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組織、仕事、自分と向き合うための1on1|社員の変化を感じた株式会社フライヤー

1on1推進に成功されている企業から学ぶオンラインセミナー「1on1推進のリアル〜『背中を見て学べ』から『部下の話を聴く・引き出す』マネジメントへの変革」。前回の安全自動車株式会社に引き続き、新たな事例をご紹介します。

今回登場していただくのは、「株式会社フライヤー」。ビジネス書を中心とした要約サービスflierの運営を手がけ、豊かな読書体験を提供しています。法人向けサービスやオンライン読書コミュニティなど、多彩なサービスを展開されているスタートアップ企業です。

【篠田真貴子さん監訳『LISTEN』発売記念セミナー】
日時:10月21日(木)13:00~14:30第1部 今、求められる組織の1on1とは
エール株式会社 代表取締役 櫻井将さん

▼今回のセミナーレポートはこちら
第2部 1on1推進企業に聴く、1on1推進のリアル
安全自動車株式会社 取締役副社長 中谷 象平さん
株式会社フライヤー  代表取締役 CEO 大賀 康史さん
エール株式会社 取締役 篠田真貴子さん(モデレーター)

【ご案内:12月14日13時〜 無料開催!「個の力を引き出す組織づくりと1on1」セミナー お申し込み受付中!=>詳細は記事の最後に】

1on1導入のきっかけとなった、組織の急拡大

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篠田さん:YeLLを導入しようと思われた背景に、組織規模の変化があったそうですね?

大賀さん:2020年の10月頃ですね。設立当初、まだ社員が20名以下だった時代は私がすべて評価をして、マネジメントにも携わっていました。しかし個人向けの要約サイト運営に加えて、法人向けサービスも展開することになり、組織体制が50名規模に急拡大したんです。

そうすると今までフラットに和気あいあいとしていた社風も、ちょっとピリッとして雰囲気が変わってきて(笑)。物理的に私が全社員の働きぶりを見守ることも難しくなり、目標管理や評価体制を大きく見直そうと思いました。

新たな目標管理制度として「OKR(Objectives and Key Results:目標と主要な結果)」を導入しようとなったのですが、そこで「やはりマネージャーとメンバーの1on1を大切にしたいな」と考えたんですね。

自分と会社の未来が重なれば、仕事に本気になれる

篠田さん:OKRの導入を進める中で、1on1を必須にしていこうと思われたのですか?

大賀さん:そうなんです。成果を目指し、社員が自律的に動いていける組織を作りたいと思っていましたから。社員1人ひとりの成果と、フライヤーとして目指す「ヒラメキ溢れる世界をつくる」ミッションが100%一致するなんて、なかなかあり得ないことです。

会社で働く意義は、本当に人それぞれ。「業績が伸びている企業にいたい」「成長企業で頑張ってみたい」…そうした個人の願いに沿っていないと、本気で仕事をしないと思うんですよ。個人の希望と会社の目指す方向性がどう重なっていくのか。それが1on1だったら、聴けるのではと感じました。

篠田さん:確かにそうですね。丁寧に対話を重ねないと、出てきませんね。

大賀さん:ええ。チーム内のコミュニケーションの質を高めるために、まずはマネージャーに対話力、つまり「メンバーの声に耳を傾ける力」を身につけてほしくて、YeLLを体験してもらおうと決めました。

時間差で出てくる変化もある

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篠田さん:1on1の導入は最初からスムーズに進んだのですか?

大賀さん:いや、導入前から「ちょっと危ないかも」と思っていました。まず普段から対話がしっかりできている人・できていない人が半々の割合でいることは感じていましたので、「中には、不平不満を持つマネージャーもいるな」と想像できました。

そこでまずは、「自分の話を受け止めてもらうとは、どういうことなのか」を体感してもらい、YeLLを通じて学んでくださいと伝えたんです。「自分も受けるから、社員みんなで聴くスキルを高めよう」と。

予想したとおり、「面白そうですね!」と前のめりに取り組もうとしてくれる社員もいれば、「業務が忙しいのに毎週30分ですか?」とまったく乗り気じゃなかった社員もいました。最後まで手応えが感じられず、雑談が多いし、1on1スキルを習得できている実感もない。これって、意味あるんですか?」とぼやいていましたね。

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篠田さん:個人によって、反応はさまざまだったと。
大賀さん:はい。しかし驚いたことに、しばらく時間が経ってから、変化が見えてきたんです。あんなに「聴くこと」に前向きじゃなかった社員が、明らかに変わっていました。

メンバーとの目標設定も、「こんなに高い目標なんて、達成はムリだろう」と思いながら、力技で達成を目指すようなマネジメントスタイルだったそうなんです。しかしYeLLを体験し、「本当の意味で話を聴いていきたい」という意識が芽生えたと話してくれました。

客観的に見ても、目標に対するメンバーの反応を受け止めて、「何に不安や迷いを感じているのか」「どう進めていけば、目標達成ができそうか」と建設的に話ができるチームになっていたんですよね。ここまで1on1を導入してから2ヶ月経っていました。

PDCAを最速で回すためにも1on1が役立つ

篠田さん:まさに今、スピード感を持って、事業成果に向けて勢いよく走っている時期だと思います。組織を変革しようとする時は、人に対するケアが疎かになりがちな気がするんですよね。そんな中で、組織変革と社員の気持ちを受け止めるケアを、同時に取り組まれている姿が印象的です。

大賀さん:人の価値観を変えることは非常に難しいものです。だからこそ人が変わっていく姿に驚きました。その後、「組織に対してモヤモヤしていた気持ちを、YeLLのサポーターに聴いてもらってスッキリできた」とも教えてくれたんです。

個人の希望や強みを理解した上で、やりたい仕事ができる環境が整えば、圧倒的にクオリティの高いパフォーマンスが生まれるわけです。そうした個人の情熱や、成長スピードを阻害する要因は、取り除いた方がいいですよね。

吐き出せない感情やモヤモヤは、いわばそうした要因の一つ。1on1で制約を取り除ければ、仮説検証をたてて、最速でPDCAが回せるようになります。私たちのようなスタートアップ企業が、変化の激しいマーケットで勝ち残っていくためにも、1on1で「聴くスキル」を高めていくことは非常に重要だと思っています。

篠田さん:経営戦略を考える上でも、やはり「聴く力」が大切だと実感できる事例ですね。本日はありがとうございました。


自分自身と向き合う時間が、価値を生む

以前、別のインタビューの中でも「やりたいことをやっている人は、素晴らしい輝きを放つんですよ」と語っていた大賀さん。

自らの意志で「これがしたい」と選び取る。そんな手触り感を仕事で得られるかどうかが、働くやりがいに直結しているのだと改めて感じました。

週1回30分の1on1を通じて自分自身と向き合い、「やりたいこと」を組織の中でどう活かしていけるのかを考える。それが、新たな価値の創出につながっているのではないでしょうか。

会社概要:株式会社フライヤー
2013年に設立。「ヒラメキ溢れる世界をつくる」をミッションに、変化の激しい現代において、発想力が求められるビジネスパーソンのための“知”に貢献しています。年間7万冊出版されているという書籍の中から、「ビジネスパーソンがいま読むべき365冊」を厳選。1冊10分程度で読める要約をWeb・アプリで配信しています。

【ご案内:12月14日13時〜 無料開催!個の力を引き出す組織づくりと1on1」セミナー お申し込み受付中!】
篠田さんが、変革を実現する組織カルチャーづくりを推進してきた管理職お二人=JTの古川将寛さん、ヤマハモーターエンジニアリングの村松浩義さんに、現場のコミュニケーション改革と1on1活用の実態について、お話を伺います。ぜひ、お越しください。録画視聴のお申し込みもお待ちしています(詳細はこちら)。


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