2022年中超リーグ 振り返り

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・最終順位

・優勝争い

 優勝は武漢三鎮、3部優勝→2部優勝→昇格即優勝、3年連続昇格&優勝は世界的に見てもなかなか珍しいのでは?前半戦17試合無敗(15勝2分)、後半勝ち点を落とすことが増えたが、前半のリードを守り逃げ切った。
 得点王マルコン(Marcao)の27得点だけでなく、ダヴィドソン(Davidson)が18得点13アシスト、ルーマニア代表スタンチュ(Nicolae Stanciu)は10得点12アシスト、元マリノス・ガンバのアデミウソンが10得点。謝鵬飛(Xie Pengfei)は9得点9アシストと強力攻撃陣を擁して、ACLでの活躍を期待したい。
2位は山東泰山(前山東魯能)、前半独走の三鎮を後半戦で追い上げて最終的には同勝ち点78に並んだものの、得失点差(三鎮+63、泰山+58、直接対決は2分)で及ばず2連覇はならず。結果的にホームでの直接対決、しかも三鎮は多くの主力が負傷などで離脱し外国人選手1人の状態で1ー1で引き分けたのが痛かった。

なお、最終節は武漢三鎮&山東泰山ともに不戦勝で終えている。
それぞれ対戦相手の天津津門虎、北京国安がコロナ感染者爆発の影響で選手が揃えられず棄権し0-3負け扱いになったため。仕方ないとはいえ、しっくり来ない終わり方。


・ACL出場権

3位には浙江FC、旧称・杭州緑城時代の2011年以来のACL出場権獲得。競争相手たる上海海港、北京国安らの自滅に助けられたが、三鎮&山東の2強を共に破るなど実力は本物。ACLでの活躍が期待される。

4位上海海港(前上海上港)、戦力的には三鎮/山東と優勝争えるレベルだったが、大黒柱オスカルが個人の事情でシーズン大半を離脱(3試合出場)、また前監督イヴァン・レコの采配の問題もあり(シーズン途中で解任)。シーズン後半に武磊(Wu Lei)が復帰後12試合11得点と活躍し盛り返したが、前半の低迷に泣いた。オスカルが年末に中国に戻り、年明けのカップ戦(足協杯)でタイトル&ACL出場権を目指す。

河南嵩山龍門(前河南建業)の6位は近年で最高順位と健闘も、堅実経営のおかげで他に比べ影響が少なく逆に言えばチャンスだった。前半戦も優勝争いに絡んでいたが、エースFWドラードが審判へのラフプレイで長期出場停止→契約解除になった事件が惜しまれる。
https://twitter.com/guojiadui/status/1561632888671584261

北京国安は7位、財政面の影響でバカンブら大型外国人が去り、今季加入した外国人選手はパッとせず。張玉寧(Zhang Yuning)が19ゴールと奮闘も、中国人選手も高齢化が激しく、カップ戦ではアマチュアチームに敗退し笑い者になるなど試練のシーズンに。チーム創設30周年、来季はホーム・北京工人体育場が専スタとしてリニューアル予定。復活期待


・昇格組の健闘

今季は昇格組の健闘が目立った。武漢三鎮(1位)浙江FC(3位)がACLへ、成都蓉城(5位)梅州客家(9位)と全チーム1桁順位。昇格組の健闘・・というより残留組が財政難などで競争力低下していた側面が大きいだろう。

成都蓉城は5位、得失点差で及ばなかったが3位浙江と並びACL出場一歩手前に迫る健闘。韓国人監督ソ・ジョンウォン(徐正源/Seo Jung-won)率い、元鳥栖の元韓国代表MFキム・ミヌ(Kim Minwoo)、元ジェフのFWサウダーニャ(Saldanha)らを擁し健闘。
終盤にはホーム・鳳凰山スタジアムの観客の声援も後押しした。シーズン後半からホーム&アウェー復帰も大半のチームは感染リスクなどで開催許可がおりず、真のホームで観客を入れて試合出来たチームは数えるほど。
鳳凰山スタジアムは完成1年余だが、12月になりようやく観客入れて開催できた。観客入りのホームゲーム、当たり前の風景が戻ってきた。

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