親会社が離脱。現在武漢市が支援しているが、こちらも来季の存続に不安。

中甲(2部)からは四川九牛青島西海岸が共に初昇格。

前者はシティ・フットボールグループ(CFG)の一員。同グループが中国でも根付けるかどうか注目。

https://twitter.com/TatsuryuX/status/1716085882065940746

日本生まれ、名古屋育ちの夏達龍(四川九牛)に注目



漸く正常なリーグが戻ってきた。

とはいえ政策、経済面の影響で各クラブのおかれている状況は怪しい。
昔のように大物外国人、指導者が大挙してくる金満リーグはない
ただ堅実経営で、等身大のリーグに戻って欲しい。

来季、各クラブが解散することなくまた参戦することを祈る。

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